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繰り返される失敗・・・:サイクルの終焉と未来を担う若者たちへ賭けること

PSG戦の大敗は不運でもアクシデントでもない
黄金期はもはや過去のものとなり、新時代へ向けての土台作りが今後の希望

バルサが次々にタイトルから遠ざかっていく、切ない現実を見せつけられる日々。そんな2月をクレの皆様 いかがお過ごしでしょうか。クーマンチームはまだどの主要コンペティションからの敗退も確定はしていませんが、それはただ確定していないだけ。特に敵地での0-4が要求されるチャンピオンズは言い方はあれですが、手続きのための試合を待つのみです。となると、クレは残りシーズンを何を楽しみにしていけば好いのか。将来のための若株育成がそのひとつになります。

2年連続無冠へと向かう

今さら慌てるような話でもないのですが、FCバルセロナが2年連続無冠へと向かっています。
まずチャンピオンズは、最初から、本気で夢を見られるような大会ではありませんでした。一太刀浴びせるくらいはひょっとして・・・と期待はしたけど、戦力ダウン中のPSG戦にも現実というパンチを次々打ち込まれてKO負け。
チャンピオンズ史上、イダの1-4をひっくり返した前例はひとつもなく、その奇跡を今のバルサが達成できると信じるのはユートピアであります。むしろパリで悪夢を見る恐れの方が強い。覚悟して観戦せねばなりません。

ラ・リーガはシーズン序盤での取りこぼしが響き、アトレティコの失敗を待つ状態です。
16試合を残し、3位バルサと首位との勝点差は9ポイント。ここ3試合で4ポイントを失っているシメオネチームなので、勝ち続けていればひょっとするかもしれません。アトレティコ、マドリーとの直接対決が残っているのも、差を縮めるチャンスとなる。マドリー勢がチャンピオンズで勝ち進めば、リーガでのやり繰りも難しくなりますしね・・・

今さらですが、唯一可能性を感じられたコパ(マドリーの2チームが早々に敗退)で覇気のない試合をし、巧者セビージャに完敗(2-0)したのは勿体なかったです。1点返せていたら、だいぶ違っていたのだけれど、決まらないのが今のバルサ。
フットボールでは時として予期せぬことが起きるし、バルサである以上、選手たちは全力で逆転勝利を目指すでしょうから、クーマンの采配が奇跡的に大正解して勝ち抜けると願うとしますか。

とんでもないドラマが起こらないかぎり、今季バルサミュージアムの陳列ケースに新たなトロフィーが加わることはないでしょう。

若手が経験を積んでいる

ロナルド・クーマンが大きなタイトルをもたらしてくれる名監督ではないことは、ここまでの戦いぶりで分かりました。
ただ、最初から今季は過渡期だと思っていましたし、就任当時にクーマンに感じていた山のような不安からすれば、現状をそう嘆く必要もないんじゃないかと思えます。泣けるフットボールをし、黒歴史の新たなページを刻んでいるなかで、若い選手が経験を積んでいることは前向きですから・・・

リスボンで木っ端微塵になった上に未来への希望もほとんどない昨季の終わりより、何人もの若手が出番をもらっている今季の方が何倍も良い。今の若者たちが土台となり、数年後にバルサが再び勝者のチームに戻っていれば良いのです。
この点においては、ロナルド・クーマンには期待できると思う。選手が足りない足りないと言いながら、勇敢に若い子たちを起用しているオランダ人がベンチにいるのは不幸中の幸い(?)でしょう。そして残念ながらタイトルが期待薄になることで、若手にさらに賭け易い状況にはなります。

カルテラ(財布)よりカンテラ

ロナウジーニョ太陽王からメッシ神へと引き継がれてきたバルサ成功の時代も、いよいよ一度終わりの時がきたのです。ひとつのサイクルが終わろうとする時、どうにか別のサイクルへとつなげてタイトルを獲得し続けてきたバルセロナでしたが、いよいよそれももう回らなくなった。大きなサイクルがここで閉じる。一度原点を振り返り、スカッドを再建するべき時の到来です。

