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ドログバ、アルバ、ピケ。

 

◇ドログバ in バルセロナ

日本時間で26日朝、スペインでは月曜深夜、とあるニュースがネット上を駆け巡りました。あのディディエ・ドログバが火曜日の夕方、バルセロナにやってくるとTV3(カタルーニャテレビ)が報じたのです。上海申花へと最近契約したばかりの彼が何をしに?普通に考えればバカンスとなるのですが、代理人を伴っているというから想像力をかき立てます。もしこれが単なる旅行であるなら、紛らわしさ100%であります。

TV3の報道では、ドログバは水曜日にバルサの理事たちと会い、「俺を雇ってみないか」と直接売り込むのだそうです。ここに上海申花が絡んでいるかというとそれはなく、両者が5日ほど前に交わした契約書には、”もしドログバがバルサへと移籍する場合、上海との契約を解除できる(=自由移籍)”という条項が含まれているとかで。本当かどうかは分かりませんが、伝えられているのはそういうところです。

しかしながら、この突如湧いたウワサ話に対しバルサ筋は、そんな話をする予定はありませんと即刻否定。もしドログバを欲しいと思っているのなら、彼がスタンフォード・ブリッジを去るとなった時点で交渉をしていたことでしょう。けれどもバルサはそれをスルーした。どれだけ活躍の場があるやも知れぬ曲者デランテロに、年俸1200万ユーロとやらは高すぎる。ティト・ビラノバもまた就任会見で攻撃陣の補強予定はないと明言しており、となるとやはり、紛らわしすぎるバケーションということなのでしょうか。

代理人氏あたりのツイッターで、ランブラスで描いてもらった似顔絵と並んでのピースサインの写真アップ、というようなほのぼのとしたオチに密かに期待。

 

◇ダニへの処分はなし

土曜日にマイアミで行われたメッシ財団によるチャリティーマッチで、メッシアミーゴスとして途中出場したダニ・アルベス。おお、鎖骨の骨折はもうすっかりよくなったんだね、おめでとう!と祝いたいこのニュースに、後に”クラブが処分を検討”という物騒なフレーズが付いて報じられることになったのは、ダニがドクターからのプレー許可を受けることなくゲームに出てしまったからでした。彼らしいといえば、らしいエピソードです。

けれどもこのウワサ話は、理事会スポークスマンのトニ・フレイシャがこうきっぱりと否定しました。「ダニ・アルベスは親善試合には出場していません。あれは慈善行事なのです。彼はお祭りに参加し、おそらくは回復の手助けにもなったことでしょう。私たちは一切目くじらを立てるつもりはありませんよ」。洒落た対応といいましょうか。大事にならず好かったです。

 

◇アルバを1年待つという選択肢

バレンシアがジョルディ・アルバの移籍金を今季の収支に加えたいと思うなら、6月30日までにバルサとの契約書にサインをする必要があるようで。それによってこの1週間は、一部では”アルバ週間”と呼ばれているわけですが、ここへきてどうやらバルサがカードを動かしてきたようです。週明けの25日にSPORT紙がアップした記事のタイトルは、”バルサはジョルディ・アルバを1年間待てる”。バレンシアがユーロコパでのアルバの活躍ぶりから1500万ユーロを譲らないというのであれば、バルサは来季まで待って、0ユーロで獲得してもいいんですよ、という揺さぶり作戦です。

元々はバレンシア方面から疑念が上がっていたそうなのですが、せっかくなのでそれに乗っからさせてもらいましょう、というバルサ方面。ジョルディ・アルバとバレンシアの契約は2013年6月30日までですから、来年1月になれば所属クラブを通さずに直接選手と交渉し、オペレーションをまとめることが可能となります。もし途中でアルバが”チェ”との契約を更新すれば水泡と帰しますが、”待たせちゃってゴメンねボーナス”として、年俸に幾ばくかのプラスをするという手段も使おうと思えば使えるわけです。

そしてもしアルバ獲得を1年間待った場合、ティトチームのオプションはどうなるかといえば、1. アドリアーノ 2. ムニエサ 3. プジョルといったところです。4. フォンタスという選択肢もないとはいえない。デルボスケ考案の5. ペドロは・・・ ないかやっぱり。若干心もとない陣容ですが、不可能ではなさそうです。しかし現実としては、これは戦略的な揺さぶり。バレンシアが応じるかどうか、結末は見てのお楽しみです。

 

◇ピケ 「ティトは働くのが好きな監督」

ユーロ2012もいよいよ大詰め。水曜日にはスペイン対ポルトガルという準決勝が待っていることから、あちらの主役であるCR7と激突するジェラール・ピケに注目が集まっているようです。26日はSPORT紙もMUNDO DEPORTIVO紙も揃ってピケのインタビュー的なものを掲載してまして、どちらを紹介しようか迷うところ。ここは記事が短いという単純な理由から、MD紙の方のピケコメントをピックアップしてみます。

この記事におけるメインテーマは、バルサ新監督のティト・ビラノバです。実はティトとピケはペップチームよりずっと以前、カンテラ時代からコーチと選手という間柄。そのあたりについて、ジェリはこう述べています。「彼とはカデッテ時代に一緒やったし、ものすごくいい記憶があるんや。あの時期はフットボルをより楽しんでいたからね。子供時代は楽しんでプレーをすればいいし、プレッシャーは存在しない。今はプロとして批判も受けるし、好もうがイヤだろうが、同じではないんや・・・ ティトとはすごくいい関係にあるよ。僕がバルサに戻ってくる時、彼がとてもよく言ってくれたんだと聞いている」

ティトのイメージ、それは日陰で力強く咲いている葉物植物といった感じです。「いつ距離をとればいいのか、ティトはよく分かってるんや。スポットライトを浴びるのを彼は好きじゃない。静かに働くのが好きな監督だし、それは僕らにとっていいように作用するだろう。バルサは自分たちに不都合となる外部の問題を避けなければならないし、騒動に首を突っ込むべきじゃない。日々の仕事が重要なんや」

ビラノバが公式に新監督となってから、ジェラール・ピケは彼と話をしていないんだと言います。「コパ決勝の後にしゃべったけれど、僕らは代表に行ってしまったから、それ以上は話はできてないね。新聞を見たところでは彼は準備を整えているし、間違いなくすごい仕事をしてくれるよ」

多くの関係者と同じように、ピケもまたティトバルサがこれまでの4シーズンと同じラインを進んで行くだろうと考えています。「ベースはおんなじやからね。ティトにはティトの考え方があるから、ちょっとしたニュアンスは変更されるやろう。でもチームは多かれ少なかれ同じになると思う。4年間機能してきたチームやから、多くをいじくる必要はないよ。この継続性はバルサにとって理想的なものやと確信してる。ティトはこの4年間常に第一線にいて、どうすれば物事が機能するかを知っている。修正すべきポイントもあるやろうけれど、全体的なラインとしては、チームはとてもいい。彼はそれを知っているんや」

 

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