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ローマで信頼を潰したバルベルデに望むこと

負けたことより、負け方がヒドかったローマ戦。この路線では未来を感じられないので、転換を希望する

ローマでバルサがやらかした大失態のなかで、最も残念だったのはエルネスト・バルベルデの采配でした。相手の攻勢を受け流そうとした前半はまだ良いとしても、船が傾き始めた後半に有効な対策を打てず、固まって沈没を許したのが残念極まりなく。こつこつ積み上げてきた信頼を、一気に崩す試合となりました。

あの負け方はない

フットボールの面白みは少ないけれども、結果を出していることで評価を得ていたエルネスト・バルベルデにとって、今回のローマ戦が残したダメージは非常に大きいです。

リスクを最小化しようとする手堅さが裏目に出て、待ち受けすぎた。バルサらしく相手を支配して勝とうという野心が感じられなかった。巷で言われている、「ウナイ・エメリのようだったバルベルデ」に同意します。

これならば、まだ、「4-1で勝ってるのにあんなに攻めてカウンター3発食らうなんてアホか」と嘆くほうがマシ(明るく笑える要素がある)というかね・・・ 極論ですが。

バルベルデなりの判断や事情もあるでしょう。
しかし、仮にもFCバルセロナがあの負け方はない。
覇気も魂も感じられないフットボール。
立ち上がりの数分以降、ローマの守備陣(特に守護神アリソン)を焦らせた場面がなかったことを批判されているなんて、悲しすぎます。

手堅く待ち受けすぎ、処置も遅く

戦術的な見る目はほとんどないので、プロの批判なんぞおこがましいですが、今回のチャンピオンズ準々決勝は2試合を通してディ・フランチェスコ監督が上手でした。

バルベルデは非常に手堅く、先発メンバーがだいたいいつも同じで、「おっ」と思わせられることがほとんどない。勇気を出してウスマン・デンベレを先発させた、チェルシー戦(@カンプノウ)の布陣でいけなかったものかと。

3人のセントラル+両サイドのカリレーロ(ラテラル)によるローマのサイド攻撃を、デンベレで抑止力にする案。チェルシー戦は守備とフィジカル重視でパウリーニョ先発か、と見られていたところをデンベレに賭けたチングリでしたから、せめてもう少し早い段階(同点にされた58分のすぐ後)でモスキートを出してほしかったです。

ローマのガス欠が期待された60分頃を前に、希望再注入の2-0弾を入れられ、あれだけヤバイ気配が漂っていたのにさらに20分間様子を見て、最初の交代が80分だというのも残念で。なにを親切に、相手の狙いどおりに試合を進めさせているのかと・・・。

ぶっちゃけ、獲れると期待していなかったチャンピオンズゆえ、敗退はまあそうかと消化するとしても。負け方が無様すぎたので、胸焼けとか腹痛で苦しい消化になります。

来季への課題

チャンピオンズを失ってしまったことはもう仕方がない。
バルベルデバルサには残る国内二冠をきっちりとトロフィーケースに収めてもらうとして、チングリさんに期待するのは、この大惨事を教訓に、少しでも原点回帰への道を探ることです。

これによってアントワン・グリースマン獲得を推す声が高まるかもしれないですが、ガラクティコ路線で魅力的なバルサが戻ってくるとは思えないのです。

4月12日付のSPORT紙は、『クラブは3億3,000万ユーロを補強に投じたが、誰も違いを示せていない』と批判してます。しかし、もうこのバルサへの補強なんてそんなものではないかと。哲学が薄れた今のバルサに、いくらクラックを足しても違いなんて出ないんじゃないでしょうか。

逆に言えば、バルサらしさが戻ってくれば、デンベレコウチーニョセメドも輝くんじゃないか。

ルイス・エンリケ退任後、バルベルデが選ばれた理由は『バルサを知っていること』『カンテラ重視』『バルサ哲学』ですから、2年目となる来季はそちらへ重心を移してほしいです。できればリーガ優勝を最短で決めて、その後をカンテラーノ起用の序章に・・・

https://blau-grana.com/170530_valverde.html

主力の大半が三十路、世代交代待ったなし

ジェラール・ピケジョルディ・アルバセルヒオ・ブスケツアンドレス・イニエスタレオ・メッシルイス・スアレス。今のバルセロナはレギュラー選手の大半がアラサーで、世代交代は必須です。

