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エンリケトレーニング初日

やはり主役はボール。

7月15日の日本時間の夕方早く、ツイッターにあるコメントが投稿されました。発信者はバルサのトップチーム監督、ルイス・エンリケ。ミスターが発したのは「初トレーニングに向け、全て準備OK」の一言と、スプリンクラーで潅水中の広々とした緑のグラウンドの写真でした。朝9時から始まるセッションを前に、8時前にはトレーニング場へと出勤し、朝日を浴びながらピッチを眺めているルーチョの姿を想像するとなんだか気持ちも上がってきます。かっこいいテーマソングでも流れていて、オープニングタイトルなんかも頭上に浮かんでいそうです。

バルサキャップにサングラス姿

レオ・メッシ、ネイマールJr.、ルイス・スアレスを前線にどう並べてどうグループとして機能させるのか、おそらくはチャビ・エルナンデスがいなくなる中盤をどんな編成にするのか等々、戦術面はこれから幾つもの試合を通して見ていかなければなりませんが(不安も多い)、ことモチベーション面での周囲への影響に関しましては、ルーチョ効果はすでに出ていると思います。このワクワク感は外野だけのものではないでしょう。何かしら周囲の感情を揺り動かすものをルイス・エンリケは持っています。

トレーニング初日となった15日、グラウンドに現れたルーチョはやはり決まっていました。クラブのトレーニングウェアに身を包み、頭には青のバルサキャップ、目にはマラソンランナー用のサングラス。MUNDO DEPORTIVO紙によれば、エンリケがこうしてキャップとサングラスを着用しているのには訳があります。それは彼が患った目の病気です。

2010年のある日、ルーチョは右目になにやら違和感が生じました。これは変だと思い、彼は眼科医を受診。診断の結果は、訳が間違っていなければ翼状片という病気でした。根本治療のためには手術が必要で、ドクターたちもエンリケには手術を薦めたそうなのですが、手術をしても再発の可能性があるということで、彼はこれまでのところ手術なしでの治療を選択。それゆえに昼間のトレーニングではUVカットのサングラスと帽子を着用し目を守っている、という理由です。日差しがなくても風よけ用にサングラスは欠かせないそうです。

そしてそのサングラスの二次的な効果として、ミスターの迫力が数割増し^^ トレーニング中にサングラスをかけている理由については、セッション中にエンリケから選手たちに説明があったとのことです。

バルサ名物、ロンド

さてトレーニングですが、他のクラブ(他のリーガ)であればまずは基礎体力アップの運動、となるところでしょうが、ここはバルサですので、やはり初日からボールは友達。お馴染みのロンドでスタートとなります。8人ほどで輪になって、中の“オニ”にボールを奪われないよう、ワンタッチでパスを回していくアレ。バルサに新加入した選手はまずこのロンドにて、周りの選手たちのボールコントロールの巧みさに度肝を抜かれると言いますが、テル・ステーゲンもそうだったことでしょう。

SPORT紙によると、ドイツ人ポルテーロは“オニ”となってボールを追い、身をもってバルサトップチームのパススピードを知ったと。メッシやイニエスタを目の当たりにしたなら、驚きを通り越して笑っちゃうんじゃないでしょうかね。

15日のトレーニングに参加したのは、トップチームの10選手(テル・ステーゲン、マシップ、モントーヤ、バルトラ、セルジ・ロベルト、ラフィーニャ、デウロフェウ、アフェライ、テージョ、そしてボージャン)と、バルサBの13選手(バグナック、イエ、パトリック、ディアグネ、グリマルド、サンペル、ハリロビッチ、ムニル、サンドロ、ダニ・ニエト、ファン・ロマン、ドングウ、そしてアダマ)。アドリアーノは理由不明ですが、ジムにて個別メニューを行っています。

今週は基本的に朝と夕方のダブルセッションとなります。夕方18時半からの2回目のトレーニングも午前と同様のメニューだったようですが、オポルトへのレンタル移籍を完了させるためにポルトガルへと向かったテージョが欠席。これから2年間はバルサのテージョが見れないのは残念ですが、よりパワーアップして戻ってきてほしいと願うところです。

選ばれたB選手のみ、“英国ステージ”へ

ルーチョバルサはこれから金曜日までシウター・エスポルティーバでトレーニングを重ね、土曜日にウエルバへと遠征してのレクレアティボとのプレシーズン初試合を行います(コロンビノ杯)。そして来週月曜からはいよいよ、イングランドフットボル協会が誇る超充実のトレーニングセンター、セント・ジョージス・パークをお借りしての英国ステージ(7/28~8/2)。ただし、この最先端スポーツ施設へトップチーム選手と共に遠征できるバルサB選手は、多くて7人ほどになります。ここがまず最初の、ルーチョが若者たちに課すポジション競争です。

バルサB選手が今トップチームに呼ばれているのは、ムンディアリスタたちが休暇中で、セッションや親善試合に頭数が足りないのが第一。そしてもうひとつがシーズン中にはきっと助力が必要となるであろうカンテラーノたちの実力と特徴を、直接見て知っておくことにあります。

ルーチョは今週の合計7回のトレーニングと、土曜日のレクレアティボ戦で若者たちをチェックします。そしてそのなかの「これだ!」という選手を7人ほど、セント・ジョージス・パークでの“ステージ”へと帯同させると。これは気合が入るでしょう。

MUNDO DEPORTIVO紙によれば、メンバーにすでに当確と言われるのは、いずれクラブを背負って立つと期待されるセルジ・サンペル(ピボーテ)とクロアチアの星アレン・ハリロビッチ(メディアプンタ)、UEFAユースリーグ優勝の原動力となったデランテロのムニルアダマ・トラオレの4人です。あとはバグナックイエがセントラル枠を、パトリックグリマルドがラテラル枠を、ドングウサンドロが9番枠を競って争うらしく、誰が遠征メンバーに選ばれるのかも、プレシーズン序盤のお楽しみというところです。

 

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