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ラポルタ理事会への不満を書き連ねる:バルトからのジャン宛ての手紙も紹介

会長就任から5ヶ月、まだソシオの期待に添えていない会長
バルトメウからの反撃、そしてメッシ退団に納得のいく説明がほしいクレ感情

ジョアン・ラポルタ理事会が率いるFCバルセロナが、暗闇をさ迷っています。3月17日の会長就任式(選挙投票日は7日)からもうすぐ5ヶ月が経過しようとしていますが、彼ら発の明るい話題はこれといってない。レオ・メッシは涙ながらにクラブを去り(笑顔でパリ到着)、新加入選手の登録はいまだ完了せず、ラ・リーガ開幕だというのにあんまり心が弾まない日々を過ごすクレ界隈です。

(お盆でヒマにつき、長くなってしまいました)

出足でつまづいたラポルタ

第2次ラポルタ理事会の運営は○△だった、との結論が出るのはまだ数年後のことですが、会長就任からここまでの流れは、残念なことに好ましいものとなっていません。むしろ問題の連続と言った方が良いでしょう。

陣営の目玉とされ、財政立て直しのカギになると見られていたジャウマ・ジロが理事会発足前に突然ラポルタチームから離脱。フロレンティノ・ペレスらと画策していた欧州スーペルリーガが早々に頓挫。妹を役職に就けるために、こっそりクラブ倫理規定を修正。進まないエスパイ・バルサ計画。ロナルド・クーマンの去就を巡るぐだぐだ。ガルシア・ピミエンタ(バルサB監督)を含むバルトメウ時代のコーチ陣の大量粛正。残留希望だったレオ・メッシの悲しき退団。かろうじて出場登録できそうな、新加入選手。

特に残念なのは、決定になにかと透明性が欠けていることです。真夏の夜の匂い、、ではなく旧態依然の匂いがする。これは分かっていたことですがね・・・ ここまでの5ヶ月間のクラブ運営を見ると、落胆>信頼です。

メッシの退団にしても、前バルトメウ理事会の遺産がとにかく酷いとか、融通を利かせないハビエル・テバスが頑固すぎるとかの説明で丸っと納得するはずもない。クラック残留に本当に全力を尽くしたのか、メッシ家ならずとも疑念が消えないのですよ。

※パリへと向かう際、エル・プラット空港で報道陣にクラブの責任を質問されて「クラブに尋ねてくれ」と素っ気なく語った父代理人ホルヘ・メッシや、インスタグラムでバルサのフォローを解除したアントネラを見れば、その失望ぶりが伝わる。一説では最後の話し合いの際、その部屋からはホルヘの怒声が響いていたという。メッシ自身も、退団会見の前にラポルタと挨拶する際、目も合わせずによそよそしい握手で済ませている。

バルトメウの大反論

ジョアン・ラポルタの悩ましきバルサ運営生活に、昨日は新たな頭痛の種が加わりました。メッシ退団の責任者とされた前会長ジュゼップ・マリア・バルトメウが、彼宛に長い長い公開書簡を送ってきたのです。

10項目の論拠を用い、ラポルタをぶっ刺そうとする力作で、その文字数は14,184(たぶん)!! 400字詰め原稿用紙なら35枚半という、ちょっとした短編小説級であります。頑張りましたね。
たとえ自己弁護であっても、名誉を守るべく意見を述べるのは、正当な権利です。バルトのクセに、と言わず見てみることにしましょう。ナガクテツカレルケドネ・・・

バルトメウの反論をまとめると、以下のようになります。適当に訳すつもりでしたが(苦笑)ラポルタの反論が楽しそうな内容だったので分かる範囲で記しておきます。

●2010年にルセイ理事会が第1次ラポルタ理事会から受け取った遺産も酷かった。2010年から2020年にかけての利益は9,600万ユーロ、正の遺産は3,500万ユーロとなる。

●3月21日に予定していた会長選挙まで私たちが続投していれば、必要な決定をして今のような財政状況を回避できたのだ。新理事会は数ヶ月を無為に過ごした。2020年10月27日に辞職した自分たちの理事会は、規約的に、2020/21シーズンの決算責任者ではない。

●自分たちは2020年3月に選手給与を12%カットし、2020年夏には給与の一部後払いで合意している。施設閉鎖が継続された場合、3億7,500万ユーロの減収が予想されるために次の行動が必要だったが、今の理事会はなんのアクションも起こさなかった

●減収額3億7,500万ユーロに対し、4億8,700万ユーロの損失との発表には驚いた。全ソシオへの詳細な説明が必要だ。推定有罪の疑いや推測を避けるために、出来るかぎり早く、会計監査の結果を公表してもらいたい

