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マッチレポート|リーガ第12節 バルサ 3-4 ベティス

Liga Española | jornada 12

先手を取られ、反撃に出るかと思えばまた失点。
全体としての守備の見直しが必要。
カンプノウ要塞陥落

FCバルセロナがレアル・ベティスとの打ち合いに敗れ、痛い黒星。カンプノウでリーグ戦を落としたのは、バルベルデ時代では今回が初となる。ベティスは得点力不足がウソのような高い効率性で、試合を主導。バルサは攻守がちぐはぐで勢いに乗れず、復帰のメッシ(2)、ビダル弾で3点取りながら同点にもできなかった。

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試合の流れ

マルコム先発:負傷中のコウチーニョに代わって、左エストレーモに選ばれたのはマルコムだった。序盤のバルサはそのマルコムのサイドから攻撃を仕掛ける。この最初の数分間、マルコムはとても活き活きしていた。バルセロナも早々に先制できそうな雰囲気があり。前半途中から苦悶の展開になるなど、まったく予期していなかった。

ベティスのペース:だが程なくして、試合の主導権はベティスに握られる。バルサはこの日、中盤が上手く機能せず、相手のボール展開をここで妨害できない。むしろベティスのプレスで窒息。パスをつながれては緑白チームの強力な両翼(テージョジュニオール)へと展開され、セルジ・ロベルトジョルディ・アルバは援助が薄い状態で攻撃者と対峙することを余儀なくされた。

脆い守備:先制点の場面も、ジュニオルがペナルティエリア内に単騎突入した時、セルジ・ロベルトは1人(ピケは前に出ていた)。サポート守備陣が到着する前にジュニオルはフェイントでセルジを料理し、鋭いシュートをニアポスト脇に突き刺している。さしものテル・ステーゲンも逆を突かれ何もできず。

●惜しかったのはメッシのフリーキックに合わせたラングレ弾をGKパウ・ロペスが至近距離で反応して止めた場面だ。もしこれが、決まっていたら・・・ ?どっちにせよ、やられていたか。

さらに失点…:2-0も似たような具合だ。ジュニオルに深くえぐられ、逆に振ったボールをテージョが戻し、最後は中央のホアキンが巧みに合わせて追加点。ベティコがPエリアに5人到着している一方、バルサは最終ラインの4人だけで対処せねばならなかった。ホアキンも完全フリー。

アルトゥロ・ビダルがエネルギー注入:後半開始とともにバルベルデアルトゥールに替えてアルトゥロ・ビダルを送り出した。ピッチに入るや否や、シュートで挨拶をしたビダル。この闘魂男の存在はチームに好影響をもたらした。バルサ監督は続いて、消えていたマルコムをベンチに下げてムニールに賭けると決断。バルサの2点目は、この2人で奪い取っている。

メッシ気迫のPK弾:いよいよ流れがバルセロナに来るか、と思えたのは67分のPKだ。エリア内でパスを受けようとしたジョルディ・アルバテージョが倒し、マテウ・ラオス主審はPKを宣告。メッシがこれを決め(気迫のこもったパワフルシュート)反撃の狼煙が上がる・・・ と期待した。バルベルデはさらに、ブスケツに替えてアレニャーを送り出す攻めの采配。一気に逆転へ向かう雰囲気が作り出された。

得点し、すぐに失点:しかし・・・ その直後(71分)テル・ステーゲンロ・セルソのシュートをキャッチし損ね、抜けたボールがゴールインする痛恨の失敗。この試合はこのようにチーム全体がかみ合わず、どこかちぐはぐになっていた。

●それでも決して諦めることなく、ゴールへ向かい続けたことは評価できる。再反撃のゴールは、途中出場のムニールビダルから生まれた(78分。長距離スルーパスを送り込んだのはメッシ)。ビダルの飛び出しはとても効いている

得点し、またすぐに失点:しかししかし・・・ 点差を縮めたそのすぐ後にイバン・ラキティッチが2枚目のカードを受けて退場となり(81分)、82分にはセルジ・ロベルトのサイドを再び崩されカナーレスに痛恨の4点目を献上。試合終了間際にレオ・メッシが執念のゴールを決めたが(VAR判定)、時すでに遅かった。カンプノウで痛い黒星。

 

