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ポジション名

当サイトでは選手名と同様にポジション名もスペイン風に表記しています。バルサ中継でも倉敷アナなどはこういう呼び方をすることがありますので、覚えておくと観戦もより楽しめるでしょう(※嗚呼、今はなきJスポーツのバルサTV放送)。説明の中で“9番”とか“4番”とか書いてますが、これは必ずしも背番号とは一致するものではなく、ポジションの位置、役割を示す言葉です。

大まかな分類

まずは大まかなポジションの呼び名です。
上から、
デランテーロ
セントロカンピスタ(セントロ)
デフェンサ
ポルテーロと読みます。

デランテーロはいわゆるフォワードで、攻撃を専門にする人たちです。「delante:(形)前へ」に由来する語で、前線に位置する選手は大雑把にこう総称します。

セントロカンピスタはミッドフィールダーです。「centro:中央」の「campo:グラウンド」にいる人たちの総称です。メディオともいいます。

デフェンサはディフェンダーで、主に守備を専門にこなす人たちです。その名の通り「defensa:守備」。ディフェンサではないので要注意です。

ポルテーロはゴールキーパーで、ゴールを守っている人です。「portero」には“門番”という意味もあり、なるほどと納得することが出来ます。

細かい分類

ここに表記してあるポジション名はあくまで基本的なもので、絶対的なものではありません。メディアによっては、他の呼称を使用する場合もあります。

若い数字から、順に見ていきましょう。


ピッチの最後尾からチームを見守り、相手チームのシュートを防ぐポルテーロ。彼らには一般的に“1番"が与えられます。

続いてラテラル「lateral:(形)外側の」ですが、これはサイドバックです。

現在のスペインで多用されている4バックの場合、左右のラテラルはサイドアタックの重要な起点。3バックの場合ラテラルではなく3人のセントラルになることがほとんどなので、攻撃参加より守備が本業となります。

バルサで言うと、アルベス、ベレッティ、ジオ、セルジ、ジョルディ・アルバなど。左右はそれぞれイスキエルド(左)とデレーチョ(右)で、“2番"“5番"。ただしバルサの場合は3セントラルになることはあまりなく、ラテラルがサイドに広くポジションを取ります。

セントラル「central:(形)中央の」は、見てのとおりセンターバックです。デフェンサの中心で相手デランテロのマーク、両サイドのカバーなどをします。

図では3人になってますが、4バックならもちろん2人になります。バルサで言うと、プジョル、ピケ、フランク・デブール、ウンティティなど。ポジション番号では“3番"です。4バックの場合は、もうひとりが“4番"になりますが、バルサはドリームチーム(3バック)時代の伝統から、“4番”といえば次にあげるピボーテを指します。

続いて中盤です。

ピボーテ「pivote:(名)旋回軸」は主に、ピッチの真ん中でボールを左右に散らし、ゲームを組み立てる選手、"軸"になる選手のことです。

日本で言うボランチよりやや攻撃的なイメージで、メディオとか、メディオセントロと言うことも多いようです。バルサの代表選手は、グアルディオラ、ブスケツ、モッタなど。バルサでは伝統的に"4番"と言われるポジションです。当初はセンターバックだった選手がポジションを前に取ったことから、"4番"と呼ばれるようになりました。2人でやる場合はドブレ・ピボーテ。

そのうち守備を専任する選手をピボーテ・デフェンシボ(守備的ピボーテ)などともいいます。

インテリオール「interior:(形)内部の」はサイドハーフと言うのでしょか、中盤のサイドでボールを受け、サイドアタックやディフェンスのカバー、ゲームの組み立てを担当します。

バルサでの代表的選手はチャビ、イニエスタ、ラキティッチ、デコ、アモールら。これも右はデレーチョ、左はイスキエルドと呼びます。バルサなら"8番""10番"といわれるポジションです。

ひし形中盤の頂点に位置するのが、メディアプンタ「media:(形)半分の、punta:(名)トップ」。これは日本でいうところの"司令塔"、"トップ下"、ドリームチームの"6番"です。元々、"6番"は中盤の底を指していたのですが、セントラルから"4番"が前に上がったことで、押し出されるように"6番"も前へ。メディアプンタがこの番号になりました。現在ではチャビ、イニエスタ、メッシの背番号から、違ったイメージになっています。

デランテロへの最終パス、ピボーテからの縦パスの捌き、ゴールへつながる組み立てが本業ですが、時にはフォワードとしてゴールを決めることも要求されます。バルサでの例はセスク、リバルドやリケルメ、バケーロなど。 4-3-3では存在しません。

最後に攻撃陣。

前線、セントロ「centro:(名)中央」ですが、いわゆるセンターフォワードです。
最終的なシュートや、ポストが主な役割です。

正確にはデランテロ・セントロ。"9番"と言われるポジションで、バルサでばルイス・スアレス、エトー、クルィベル、ロマーリオ。ペップチームには典型的な"9番"はいないので、"偽9番"と呼ばれたりします。"偽9番"の代表例がメッシやセスク、ラウドルップ、バケーロです。

他にもプンタ「punta:(名)先端」、アリエーテ「ariete:(名)破城槌」などと呼ぶことがあります。闘牛になぞらえてマタドール「matar:(動)殺す」であったりゴレアドール「golear:(動)ゴールを入れる」などと呼ばれます。

エストレーモ「extremo:(形)一番端の」はウィングで、サイドからの崩しが見せ場です。バルサで言えばペドロやジュリー、オーベルマルス、フィーゴにストイチコフ、ネイマール。

"7番"とか"11番"と呼ばれるポジションです。右はエストレーモ・デレーチョ、左はエストレーモ・イスキエルドと呼びますが、当サイトでは右エストレーモと言うことが多いです。

現代では純粋なエストレーモは減っており、イタリアなどで使用される4-2-3-1の場合は位置は似ていても事実上はインテリオールです。よって、"エストレーモ・スタイル"はバルサのアイデンティティでもあります。彼らがサイドに広く張ることで相手ラテラルの前進を抑え、中盤での数的優位を作り出します。相手セントラルの幅を広げる効果もあります。

ロナウジーニョなどはスタートの位置はエストレーモ的ですが、プレー内容は純粋なエストレーモとは異なります。右に置かれたメッシ、左サイドのビジャやアンリも同様。いずれにせよ、戦術的に非常に重要なポジションです。