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ANIMS TITO !!

 

ティト・ビラノバの病気が再発・・・。

リーガでの独走態勢を固め、チームの中心となるクラックたちが3人(プジョル、チャビ、メッシ)まとめて契約を延長、さらにはアビダルもグループ練習に復帰と、明るいニュースばかりが連発していたカンプノウ周辺に突然、衝撃的なニュースが舞い込んできました。ティト・ビラノバの病気が再発し、再び手術台に上らなければならないという、なんとも理不尽なニュースです。リーガ史上最高成績となるスタートダッシュを成し遂げ、監督姿もすっかり板についてきたところでのこの悲報。好事魔多しと言いますが、なにもティトがその対象にならなくてもいいのに。一日も早い完全回復をただ祈るばかりです。

 

バルセロニズモに激震

この衝撃の事実をティト・ビラノバが知ったのは、チーム練習が休みだった火曜日(18日)のことです。ティトはこの日、昨年11月に耳下腺の手術を行った病院へ、術後の定期検査へと赴きました。いつものように事務的に検査を済ませ、その後は、ゆっくりと休日を過ごそうと思って病院へ出発したものと想像できます。しかし検査を終えて帰宅していたティトの元に、病院より電話がかかります。もしもしビラノバさん、少々気になるところがありますのでもう一度お越し願えませんか。そういう時はたいてい、事態は深刻。そして妻のモンセさんと共に病院へと行ったティトは、ドクターたちからおそらくガンが再発していると伝えられたのです。

ただ、この火曜日の時点ではまだ診断は確定されていなかったそうです。ティトはすぐにサンドロ・ロセイ会長へと電話をかけ、自らの状況を伝えました。それを聞いた会長は絶句したことでしょう。そんな状況では、翌日に予定されている報道陣との毎年恒例のクリスマス昼食会なんて出来ない。そうして水曜日に組まれていた食事会とロセイ会長の記者会見はキャンセルとなり、詳細は後ほどとしたことで、たちまち様々な憶測が飛び交うことになりました。この時点ではメディアもまだ、監督の健康に問題が生じたとは考えていなかったようです。

一方でティトは水曜朝、クラブドクターであるラモン・カナル、ダニエル・メディーナの両医師を伴って病院へと行きました。ミスターが早期の手術を勧められたのはこの時だとか。耳下腺はデリケートな組織なので、状態が悪化する前に早く患部を切除してしまったほうがいいというのがその理由。程なくして病気再発の情報はメディアの伝わるところとなり、クラブは夕方、

「耳下腺の予後診断において、病理検査で拡大が認められ、手術を要すると判断された。手術は木曜日に行なわれる。入院が必要とされる期間は、3日から4日になる。術後、フランセスク・‘ティト’ビラノバは、化学放射線治療を受ける必要があり、その期間は6週間になる。その間、術後の状態次第では、治療と通常業務を並行して行うことができる。患者の要望により、経過についてのプライバシーと経過のプロセスについては、敬意を示してもらえることをお願いする」(公式サイトより抜粋)

との公式発表を行っています。不幸中の幸いだったのは症状が前回に比べて軽く、クリスマス頃には自宅へと戻り、家族との時間を過ごせることです。

 

「私はすぐに戻ってくる」

治ったと思っていた腫瘍が再発したわけですから、普通であれば相当に凹むでしょう。この日の午後4時半、ティト・ビラノバはそれでも自らの運転する車でシウター・エスポルティーバへと向かっています。自らの口から、病状などを選手たちへと直接伝えるためです。

SPORT紙の伝えるところによりますと、ティトはチームと対面する前、まずテクニカルディレクターであるアンドニ・スビサレッタ、留守を任せることになる右腕のジョルディ・ロウラと話し合いをしたそうです。そして練習のために出勤していた選手たちと話をして、最後は説明会見が控えていたサンドロ・ロセイ会長、スビサレッタ、そしてジョゼップ・マリア・バルトメウ副会長とのミーティング。いずれの話し合いでも、ティトはみなを気丈に励ましていたとのことであります。

各メディア情報では、選手たちと顔を合わせた時間は短いものだったそうです。それが実際にどのようなものだったのかは現場に居合わせた選手たちとスタッフしか知りえませんが、伝えられるところではティトは、「おまえたちのことはずっと見張ってるからな。もし気に入らない場面を見つけたら、ダメ出しをするぞ」とジョークを飛ばし、「しっかり試合に勝ってくるんだ」というメッセージを送ったのだとか。これはもう、奮起しなければウソでしょう。

さらにティトは「私はこれまでの人生で、数多くの挑戦を乗り越えてきている。今回もまた乗り越えることだろう。私は自分の中に強さを感じているんだ。だから大丈夫」というふうにも語ったとのこと。ビラノバとアビダルががっしりと抱擁を交わした場面では、思わず涙ぐむ選手たちもいたと伝えられています。そしてスピーチの最後の言葉が、「私はすぐに、君たちのところへと戻ってくるよ」。ミスターは選手たちとひとりずつ抱擁を交わし、ロッカールームを後にしました。

そしてチームはこの日の夜にレストランで行われる予定だったクリスマス晩餐会を中止に。プジョル、チャビ、バルデス、イニエスタら4カピタンは19時45分から行われた会長とスビによる会見を記者席から見守っています。

 

友人たちを静める電話

ちなみに・・・ カンプノウ周辺が騒然となっていた頃、ペップ・グアルディオラはニューヨークにていつもと同じ生活をスタートしていたそうです。まあそれはそうでしょう。しかしその平穏も、程なくして終了となりました。彼にティトの悲報を知らせたのは、ふたりの代理人であるジョゼップ・マリア・オロビッツさんだとSPORT紙は報じています。奇しくもといいますか、今現在オロビッツ代理人はニューヨークに滞在中。クリスマスをバルセロナで過ごすため帰郷準備をしているペップの元を、弟ペレ・グアルディオラとともに訪れていたのです。

で、グラタコス代理人へと電話をかけて知らせたのは、他ならぬティト本人。彼はその他近しい友人たちに自分から電話をしてまして、もれなく混乱していた友人たちの気持ちを、あの特有の落ち着きをもって静めていったそうです。苦しい時にこそ人間の器が表れるとはよく言われますが、その点でもティトは一流ということでしょう。

そういえばこの20日にはチャンピオンズ1/8ファイナルの組合せ抽選会があり、土曜日にはバジャドリー戦も控えているのですが(ジョルディ・ロウラが指揮を執る)、正直言って、特にチャンピオンズの方には関心は向きません。今はとにかくティトの手術(20日実施)が無事成功し、一日も早く元気になってほしいということを祈るだけ。少しでも病気が治る手助けになるのならと、”ANIMS TITO!”とのメッセージを送るのみです。

 

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