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次期会長候補(?)ビクトル・フォンが、建設的なラポルタ批判で好印象を残す

今からもう3週間ちょっと前になりますが。去年3月に行われたFCバルセロナ会長選挙でラポルタに敗れた候補者 ビクトル・フォンが記者会見を開き、現理事会のクラブ運営に関する意見を述べました。彼が公の場に姿を現すのは、その選挙以来。注目の集まったこの1年4ヶ月ぶりの登場で、フォンが示したのはバルセロニズモにとって新たなる対抗馬像でした。

「プランなく運営に入るのは無謀だった」

フォンが姿を見せた6月28日といえば、ラポルタ理事会がクラブ再生への切り札としてラ・リーガ放映権の一部(10%)を Sixth Street に25年間譲渡する2日前。選挙キャンペーンにおいてフォンラポルタ陣営を明確なプロジェクトがないと批判していましたが、現在までのクラブ運営をどう見ているのでしょうか。

ちなみに、今回のフォンの記者会見は非常に建設的なものであり、新たなる対立候補像になった、とバルセロナの現地メディアは評価をしています。批判に終止するのではなく、評価するところは評価したのです。
とは言っても基本は批判。
ラポルタが突かれて一番苦しい部分を、ビクトル・フォンは突っつきました。

再建プラン
プランなくクラブ運営に入ることは無謀、自殺的行為でした。私たちは今、頻発する“急ハンドル”を目撃しています。彼らは宿題をしていないので、提出できないのです。最初の100日間におけるプランが、私たちにはあった。それはスポーツ経費と負債の削減です。現理事会で負債は4億8,000万ユーロにまで増えています。“レバー”の代わりとなる、戦略的パートナーの予定が私たちにはあったのです。ビジネスを行い、FFPをクリアし、メッシを残留させ、チャビを呼ぶためのです」
「予想されたプランと、彼の残留への意志があれば、メッシは残っていたでしょう。今必要なのは、メッシとバルセロニズモの結びつきを強めようと試みることです。その際は会長や理事会をサポートしていく考えです」

プロフェッショナル
バルサは同族経営の企業ではありません。上手く経営されているところもありますが、ファミリー企業はプロフェッショナリズムを欠く傾向にあるのです。会長が大いに落胆したことや、信頼する人々を置きたい気持ちには共感はします。しかし国を代表し大きな成長の余地のある組織には才能が要る。だからこそ私たちには最良の人材や経営的視点を備えた優秀なCEOが必要なのです」
「各委員会は独立している必要があり、理事会の友人たちで構成されてはいけません。彼らは本物のコントロール装置でなければならない」

急ごしらえの危うさ
「今行われようとしているような、放映権の一部売却は私たちのプランには含まれてはいませんでした」
「Sixth Street との合意は金融オペレーションですし、私は心配はしていません。残念なのは、交渉がわずか数週間前から始まったことなのです」

プランを持たず、急ごしらえをし、透明性を持たなければ、望まぬエラーを犯し、問題を抱えるものなのです」

「彼らがそれを何故“レバー(てこ)”と呼ぶのか私には分かりません。結局のところは権利の売却であり、ビジネスへの一部参加ですから。放映権の売却はレバーではなく、ほぼ抵当です。これは財政上のテーマであり、Sixth Streetは私たちに何ら貢献はしないでしょうし、私たちの権利が向上するようなことはしないでしょう」

「良いのは、ラポルタ会長が追い込まれながらもBLMBarça Studiosに関するオペレーションを急ぎたがっていないことです。これは懸命な決断です。良い共同経営者が選ばれることを期待しています。もしそうでなければ、問題は悪化するかもしれません」

デンベレの扱い
ウスマン・デンベレに関しては、ネイマール復帰が話されていた時のことを思い出します。組織的な理由で、その選択肢は消去された。デンベレに起こっているのも同じです。デンベレにはコミットメントが欠けていた。私たちならそういう選手とは付き合えない、とチャビには言っています」

フロレンティノの手腕
「レアル・マドリーでは、(COVID禍に対する)給与の後払いはありませんでした。彼らはプロフットボルとバスケットボール部門への一律10%の減給を行なった。必要なのはリーダーシップと、実行への政治的意志です」

「マドリーは私たちのライバルですが、多くの挑戦や機会を共有しています。なので私は、バルサの利益を守るために(マドリーと)同じ方向に進んでいくのも普通だと思う。利口なことだと思いますよ」

次なるリーダー候補

一つの会派がずっとバルサを治め続けることはないですし、これまでの歴史が示してきたように、そんなに遠くない未来に現ラポルタ理事会も次なるリーダーへとクラブ運営を託すことになるでしょう。

ヌニェスガスパー時代を若き日のラポルタが終わらせ、そのラポルタは元右腕で同志だったサンドロ・ルセイバルトメウに敗れ、今は再登板したラポルタバルトメウ時代の後始末に奮闘をしている。では次は、、となると、おそらくはビクトル・フォンかと思います。ジェラール・ピケは、その次ですかね^^

16ヶ月間の沈黙を破ったインタビューで、ラポルタに一部賛同も示しつつ、建設的な批判を行ったビクトル・フォン。彼はプロフェッショナルによる運営計画を非常に強調していますし(差別化)、批判には納得のいく部分も多いので、多くのクレが好印象を得たんじゃないでしょうか。
刺々しい言葉をぶつけ合うよりも、前向きな議論が進んでいく方が何倍も好い。ぎすぎすした空気はSNS上に溢れているので満腹ですし、分断を煽るリーダーもご勘弁です。

第二のレバー稼働

さて本日、FCバルセロナが“レバー”の第二弾となるテレビ放映権の追加売却を発表しました。最初と同じSixth Streetさんに、ラ・リーガ放映権の15%を25年間譲渡する(第一回目と合わせて25%)。その代わりにバルサは4億ユーロ?の融資を受ける。

これでバルサはラ・リーガの1/4ルールから解放される模様ですし、狙っていたクンデはチェルシーに持って行かれたようなので、一度落ち着いてFFP問題の解決策を練ってほしいと思います。セントラルならフレンキーもこなせるから、無理して獲る必要もない。
そもそもフレンキー放出がスポーツ経費問題の鍵を握っているという主張が胡散臭いですから、まずは自分たちに出来るところで問題を解決し、それからカピタンズも含めて減給交渉なりを進めるのが筋でしょう。ええとこ見せてや、ラポルタはん。

コメント

  1. たー より:

    ガビ以降、カンテラ冬の時代が来そうな気がします。選挙の貢献者セルジがBのコーチとなり、古参スタッフは斬られ、ラマシアのアイデンティティは失われっているように思います。
    sixth streetもcvcも変わらない。メンツとか主導権のための争い。リーガの雄としてスペイン全体を引っ張って行こうという気概もない
    ラポルタの唯一の功績はアレマニーを引っ張ってきたことぐらいでしょう。今年は強くなりそうですが、そのフットボールに満足できない未来が想像できてしまいます
    ラポルタは急場を凌いだらとっとと変わってほしいところです