欧州選手権が来夏へと移動したことで、6月に国内リーグ戦を行うことが可能に
しかしコロナウイルス感染が収束せねばならず、活動停止が長期に及ぶと選手たちの怪我のリスクが増加すると
予想されたとおり、フットボール欧州選手権（EURO）の開催延期をUEFAが発表しました。今夏に予定されていたEURO2020は、来夏に移動してEURO2021へ。UEFAが加盟国の国内リーグが日程を終えることを優先した結果で、この特別措置によってラ･リーガも残る11節を消化できる道が開けました。
ただし道が開けただけで、解決していくべき物事は多い。最重要は新型コロナウイルス感染の収束で、ここが上手くいかないことには話は次に進まないのです。
UEFAがEURO開催を1年延期
UEFAは昨日、55の加盟国が参加したという電話会議を経て、EURO2020の1年延期を決定しました。
その目的は･･･ 今年6月12日から7月12日まで、1ヶ月にわたって開催される予定だった欧州選手権が来年へと移動することで、各国フットボール連盟が中断している国内リーグを行うための日程的スペースを提供すること。
ほぼ同期間に予定されていたコパ･アメリカも1年延期が決まっています。
例えばラ･リーガは残り11節なので、毎週2試合ずつ詰め込んでいけば、6週間あればどうにか日程は完了できます（このペースに慣れてないクラブはしんどいけれど）。セリエAは残り15節なので、もう少し必要。
チャンピオンズやヨーロッパリーグも無理から詰め込むようです。
ひとまずの予定としてメディアに出ているのは、チャンピオンズを5月5日に再開し、決勝を6月27日に行う案。ヨーロッパリーグは5月7日に再開し、6月24日に決勝戦の予定云々です。
上手くいけば、ゴールデンウィーク頃には欧州のフットボールシーンは正常化する･･･！ そう期待して、自宅待機で頑張っている欧州の人々を応援していきます。
たとえ塩っぱいフットボールであっても、バルサの試合が見られない日常は退屈。早く元に戻ってほしいです。
選手たちは健康へのリスクを望まない
で、ですよ。プロフットボールの主役たる選手たちの話です。
振り返ると、無観客での試合続行を考えていたラ･リーガに対して、感染リスクから開催延期を要望したのはスペイン選手協会（AFE）でした。彼らの意見が重んじられて、ラ･リーガはまず2週間の延期を決定した。
パロン（リーガ中断）が終わる場合も、AFE（選手たち）の意見が第一なのは明らかです。
SPORT3月18日号によると、選手たちの考えに大きな影響を及ぼしたのはバレンシア対アタランタです。試合を実施したことで複数のバレンシア選手がCOVID-19に感染したとされる事例。
選手たちはコンペティション再開に全力を尽くすけれど、健康へのリスクがゼロでないかぎり、プレーを望まないだろうと同紙は述べています。
そして明らかなのは、「コンペティションが再開した後、もしも問題が起これば（感染者が出れば）、その時は中止が決定的になる」ことだと。
健康へのリスクが存在する場合、選手が試合を望まないというのは重要なポイントだと思います。
（五輪だとまた少々違うかもしれませんが、欧州から見て新型コロナウイルス感染拡大への対策が為されていないと見なされる日本に、果たしてアスリートたちが訪れようとするのか）
自宅でのトレーニングは2週間を超えると問題発生
そしてSPORTにはもうひとつ、選手たちのコンディションに関する気になる記事もあります。
待機する自宅でトレーニングする様子を、SNSでファンに知らせる選手たち。専門家に問い合わせた結果、この自宅でのトレも続けるのは2週間が限界だというのです。
すごーくざっくりまとめると、こんな感じです。
●クラブから指示されたトレーニングメニューは、選手にとって基礎となる筋力とスピードの維持が主目的
●ダッシュやジャンプの不足が、3週目以降に能力低下となって現れてくる
●運動制限が1ヶ月以上続けば、怪我リスクを回避するために少なくとも10～12日間のプレシーズンが必要になる（2週間なら、4･5回のセッションで回復する）
最近のトップ選手は自宅にトレーニング室を持ってはいますが、やはり広いスペースで走って跳んでしないとダメということで。。意外でも何でもない。バランスボールやトレーニングマシンで十分なわけないですからね。。。
あちらは文字どおりの自宅待機なので、公園にも行けないのは辛い。
よって5月にコンペティションを再開しようと思えば、自宅待機は4月中旬には解除されなければなりません。ナポリは3月23日にトレーニングセッションを再開する計画だそうですが（思いのほか早い）、バルセロナはさてどうなる。
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