戦術的に効果があっただけでなく、メッセージにもなる交代
状態がよく、バルサがバルサらしくフットボールする上で有効な選手を起用するきっかけとして期待
FCバルセロナはなんともう12試合も、連勝がないんだそうです。その理由は明白で、アウェイで勝てないんだから連勝は難しい。フットボールは基本的に、地元/敵地の繰り返しですから。
ちなみに最後の連勝はカンプノウでの連戦、ラ・リーガのレバンテ戦とそれに続くチャンピオンズのリバポー戦で、以後の戦績は4勝3分5敗だそうです(SPORT)。勝率33%(苦笑)これもアンフィールドショックか。
この流れを断ち切るためのカギのひとつは、スアレスをファティと交代させたビジャレアル戦の采配にあるんじゃないか。そんな光をあの後の12分間で感じました。
両エストレーモが開き、偽9番+アルトゥール&フレンキー
ということで13試合ぶりの連勝を目指すのが、土曜日のヘタフェ戦になります。
結果を残せていないアウェイゲーム、しかも簡単ではないコリセウム・アルフォンソ・ペレスで勝利を持ち帰ることができるかどうかの試合。しっかり勝って悪い流れを断ち切り、上げ潮ムードでチャンピオンズ・インテル戦に臨むことが求められます。
バルサ復調(向上)へのヒントは、火曜日のビジャレアル戦にあると考えます。具体的には15分で2-0にした立ち上がりではなく、アンス・ファティがスアレスに代わって登場した78分以降の12分間です。
この時間帯のバルサは、インテリオールにアルトゥールとフレンキー・デ・ヨングが入り、エストレーモにウスマン・デンベレ(右)とアンス・ファティ(左)、そして中央に偽9番のアントワン・グリースマンという陣形でした。
この組み合わせになってからのバルサはボールがよく回り、ヘタフェを自陣に押し込めていた。
デ・ヨング登場(63分)後はわりとボールを持てるようになってましたが、やはり左エストレーモにファティが入ってからです。
ビジャレアルがボールを持つと次々にプレッシングを仕掛け、奪取をすればサイドへと展開。アルトゥール、デ・ヨング、グリーズマンの距離感が良く、危なげない試合運びへと変化したのが印象的でした。
ボールを持てるインテリオールたちと開いたエストレーモの4-3-3は非常にクレ好みのスタイルです
不動のレギュラーを外す今季のバルベルデ
コリセウム・アルフォンソ・ペレスではカンプノウのようなスペースはないですから、両エストレーモが広く開く形がそのまま通用するか、というとまた別になりそう。ですが上手くいったこのメンバーを中心軸にしていけば、バルサは改善していくんじゃないでしょうか。
メッシがいれば偽9番は彼が担当し、グリーズマンがサイドに回るところですが、内転筋を治療中なのでビジャレアル戦の面々でやってみてほしい。
外れるのは必然的に、いまひとつのスアレスになります。ここで彼をベンチスタートにするなら、今季のバルベルデは違うところが確認できる。去年と同じだと先はないので、違うミスターが見たいです。
そう、このスアレスからファティへの交代は、チームへのメッセージにもなります。
今季は名前や過去の実績ではなく、現時点でのフォームや出来で起用を判断する―。
シーズン開幕からイバン・ラキティッチをベンチ送りにしてフレンキー・デ・ヨングに賭け、時にはセルヒオ・ブスケツも先発から外しているバルベルデですから、スアレスだって不動のレギュラーから外すことが出来るはずなんですよね。競争がスアレスにも及ぶとなると、チームは活性化するはず。
(これで聖なる牛たち vacas sagradas、重鎮たちが不服を言うようであれば、もう終わっている)
自分からファティへと入れ替わった78分を境にチームのパフォーマンスが向上したのですから、スアレスとてそれも仕方ないと理解するでしょう。
トレーニングで再びキレのある動きを見せるようになれば、また先発に戻ってくれば良い。ゴール前のマタドールの力が必要な時は必ずや訪れます。
逆に言えば、アンス・ファティもカンテラーノだからという点だけで優先される必要はない。そこは競争です。
そのあたりを注目して、ヘタフェ戦を待ちたいと思います。
コメント
スアレスがパスの流れを止めているのはもう間違いないのでグリーズマンに替えるべきですよね。メッシ復帰後はどちらが偽9でもいい気がします