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トリノの悪夢から1日後のバルサチーム状況

各所で敗因分析、立ち上がるのには苦労する敗北。

バルセロナがトリノでユベントスに完敗した理由は、幾つか考えられます。チームにバランスをもたらすセルヒオ・ブスケツの不在。そこをしっかりと突いてきたユベントスのハイプレッシング。統制が取れていて集中力のある守備によって分断されたトリデンテ。ブッフォンによる決定機の阻止。そしてルイス・エンリケの失敗スタメン。監督は高さ対策のために3-4-3の左セントラルにジェレミー・マティエウを起用しましたが、ピボーテのマスチェとともに機能せず、ラキティッチをメディアプンタに置くアイディアもチームに混乱をもたらしました。

オスカル・ガルシア浮上

バルセロニズモが落胆したトリノでの完敗から間もなく、さらにマドリーがミュンヘンで先勝した翌日ですから、13日のバルセロナ系スポーツ紙はいずれもくらいムードが続いています。SPORT紙は気が早く、「新時代の始まり」なる見出しを付けて来季のチーム改革案とやらを特集。■ルイス・エンリケ路線の継続となるファン・カルロス・ウンスエが後任監督となる可能性が消えかけていること、■スター選手の補強があり、コウチーニョが選ばれた選手の一人であること、■カンテラーノ主義を強めること、などが説明されています。

後任監督に関するニュースで新しいのは、オスカル・ガルシア・ジュンエンの名前がが登場してきたこと。世代はルイス・エンリケより少し若い43歳で、ジョハン・クライフ監督時代の終盤(1993年)にトップデビューした人ですからバルサDNAを引き継いでおり、監督としてはフベニールAを率いてこのカテゴリではクラブ初となる三冠を達成(2010/11)、国際経験も豊富とクレの受けは悪くなさそうな感じはします。現在はレッドブル・ザルツブルグの指揮官。あとはそう、ジョルディ・クライフと関係も良いでしょう。彼については、就任の可能性が増えてきたらまた詳しくいきます。

ロッカールームの緊張感

対するMD紙は「緊張感高まる」としてチーム内部のぴりぴりしたムードを説明。ざっと上げていきますと、バルサのロッカールームは次のような様子だそうです(参照元)。

  • 帰りの便はお通夜ムード:パリでの惨敗時ほどではないが、選手たちもスタッフも傷心状態。
  • メッシが怒りを隠さず:後半にリアクションを牽引しようとした後の守備での粘りのなさにメッシが立腹。
  • ルーチョの沈黙:ユベントス・スタジアムのベンチで怒りを示していた監督だが、ロッカールームでは何も言わず。
  • ジョルディ・アルバの不満:先発落ちにかなり不満を抱いている。後半ウォームアップして出番がなかったことにも怒り、それを隠そうとしなかった。
  • コメントなしテル・ステーゲンイニエスタ以外の選手はミックスゾーンで報道陣に応じず。
  • ファンに挨拶したのはアルベスだけ:試合終了後、ユベントス・スタジアムに訪れたバルセロニスタの元へと寄っていったのは信じられないことにダニ・アルベスただ一人。イニエスタは遠くから拍手。
  • 練習場でのミーティング:昨日、敗北を分析するための20分間のミーティングが行われた。木曜日は休みにつき、金曜日がレアル・ソシエダ戦前の唯一のトレーニング。
  • インテンシティ不足ルイス・エンリケは記者会見で選手たちにインテンシティを要求。バルサの走行距離はユベントスよりも9km少なかった(108,761対99,672)

試合終了後に「元チームメイトたちの悲しみを感じる」と語っていたダニ・アルベスですが、古巣のファンに対する心遣いはクレ心に沁みるものがあります。カンプノウでは盛大な拍手でお迎えしたい。

インテンシティ不足

これらのうち、インテンシティに関してはSPORT紙にも記事があります。試合終了後のルイス・エンリケはいつになく悲観的で、「自分の望むことを選手たちに伝えられなかったことで、101%の責任を感じている」と自らの非を認めつつも、選手たちの「インテンシティが足りなかった」とも発言。“ロッカールームはこれに驚いた”というのです。

SPORT曰く、“選手たちはむしろ自分たちは監督のプランニングの犠牲者だと考えている”らしく。マティエウは左のセントラルとしてどうプレーすべきかハッキリ説明されず、マスチェラーノは3バックたちと意思疎通が上手くいかず援助もなく、ピボーテとセルジ・ロベルトラキティッチの三角形は実現せず、イニエスタマティエウのカバーをせねばならず、その状態でマークのきついトリデンテまでどう良いボールを届けるのか、という具合です。

ルイス・エンリケはトレーナーたちから上がってくるデータを見て、これなら選手たちはもっと走れるはずだ、インテンシティが足りんと考えたようですが、選手としては違うんだプランニングに邪魔されたと感じていると。しかしここで愚図っていても目標は達成されませんから、“監督の発言はチームを奮起・団結させるためのメッセージとして捉えていくべきものだと選手たちは気付いている”と同紙はまとめています。

アンドレ・ゴメスを守ろうと

ちなみに・・・ ルーチョが左セントラルにマティエウを起用したのはブスケツを欠くことによる高さ対策ですが、身長でいえばブスケツアンドレ・ゴメスは1cmしか違わないわけで。おそらくミスターはアンドレを先発で起用する案も考えたでしょうし、SPORTもそう書いているのですが、厳しい批判を浴びているポルトガル人を先発で使うのは避け(ワタクシも彼の先発は怖すぎると言っていました)マスチェラーノをピボーテにした模様です。

しかしその策は失敗し、後半のアンドレ・ゴメスを中盤の底に、マスチェをセントラルに置く布陣の方が上手くいった。今更ですがブスケツ不在時のための備えとして、アンドレはシーズン序盤からピボーテで適応させるのが良かったかもしれません。序盤のユーベのハイプレスでは、アンドレ・ゴメス先発でも炎上していた可能性は大いにありますが・・・。中長期的な戦略は大事です。

 

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