●素晴らしい成績を収めた全スポーツセクションの結果には、私たちが責任を持つ。カンテラの貢献度には特に満足している。

●自分たちは関心を持つ4社との秘密交渉を開始し、管理代行委員会に委ねた。新理事会はそれらをゴールドマンサックスから伝えられているのに、なんのリアクションもなかった。理事会が承認していれば、少なくとも2億2,000万ユーロの資金注入があったはずだ。

●その 2億2,000万ユーロと選手契約の20%(9,000万ユーロ)減額があれば、ラ・リーガの定める給与比率を見たし、(メッシを含む)選手登録は可能になっていた

●2020/21シーズンの収支を改善するための行動が、ラポルタ理事会には驚くほどに欠如していた。クラブの経済状況は選挙前の時点で、管理代行委員会から全候補者に伝えられているのだ。

●プレミアリーグや国家クラブと競うには、選手給与を上げる必要があった。ゆえに自分たちは収入を増やすたゆまぬ努力をした。それで高名なる経済誌フォーブスに世界で最も価値あるクラブと認められたのだ。ラ・リーガとUEFAのFFP比率を満たすよう、常に努力してきた。

●自分が命令しておらず、知りもしなかった不正行為の証拠が見つかった場合、それらを説明し、もし必要であれば罰を受けることを約束する。

いかがでしょう。

この前会長の反論(情報操作、無為への非難)に対して、現会長はどのような反論をするのか。バルトは証拠が見つかって罰を受けるのか。バルセロナらしい出来事だなと思いつつも、ピッチ外の騒動にかき回される現場は毎度ながら大変です。

納得がしたいだけなんだが

メッシ退団がいったい何故起こったのか、起こらなければならなかったのか、今さらながら考えてしまいます。新しいバルサに期待しつつも、何故あんな退団をさせたと考える自分がいる。これは当分の間続くことでしょう。だって、納得したいじゃないですか。それが散々な事実であっても、納得がしたい。
ジョジョの奇妙な冒険の第7部『スティール・ボール・ラン』で主人公ジャイロ・ツェペリはこう言っています。

オレは『納得』したいだけだ!『納得』は全てに優先するぜッ!でないとオレは『前』へ進めねぇッ!『どこへ』も!『未来』への道も!探すことは出来ねぇッ!!」

なぜ、どうしての繰り返し

PSGでの入団会見を済ませた後、レオ・メッシは英BBCのインタビューのなかで父ホルヘ氏からクラブの決定(退団)を知らされた時の様子を次のように明かしています。
「父から話を聞いた僕は、それをアントネラに伝えた。僕らは泣き、そして苦しんだよ。そして子どもたちにどのように言うのが最良だろうかと考えるために立ち上がった。12月にはすでに、残るだろうって子どもたちに言っていたからね」

この昨年末の子どもたちとの約束が、希望的観測に基づくものであったとしても、メッシ家の気持ちは12月時点でほぼ残留に向かっていたわけです。そしてメッシとの関係が最も良い候補者が会長選挙で選ばれ、レオが残留を確信した食事会を経て、契約更新はもはや既定路線のごとくだった。にもかかわらず、このような事態となってしまったのはどうしてなんでしょうか。
バルトメウの主張が事実であれば、ラポルタたちにはもっと何か出来たんじゃないか。敢えて語られていない要因があるはずで、それはなにか。クラブCEOの圧力があったのか。テバスの策略に嫌気が差したのか。いろいろ全部面倒になって、放り出したのか。クラブが最優先と説明すれば、大体丸く収まる。

さて、、、果たしてジョアン・ラポルタがこの危機的状況のクラブ会長として適任だったのか、僕たちクレは見ていくことになります。今のクラブは2004年当時よりもさらに厳しい財政状況にあり、ラポルタが以前のような優秀な仲間たちに囲まれているのかは微妙。理事会発足のために大金を出してくれた保証人たちや、発言力の強そうなCEOの影もちらついたりと、どうもラポルタに弱みがありそうなんですよね。

D10Sメッシの涙の退団により、ソシオの多くが公約破りだと怒っています。ラポルタもなにかしたいでしょうが、元手がない。とりあえずの頼みは、ジェラール・ピケの心意気(※)によってラ・リーガに出場登録されたメンフィスと、プレシーズンの話題となった若手たち(ユスフ・デミルガビニコ)ですかね。。

フットボールが始まり、クーマンチームが楽しいフットボールを見せれば、この沈んだムードも少しずつ上がっていくでしょう。納得のいく説明は、されそうにない。でもクレはバルサと共に歩んでいく。2020年3月以来となる有観客のカンプノウ試合 vs.レアル・ソシエダを、まずは楽しむことにしましょうか。バモス。

※心配されたメンフィスエリク・ガルシアのラ・リーガ出場登録は、ジェラール・ピケの大幅減給によって可能となりました。よっ、ジェリ大将!と盛り上がるクレ界隈。残るクン・アグエロの登録は、どのように達成されますでしょうか。残留しつつも協力しない高給取りがいると報じられれば、指笛の対象に。それも悲しいことなので、団結が示されるとか、良い方策が見つかるといいのですけど。

