Liga Española | jornada 37
ザル守備であれよあれよと5失点、リーガ無敗の夢潰える。
コウチーニョのハットトリックもチームを救えず。
こんなことが第37節で待っていようとは。ここ最近4連勝と勢いに乗るレバンテが、守備が混乱するバルベルデチームにまさかの5得点で大金星。あと2試合まで迫っていたバルサのリーガ無敗への夢を打砕いた。5-1から5-4まで追い付く意地を見せたが、なにせ失点が多すぎた。高くついた油断、集中力の欠如。
試合の流れ
●残留の決まったレバンテと、優勝の決まっているバルセロナと。エルネスト・バルベルデがレオ・メッシを招集リストから外したのも、なんだかんだで負けることはないと予想したからだろう。しかし地元での最終戦にて伸び伸びとバルサに土をつけようと躍動するレバンテは、結果的に当たるタイミングが非常に悪かった。
●立ち上がりはバルサペースで、レバンテに2点を先行されるなんて思いもしなかった。9分のゴールではモラーレスのぬるぬるしたドリブルにジェリー・ミナが釣り出され、折り返しを最後はボアテング。2-0のゴールも守備の混乱からで、テル・ステーゲンと1対1になったボアテングが、突っ込んだセメドのタックルにびくともせず無人のゴールにシュートを蹴り入れた(30分)。エマヌエル・ボアテング、強い。
●その2ゴールの間にはバルディにクロスバー直撃シュートも打たれていて、3-0にならず済んだのは幸運だ。突然1-0にされてからのバルサのプレーは不正確で陳腐。明らかに動揺した様子で、集中力も欠如していたように見えた。チームを正常運行させるための1ゴールがバルサには必要だった。
●30分にはアクシデント発生。トーマス・ベルマーレンが負傷してピッチを去り、2-0にされたのはジェラール・ピケが準備中だったこのタイミングだ。
●一方でピケの存在は、反撃の狼煙ゴールの際には重要な意味を持った。みんなもっとしっかりしろ!と前へ出るプレーでチームメイトたちを鼓舞したのだ。そのピケの攻め上がりが起点となり、コウチーニョ得意のミサイル弾で2-1に!(38分)。ジェリの強いキャプテンシーを感じた(ただし4失点目はピケのエラー)。
●1点を返したことで、前向きな気持ちで後半を迎えたバルセロニスタ。しかし逆転勝利への期待は、いきなりのレバンテの嵐で根こそぎ蹴散らされてしまう。開始1分を待たずしてカウンターからバルディのロスカ弾が決まると(3-1)、49分のボアテング、56分のバルディと速攻にいとも容易く守備網を破壊されて5失点。なんて切れ味、レバンテさんのカウンター・・・ 良いように突かれたブスケツの周囲。
●5-1とされては、さすがに敗北も覚悟する。しかしここから、カンペオンの意地の反撃が始まっていく。チームをけん引したのはフィリペ・コウチーニョだった。受け身になったレバンテをバルサは押し込み、チャンスとあればコウチーニョがとにかくシュートを放つ。すると相手選手にかすりながらでも入る。運だって味方する。
●70分のCKの場面、ニアポストでボールを受けようとしたセルヒオ・ブスケツが足を払われ、PKの笛。これをルイス・スアレスがきっちり決め、バルサはついに5-4まで追い上げた。残り時間はまだ20分ある。同点の可能性は80%くらいあると思った。しかしこの夜のフットボールの女神様はバルサには微笑まず。バルベルデチームのリーガ無敗の夢はシウタ・デ・バレンシアで終了となった。
トピックス
●バルサのリーガにおける無敗記録が43試合でストップした。これにて、開幕から続いていた負けなしも36節で終了(27勝9分)。目前まできていただけに達成してほしかったリーガ無敗シーズンだったが、あと二歩及ばなかった。しかし5失点とは、盛大に散ったな。
●フィリペ・コウチーニョがバルサ選手として初のハットトリックを達成。3点目はスアレス(の腕)に当たっていたが、コウの得点と認められた。コウチーニョはこれでパウパウと並ぶ9得点。入団4ヶ月でこの数字は大したものだ。
●レバンテのガーナ人選手、エマヌエル・ボアテングもまたハットトリックを達成。混乱するバルセロナの守備をあざ笑うかのように、鋭いゴールへの嗅覚とシュート技術でテル・ステーゲンを三度も攻略した。バルサ相手にハットトリックを決めた選手は、2005年のディエゴ・フォルラン(ビジャレアル)以来となる。
●バルサがレバンテの本拠地で5失点したのはこれが二度目で、前回は1964年10月11日。スコアは5-1だった。これがきっかけでセサル・ロドリゲス監督が解任されたらしい。
●バルサが5失点したのは2003年12月3日のマラガ戦以来。当時からチームに残っているのはアンドレス・イニエスタのみ。
●トーマス・ベルマーレンが負傷交代。初期診断では「右大腿・大腿二頭筋の負傷」と公式発表されている。
●FCバルセロナの選手たちは、先週のビジャレアル(カンプノウ)に続き、このシウタ・デ・バレンシアでもパシージョで出迎えられた。そのレバンテの敬意と心意気に感謝!難癖つけてしなかったあのチームが、逆に際立つ。
●アンドレス・イニエスタがデニス・スアレスと交代でベンチに退く際(60分)、シウタ・デ・バレンシアの観客席からカピタンに大きな拍手が送られただけでなく、電光掲示板に「ありがとうアンドレス」のメッセージも。なんて気持ちの良いクラブだろうか、レバンテは。黒星を付けられたのが彼らのようなクラブで良かった。