トピックス

弘法も筆の誤り・・・:バルサの鉄壁GK テル・ステーゲンでも失敗をする。いつもスーパーセーブでチームを救ってくれる彼だが、このベティス戦では珍しくボールをキャッチ損ない3点目を献上した。
ステーゲンも人間、失敗もするとして、痛かったのはこれから反撃に出ようかというタイミングだったこと。

完封が遠い:昨シーズンはリーガで19試合を完封したテル・ステーゲン(バルサ守備陣)だが、今季は12節を終えてまだ2試合だけ。10試合連続で失点中

ラキティッチ退場:タイミングが悪かったといえば、イバン・ラキティッチの退場もチームの反撃にブレーキをかけるタイミングだった。ビダルのゴールで1点差とした、その2分後の退場。カウンターを止めるべくロ・セルソを倒し、2枚目のカードをもらった(81分)。1枚目は前半、ホアキンの足を踏んだことによる。
ラキティッチ退場直後、チームは4点目を失い(82分)、勝点は遠のいた。

アトレティコ・マドリー戦は出場停止:ベティス戦の退場により、ラキティッチはFIFAウィーク明けのリーガ第13節 アトレティコ戦@ワンダ・メトロポリターノを出場停止となる。それによりビダルが先発か。

試合終了後のジェラール・ピケ「僕らは何年間も、こんなに失点してなかった。自分たちの問題が何なのか、僕らは知っているよ」「(ボールが)行ったり来たりする試合で、こちらが数的不利で守らざるを得ないカウンターを何度もやられた」

メッシ、復帰:バルサの大エース、レオ・メッシがピッチに戻ってきた。右腕の骨折で5試合を欠場。さっそく見せたドリブル突破は、D10Sの帰還を実感させた。67分には魂のこもったPKを突き刺し、試合終了間際にはアルトゥロ・ビダルのパスを受けてチーム3点目のゴール。78分のビダル弾もメッシの縦パスからなので、いきなりすごかった得点への影響力。

メッシ、得点ランク首位に:このベティス戦での2ゴールにより、レオ・メッシがラ・リーガの得点を9つとし、ランキングで首位に立った(ルイス・スアレスも9得点)。

マルコム、初先発:インテル戦の活躍とコウチーニョ負傷を受け、マルコム・デ・オリベイラがリーガで初先発。ついに訪れた好機を活かすべく、元気いっぱいにプレーを始めた。しかし徐々にベティスにスペースを潰されると、存在感が減少。56分にムニールと交代でベンチに下がった。その際、観客席から拍手。
個人で突破するデンベレと比べると、チームメイトにパスを送り、裏を狙っていくタイプ。今回は決定的な仕事はできなかった。

起爆剤アルトゥロ・ビダル:0-2で迎えた後半、試合の流れを変えるためにバルベルデが選んだのはアルトゥロ・ビダルだった(アルトゥールと交代)。ビダルはその信頼に応え、いきなりシュートを放つなど闘志ある動きでチームにエネルギーを注入。ムニールのパスを受け2-3弾を決め、メッシの3-4弾をアシストする活躍を見せた。
ラキティッチが出場停止となるアトレティコ戦(24日)は先発濃厚。その権利は勝ち取っている。チリ代表で怪我しませんように。

アルトゥロ・ビダルが試合終了後のピッチサイドインタビューに答える。「地元で勝点を落とし続けるわけにいかないよ。優勝するために、僕らは多くのことを改善しないといけない。ホームで4失点はダメだ」

アレニャー登場:69分、セルヒオ・ブスケツに替わって登場したのが、カルラス・アレニャーだった。最近のバルベルデ、ちょっと変わってきてる?いきなりポスト横をかすめるミドルシュートを打ち、クレをときめかせた。

ブスケツの心づくし:試合開始前の通路でキケ・セティエンセルヒオ・ブスケツにユニフォームシャツをもらえないかとお願いをし、俺たちのブスケツは背番号部分に「あなたのフットボール感に敬意をこめて」とのメッセージを書いてプレゼント。ベティスの公式ツイッターがその写真をアップ

中盤の疲れ:バルベルデの鉄板イレブンとして連続起用されてきたセルヒオ・ブスケツイバン・ラキティッチ、それに欧州初挑戦のアルトゥール・メロに疲労が見えてきた。セルヒオはいつもの冴えがなく、アルトゥールもここ数試合はくすんだ感じ。ラキティッチは無理なファールで退場となった。ローテーションで休養させたいが。