バルサなんですから、これに対してカンテラーノで備えを進めていってほしい。

宝石の原石がないわけでなく、ホルヘ・クエンカ(セントラル)、マルク・ククレジャ(左ラテラル)、オリオル・ブスケツ(ピボーテ)、カルラス・アラニャーリキ・プッチ(攻撃的セントロカンピスタ)、アベル・ルイスホセ・アルナイス(デランテロ)と後継候補はいるんですよね。

バルサ初年度は結果重視だったというのは分かるので、2年目は是非、彼らを起用して未来への布石を。現有戦力では、デニス・スアレスネルソン・セメドも伸ばしてほしい。

結果の求められるビッグクラブで若者を起用するのは度胸がいるでしょうが、そこをなんとか。
未来へ夢を見られるなら、タイトルが獲れないシーズンがあっても目をつむる・・・なんてのは浪漫に傾きすぎですかね。でもカンテラーノに浪漫を求めてこそバルセロニスタでしょ。

このままだとどうせ、カンテラーノ全滅での暗黒時代突入もありそうで。
そうなる前に、早めに手を打ってほしいけれどもバルトメウ理事会では期待薄か・・・

このニュースのまとめ

  • ・負け方にバルサらしさが微塵もなかった
  • ・手堅さに度胸がほしい
  • ・バルサ哲学への回帰を望む
  • ・三十路の主力たちの後継にカンテラーノを

 

コメント

  1. クレ12年目 より:

    毎日読ませて頂いておりますが、言葉にならないクレの感情をこうして綴ってくれるブログがあることに感謝です。幾分か心が和らぎます。
    昨日は本当にいただけない試合内容、、それでも辛抱強くバルサを応援したいと思います。
    今後も更新よろしくお願いします。

  2. レト より:

    3シーズン連続ベスト8で欧州での影響力はもう失ったも同然ですから
    いっそ我慢の時期と割り切って若手育成に回帰するのもいいでしょう(フラフラのバルサBの改革前提で)。
    ただ、バルサが古豪としての地位を受け入れられるかどうかがポイントですね。
    加えて重要なのはバルベルデ監督の度胸の問題です。
    「勝てるチーム」ではなく「負けないチーム」を作り続けた監督がバルサらしい攻撃的菜チーム作りに舵をきれるかどうか。
    キャリアの岐路に立たされた監督のリアクションが気になります。

  3. アメドリ より:

    同意!
    サッカーはこういう事があり得るとか、2冠でよしとしようとか意見あるけど、本質はそこじゃないと言いたい。
    だいたいいつまで4-4-2でリスクヘッジしたいのか、、、このままだと来季も本質は変わらないと思いますね。

  4. エイプリル より:

    これで三年連続で「力の差を見せ付けられる」形での敗退になりましたね。
    やはりこのレベルの相手と戦うならメッシ、スアレスのどちらかを先発から落とすしかない、と強く感じました。
    ほとんど守備をしない選手を二人抱えてどうにかなるほど甘くないな、と。
    オーウェンの二人への批判は妥当だと思いました。

    カンテラ重用は……こんなことを言うのもつらいですが、実力が伴ってない選手を無理に使うのはチーム内秩序の崩壊を招くと思いますし、正直反対です。
    イニエスタもメッシもブスケも初見から実力が別格でしたから。

  5. クレの端くれ より:

    残念ですが、今のバルサにはバルサらしさがほとんど無いですよね。

    グアルディオラのサッカーに衝撃を受けてファンになったんですが、あの頃のような独自の哲学が魅力的なチームではなく、メンバーを除けば白いチームとほとんど変わらないように見えるのが本当に残念です。

    このままだと、結果が出ないのはもちろんカンテラにもアラニャやアベルのように期待できる選手がいなくなりそうな気がします。

  6. イバン より:

    改めてこの記事を読むと、なぜバルベルデが解任されたかわかる。

    当然の結果なんだけど…