 

コメント

  1. トム より:

    まあ減給も放出も進まない内に、レオまで失ったのですから、ラポルタ何もしてないと言われても仕方ありませんね。
    しかし会長選挙が3月で、リーガを戦いつつバルトメウの遺産を整理し、その目眩がする額に直面して、半年も経たない内に結果を出すのは超難関です。
    あまりにも難しすぎるミッションでした。

    しかし、バルトメウだけには言われたくないと思います。
    異常に高騰した給与が正しいと言い張り、レオにもう出ていくとまで言わせた実績を誇るとか、どんな神経してるのでしょうね。バルサゲートで逮捕までされて。
    メッシを失った今が叩き所と見て、こういう事をしてくる人柄は、もう良くわかってます。
    正直、こんな人を相手するよりは、今のバルサを何とかする仕事に集中してほしいですね。
    バルトメウ相手に必要なのは議論ではなく、この男が何をしてきたかというデータでしょう。

    ピケの減給によって、チームが助けられた事実は大きいです。
    やはり困った時に頼れるのは、カンテラーノです。
    他はお金で雇う外人部隊なのですから、クラブが困ったから減給しろと言われても、ハイそうですねと頷く選手は少ないでしょう。
    彼らには、契約期間内には決められた給料を受け取る権利があるのですから。
    それを削るならばそれなりの対価が必要になるでしょうが、今のバルサに用意できる物は無さそうです。

    さて、ソシエダ戦はどんな布陣で挑みますかね。
    そこそこのハイプレスが予想されるソシエダ相手ですから、また3バックで挑むのでしょうか。
    メッシがいない以上、攻撃が機能しない3-5-1-1よりは、4-3-3にするべきだと思います。

  2. silver より:

     グズグズ真っ暗空のバルセロナにMemphisとEricの登録可能は少しだけ光を差しました。 自ら明るいニュースを作り出すあたりはPiqueらしいと言うか、流石ですね!!

     ラポルタ理事会も責任転嫁ばかりで自分達の落ち度は何一つ認めませんがもうキツい… バルト怒りのお手紙も更に首を締め上げることになるでしょうね。 
     どう足掻いてもMessiを切った会長としてラポルタの名前が残ります。 後は今シーズンの結果を残すしかありません。 幸か不幸か今のバルサは若返りが進んでおり、このプレシーズンでも有望な若者がアピールをしています。 若返りを果たしつつ、タイトルを獲れれば少しは面子が保てるでしょうか…

     あまり期待はできませんが、シーズンを見守りましょう。

  3. campnou1899 より:

    バルトメウの言う2億2千万ユーロの資金注入ってのはおそらく借り入れでしょう?リーガが引っ張って来た投資ファンドも将来の収入を担保とした先食い。

    いずれにしても経費を賄うために借入を繰り返すのでは、財政破綻は目に見えてます。収入で経費が賄えない上に膨大な借金を返すためには、一般企業でも相当利益を出さないと難しいです。

    メッシの退団は残念ですが、減給しても50億の年俸と言うのは、財政を考えると厳しかったですね。会計監査の結果を待つ事なく、ラポルタは最初から契約できない可能性をメッシに伝えるべきでしたね。それが誠意ですから。

    ラポルタ陣営がなすべき事は、異常に膨れ上がった選手達の給与体系を正常に戻す事、他所から獲って来るのではなくベースはカンテラで賄って、少数のメガクラックのみ買って来る。金が無ければそれしか手はないです。

    もちろん収入を増やす事も大事だけど、コロナ禍では難しいですよね。特に不相応に高額な給与を受け取っている選手は早々に放出すべきで、空いた枠はキラキラ星の出場枠にすべきでしょうね。

    問題は楽して甘い汁を吸う魔力に取り込まれた何人かの使えない戦力外選手たちが、クラブからしがみ付いて離れてくれない事でしょうけど。

    収入減はコロナウィルスの影響のためやむを得ないですが、やはり異常なまでの固定費増大は間違いなくバルトメウ政権の責任だと思います。

    この財務内容では、ラポルタに手を貸して泥舟に乗ろうと言う男気のある役員は少ないでしょう。それだけに非常に難しいミッションだと思います。

  4. かえる より:

    バルト達が任期をまっとうしていたら、謎の借金を背負っていたという解釈でよいでしょうか?
    給料上げた発言といい、相変わらずどういう神経しているのか…。

    それにしても今回のメッシ退団は印象が悪すぎます。
    悪い報告ほど早くすること…大人の常識が出来ていませんね。
    今回の騒動はここまでで落ち着くのでしょうか?
    さらなるバッドニュースが届かないことを祈ります。