デンベレ客席観戦:木曜日のトレーニングを無断欠席したウスマン・デンベレは罰として招集外。スタンドから試合を見つめた。隣の座席には負傷中のサンペールとベルマーレン。

ルーチョ代表監督がご来場:スペイン代表監督ルイス・エンリケがパルコ(貴賓席)から選手たちをチェック。代表監督となったルーチョがカンプノウに来るのは、今回が初めて。

26ヶ月ぶりの:2016年9月10日のアラベス戦(1-2)を最後に、リーガの地元ゲームでずっと負けなかったFCバルセロナ。それから26ヶ月、記録を42試合無敗(34勝8分)で終わらせたのが、カンプノウでは1998年5月から20年間勝ちのないベティスだった。

 

FC Barcelona Real Betis
3 4
11 de Noviembre – Domingo 16:15 h
Camp Nou
: 83,174
Goles
  Junior (19)
  Joaquín (33)
Messi (67pk)  
  Lo Celso (71)
Arturo Vidal (78)  
  Canales (82)
Messi (93)  
Titular
Ter Stegen【5】 Pau López
Sergi Roberto【5】 Mandi
Piqué【5】 Bartra
Lenglet【5】 Sidnei
Jordi Alba【5】 Tello
Busquets【5】 Guardado
Rakitic【5】 Carvalho
Arthur【4】 Firpo
Messi (c)【7】 Loren
Malcom【5】 Joaquin
Suárez【5】 Lo Celso
Cambios
Arthur→ Arturo Vidal【7】(46) Joaquín→ Canales (60)
Malcom→ Munir【5】(56) Loren→ Sergio León (75)
Busquets→ Aleñá【5】(69) Lo Celso → Inui (85)
Entrenadores
Ernesto Valverde【5】 Quique Setien
Arbitro
Mateu Lahoz (valenciano)
Tarjetas
Rakitic (43) Guardado (28)
Busquets (59) Tello (67)
Arturo Vidal (73) Mandi (68)
Rakitic (81DA)  
名前の次の数字は評価点:平均点【5】
Estadisticas
1a 2a Total Total 2a 1a
0 3 3

Goles

4 2 2
7 13 20 (5)

Tiros a puerta

15 (8) 7 8
1 6 7

Ocasiones de Gol

9 4 5
4 6 10

Corners

5 3 2
0 2 2

Fueras de juegos

2 1 1
    499

pases

435    
54%   54% Posesion del Balon 46%   46%
6 7 13

Faltas

11 5 6
1 2 3

Tarjetas Amarillas

3 2 1
0 1 1

Tarjetas Rojas

0 0 0
Formación

コウチーニョ、サンペール、ベルマーレンが負傷欠場。
デンベレが監督判断で招集外(トレーニング無断欠席への罰)。ラフィーニャがベンチ外。
セメド、デニス、シレセン、ムニール、ビダル、ウンティティ(怪我明け)、アレニャーがベンチスタート。

怪我から復帰したメッシが先発出場。
火曜日のインテル戦で結果を出したマルコムが、コウチーニョの代役となった。
その他はいつもの鉄板イレブン(そろそろ疲労が気がかり)。

お疲れなのかアルトゥールが存在感を出せず、ブスケツも途中交代。ラキティッチがカード2枚で退場になるなど、頼みの中盤が崩れた。
最初の交代はアルトゥールに替えてアルトゥロ・ビダル。
消えかけていたマルコムも後半序盤56分でムニールと交代になった。

3枚目の交代は勇敢に攻めてブスケツからアレニャー。ラキティッチが中盤底に入った。
反撃のためにピケが前線に残っていた。だが81分にラキティッチが退場。
アルトゥロ・ビダルと守備陣が懸命に走ってカバーした。

Titular Final
 

 

コメント

  1. レト より:

    前節のラージョ戦で得たリーグ制覇への期待はアッサリ消し飛びました。
    首位チームとは思えない失点数、言い訳の出来ない惨敗ぶり。
    正直、1ヶ月以上前まで逆戻りした気分です。
    代表戦を挟んでのチームの建て直しに期待したいところですが、
    ローテーションがマトモに出来ていない以上、後半戦の予想も厳しいですね。
    リーグ中位以下にもバルサより強いチームがゴロゴロいることを認識させられプレッシャーがより高まりました。
    代表戦明けのアトレティコ戦が正直怖すぎますね。