狙われやすいカデテ世代を確保することが目当て。
毎年のように繰り返されるカンテラーノの引き抜き・流出をいかにして食い止めるか。宝の山といわれるバルサのカンテラは常にビッグクラブの注目を集め、才能ある少年たちは多かれ少なかれ、勧誘の危険にさらされています。今夏はカンテラ最高のセントラルと将来を期待された、エリック・ガルシア(16)がクラブを去ると見られていますし、ジョルディ・ムボウラ(18)のモナコ移籍はすでに公式発表されました。
18歳となった選手が、バルサにいるよりも他クラブで出場時間を得る方がフットボリスタとして成長できると考え、移籍するのはやむを得ない面もあると思います。だからこそ、それでもバルサに残る選手を応援したい気持ちが強くなってくる。気にくわないのは国家間の法律の隙間を突き、16-17歳で引き抜こうとするケースです。
3年縛り
カンテラーノが狙われるのは、EU内での未成年者の移籍が可能となり、英国方面ではプロ契約を結べる16歳を迎える頃です。カテゴリでいえばカデテからフベニールへとステップアップする頃。セスク・ファブレガス、エクトル・ベジェリン、フラン・メリダ、ジョン・トラル、それにエリック・ガルシア、このあたりのプレミア移籍組はみな16歳での旅立ちでした。
そこでこの16歳での旅立ちを阻止するべく、バルサが考案したというのが、インファンティルA(U-14)を卒業する選手たち全員に、最低3年間バルサにいますよという誓約書?を書いてもらうというものだそうで(MD紙)。それによって少年たちは少なくともカデテB、カデテA、それにプロ契約になるフベニールBでの1年目までバルサに所属することになります。そしてラ・マシアで暮らす若者たちは、フベニール時代が終わるまでバルサとの合意を延長できる、そうです。
これはつまり、フットボルだけでなく勉学や人間形成面でも鍛えてきた少年たちをプロ1年目までバルサに縛る代わりに、17歳まではラ・マシアで面倒を見るよ、途中で一方的に退団を促したりはしないよ、ということでしょうか。それだと人数が増える一方のような気も。
誓約では選手を完全に縛ることは無理でしょうから(そもそも”契約”ではないですし)、どの程度効力があるのかはよく分かりません。
契約解除金の増額
また、バルセロナはフベニール選手との契約に関しても、現在の一律300万ユーロとなっている契約解除金を増額し(500万~900万ユーロ)、少しでも引き抜きを抑止する、あるいは金庫の足しにする方向で準備をしているようです。キラキラ星たちが全員夢見られるような、絶対的な魅力をバルサが放てればベストなんですが。
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