●レオ・メッシのボタ・デ・オロ(ゴールデンシュー)獲得が事実上決まった。プレミアリーグが閉幕し、メッシを追っていたサラー(リバポー)は32得点で終了。イタリアとフランスはあと1節を残すものの、インモービレ、カバーニ、イカルディらがレオ(34得点)を抜くには5-6得点必要なので、ほぼ不可能だろう。メッシもレアル・ソシエダとの最終節で得点のチャンスあり。
Levante | FC Barcelona |
5 | 4 |
13 de Mayo 2018 – domingo 20:45 h Ciutat de Valencia : 22,384 |
|
Goles | |
Emmanuel Boateng (9) | |
Emmanuel Boateng (30) | |
Coutinho (38) | |
Bardhi (46) | |
Emmanuel Boateng (49) | |
Bardhi (56) | |
Coutinho (59) | |
Coutinho (64) | |
Suárez (71pk) | |
Titular | |
Oier Olazábal | 【4】Ter Stegen |
Coke | 【4】Semedo |
Postigo | 【3】Yerry Mina |
Rober Pier | 【4】Vermaelen |
Luna | 【4】Jordi Alba |
Campaña | 【4】Busquets |
Lukic | 【4】Rakitic |
José Luis Morales | 【4】Iniesta (c) |
Bardhi | 【4】Dembélé |
Martí | 【7】Coutinho |
Emmanuel Boateng | 【4】Suárez |
Cambios | |
Martí→ Jefferson Lerma (69) | Vermaelen→【5】 Piqué (31) |
Emmanuel Boateng→ Pazzini (77) | Iniesta→【6】Denis (60) |
José Luis Morales→ Rochina (85) | Dembélé→【4】Alcácer (60) |
Entrenadores | |
Paco López | 【4】Ernesto Valverde |
Arbitro | |
Mario Melero López (andaluz) | |
Tarjetas | |
Bardhi (22) | Vermaelen (20) |
Emmanuel Boateng (37) | Busquets (65) |
Coke (62) | Suárez (88) |
Campaña (70) | Denis (89) |
Jefferson Lerma (88) | Piqué (90+4) |
Pazzini (90+3) | Yerry Mina (90+4) |
Jordi Alba (90+5) | |
名前の次の数字は評価点:平均点【5】 |
Estadisticas | ||||||
1a | 2a | Total | Total | 2a | 1a | |
2 | 4 | 6 |
Tarjetas Amarillas |
7 | 6 | 1 |
0 | 0 | 0 |
Tarjetas Rojas |
0 | 0 | 0 |
5 | 7 | 12 (7) |
Tiros a puerta |
18 (7) | 11 | 7 |
3 | 4 | 7 |
Ocasiones de Gol |
4 | 3 | 1 |
1 | 2 | 3 |
Corners |
8 | 3 | 5 |
1 | 2 | 3 |
Fueras de juegos |
4 | 1 | 3 |
9 | 9 | 18 |
Faltas |
12 | 4 | 8 |
286 |
pases |
535 | ||||
41% | 35% | Posesion del Balon | 65% |
Formación | |
セルジ・ロベルトが出場停止(2試合目)。ウンティティはヒザの違和感。 メッシが不在の中での4-3-3。セルヒオ・ブスケツ横のスペースを突かれた。 5点奪われ、コウチーニョが1点返したタイミングで(5-2)2人同時交代。 |
|
Titular | Final |
Goles | |
Emmanuel Boateng (9) | |
Emmanuel Boateng (30) | |
Coutinho (38) | |
Bardhi (46) | |
Emmanuel Boateng (49) | |
Bardhi (56) | |
Coutinho (59) | |
Coutinho (64) | |
Suárez (71pk) | |
Reporte | |
コメント
無敗記録にそこまでの意味はありませんが、この結果でただでさえ地味なチームがさらにその印象を強めた感があります。
公式戦5敗という結果はそこまで悪くないまでも後になって今シーズンを振り返ると
屈辱的な敗戦しか記憶にないという人もいるでしょうね。
とはいえ国内二冠は達成しましたし、今回改めて浮き彫りになった選手層の薄さを考えてもメンバー固定気味で戦ったのは正しかったのでしょう(CLを犠牲にしたことも含め)。
今回の試合は完全な実力負けで内弁慶ですらないことが明らかになりましたから
国内でも安定した結果を残せるBチームの編成が望まれます。
その前にAチームの再編はいつ完成するか、って話なんですけどね(期待していた433があの結果に終わったので)。