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信じる/信じない?バルサを苛む“黒い手”の話

白い息のかかった国家権力がバルサを標的に・・・?

バルセロナファン以外の人々が聞いて、「またそれですか」という言葉に“黒い手”があります。バルサを陥れることを目論む者たちが暗躍し、あの手この手で嫌がらせを仕掛けてくるといういわゆる陰謀論ですが、ここ最近のバルセロナ周辺におきましてその“黒い手”の話が再び活発に。検察が無罪と判断したにもかかわらず、税務当局側がレオ・メッシへの告発を取り下げなかったその背景にはなんらかの悪意が潜んでいる、バルサ選手ばかりがこうも取り沙汰されるのは偶然ではない、と少なからずのクレが感じるのも普通のことでしょう。そう思わせる事実は確かに幾つか存在しています。

メッシケース

2007年から2009年にかけ、父ホルヘ・メッシとともに息子レオ・メッシもまた税務当局に対する違法行為を行ったとし、法務省直属の国家弁護士局(と訳してみる。Abogacia del Estado)がレオをガバ裁判所へと告発し禁固22ヶ月を求刑した10月8日、FCバルセロナはクラックを守る公式声明を発表しています。そこでバルサ理事会は、

■9月25日に脱税に関しレオ・メッシを告発しないと決めた検察の見解と、国家弁護士局のそれとが相違していることをクラブとしては奇妙に考えること、■FCバルセロナは今後もメッシを全面的にサポートし続けていくこと、そして■スポーツ以外のところで全くもって許しがたい外部の決断が多々あることをクラブとして批判すること―

を明らかにしています。バルセロナファン以外の人々が「またですか」というのはこの3つめの部分、バルサの安定を乱そうとする行為が存在しており、我々はそこから身を守るために断固として戦っていくとする主張です。マドリー系のAS紙はこの公式表明を伝える記事に、“メッシケースに対しバルサがまた“黒い手”(mano negra)と言っている”との見出しをつけています(こちら)。

マルタ・シルバ・デ・ラプエルタ長官

では、“黒い手”はバルセロニスタの被害妄想なのか。国家弁護士たちがレオ・メッシを告発して以降、その背後には白い影がちらついている、との憶測話は各所で登場していました。そこで疑惑の人物として挙げられているのは、検察局が無罪との見解を示したレオ・メッシへの告訴を続行させ、彼を被告席に座らせるように要請した国家弁護支局の長官であり、スペイン政府の法律サービス部門の最高責任者だというマルタ・シルバ・デ・ラプエルタ氏です。

マルタ・シルバ・デ・ラプエルタ氏は1969年2月15日生まれ(46歳)。かつてフランコ時代に公共事業省で大臣を務めたフェデリコ・シルバ・ムニョス氏の娘であり、“B金庫-Caja B-事件”で告発された国民党の元会計官アルバロ・ラプエルタ氏の姪です。彼女が国家弁護支局へ入ったのは1996年。この年は自治体や一般企業で輝かしい経歴を残したエリート35名が一気に昇進しAbogacia~に入ったことで、彼らは“La Gloriosa”(英語でグロリアス、輝ける者たち)と呼ばれ注目を集めたのだそうです。

しかしバルセロニスタにとって、マルタ・シルバ・デ・ラプエルタ氏の最も注目すべき経歴といえば2004年から2006年にかけ、第一次フロレンティノ・ペレス理事会のセクレタリア(秘書、事務官、幹事)だったことでしょう(diariogol.com)。つまりはマドリー会長からの信頼厚く、白組の元幹部だった人物です。

そして彼女は2015年2月3日、“ネイマール・ケース”(バルサ入団時、クラブが支払うべき税金をごまかした疑い)を巡って全国管区裁判所のパブロ・ルス判事がジョゼップ・マリア・バルトメウ会長を告訴した際も、国家弁護支局の最高責任者としてこの件に関与していたとされています。実際に“ネイマール・ケース”を担当したのは部下のエドムンド・バルなる人物なのですが、フロレンティノ・ペレスとの近しい関係から、バルセロナ周辺では彼女が糸を引いているのではないかと疑っているわけです。

政府高官が白組の背後にいる。なかなか壮大な話ですし、ほかにもFIFAとかいう巨大権力組織とも戦わねばならないバルサは大変なのです。

重なる“偶然”

エドムンド・バルなる人物についても少し触れてみます。彼は国家弁護士協会の会長を務める人物で、税務当局の代理人となって全国管区裁判所のパブロ・ルス判事に対し、ネイマール・ケースでバルトメウ会長を告訴するよう推し(圧し)進めた弁護士です。その彼にはマリオ・マサという弁護士が部下にいるのですが、そのマサ弁護士が今回、税務当局の代表となってレオ・メッシと彼の父に禁固22ヶ月を求める手続きをしたお人なんだそうです(diariogol.com)。

ということで、メッシ・ケースを担当するマリオ・マサ弁護士の上にはエドムンド・バルという国家弁護士がいて、その彼の上司は長官であるマルタ・シルバ・デ・ラプエルタしかいない。直接手を下しているのではないにせよ、シルバ・デ・ラプエルタ氏が無関係でいるとも考えにくく、バルサが苦しむ様々な事案に彼女の影が見えているのは果たして偶然で済むことなのか、とバルセロナ方面は“黒い手”(白い手)の存在を疑っている、あるいは確信を強めている今日この頃です。

この陰謀論にはもちろん証拠はありませんし、今後出てくることもないでしょう。信じるも信じないもあなた次第というウワサ話。これに対抗する手段があるとすれば、クラブとして団結すること以外にはありません。バルサはこれまでも様々な苦難を一丸となることで乗り越えてきました。フットボル界で過ちを犯しているのがバルセロナだけ、みたいなこの状況は非常に不愉快ですが、タイトルを獲ることでそれに応える、そのために一歩ずつ歩んで行くのみです。バルセロニズモが一致団結するってのが、まず第一のハードルなんですが^^;

 

コメント

  1. silver より:

    そんな噂話があるんですね……!

    まあ、ドス黒い白組委員会らしいやり方ですね。
    純粋にフットボールで勝とうなんて気は白組には無いのでしょうね。

  2. 元白組幹部だからといって陰で糸を引いているとは限りませんが、陰謀論を盛り上げるには十分な経歴ですよね。