一昔前、「カルテラ(財布)よりカンテラ」なる言葉がバルセロニズモ界隈でよく使われていました。

2000年代初頭、ガラクティコ(銀河系)と言われるド派手な補強を繰り返すマドリーに対し、資金の乏しいバルセロナは若手を育てることで対抗するしかなかった。当時は若干負け惜しみ感もあったように記憶しますが、アイデンティティ面でもこれは有効で、バルデスプジョルチャビイニエスタらが育ったことが後の黄金期への土台となったので正解でした。

(それがいつしか、カルテラで物事を解決しようとするクラブになってしまっていた。バルトメウ理事会の大罪。メッシが昨夏に批判した、事が起こると穴をふさぐだけの、プロジェクトなきチーム作り)

今ならば、アラウホアンス・ファティペドリリキ・プッチミンゲサイライシュといったところが次世代の土台候補です。20年前に種まきをしたのがオランダ人のバンガールで、今その役をクーマンが担っているのは歴史の巡り合わせってやつでしょうか。バンバンの前例があるので、クーマンは若手起用への理解を得やすいと思います。

残されたキャリア年数からして、今の勝利が欲しいベテランたちとすれば不満もあるでしょうが、次の世代を育てなければクラブに未来はない。
可能性があるかぎりはタイトル獲得のために戦う一方、若手に賭ける場面は増えてくるんじゃないかと予想します。でも同時に、新時代のバルサ像ってのもバルセロニズモは考えていかねばなりません。

新時代のティキタカ

カンテラーノを中心にスカッドを再建していくとして、チャビイニエスタも最強版セルヒオもいないわけですから、ペップ時代のようなティキタカはもう再現できない。このジェネレーションは再現不能だと、当時の選手たちもペップも語っていました。

では新時代のティキタカはどうあるべきなのか。
いずれ揺り戻しが来て、タッチフットボールが復権するとしても、それは新たにチューンされたものとなるでしょう。ペドリデ・ヨングだけでは足りない。ラ・マシアの中盤は絶対不可欠。時代の必然が新たなクラックを生む時を待て、ということでしょうか。
考えても分からないので、まずは3月7日に最適な会長が誕生することを願いましょう。今日のところは、風呂に入って寝るべぇ。

 

コメント

  1. トム より:

    今のバルサの苦しみは、数年に渡って度重なった、補強政策の失敗の結果に他なりません。
    バルトメウの罪はとてつもなく大きい。

    今季は、その失敗の産物となっている選手を、誰が必要で誰が不要かを見極めるシーズンだと思ってます。
    結局の所、チームを作るのは選手です。
    給料だけ高くて結果も仕事もできない選手を売り、安くても忠誠心の高いカンテラーノで強度を高め、試合を決められるクラックに大金を注ぎ込む事こそ、未来に向けて必要になる。
    今はこれがまるでできていません。
    特にグリーズマンとピアニッチのコスパは絶望的です。

    お金の問題もあるので来季どうなるかは分かりませんが、この見極めが正しく出来る監督の元で、正しい選手と戦術を作り上げる必要がある。
    クーマンにそれができるかというと、無理だと思います。
    バルトメウの指示とはいえ、スアレスを真っ先にあんな不誠実な形で切った監督です。

    来季の新会長は、チームを一新する人事手腕が必須です。
    なので、スポーツ面で思い切った刷新が期待できるラポルタ以外にあり得ないと思います。
    メッシを引き留める為にも。
    経済面も不安ですが、官僚型に任せられる現状じゃないです。

  2. lamasia1979 より:

    今期の残りそれから来期は新時代の土台作り。
    はたしてメッシは引き留めるべきでしょうか?
    確かに史上最高フットボーラーを、我らが愛するクラブで観れることは何より至福です。
    他のクラブで幸せそうにプレーする姿は悲しいですし、何よりとてつもない喪失感に襲われるでしょうね。
    でも、メッシがいる限り変わらない、と自分の中では確信してます。
    メッシ依存は変わるはずもなく、走らないキャプテンはチームを鼓舞することもありません。
    PSG戦では動かないメッシにデヨングが不満をあらわにしていたという話もあります。
    きっと改革を延期するだけになります。
    メッシがいることによるブランド効果、少しでも上位に食い込むことで若手への高い経験値、などメリットはありますし、
    割りきってメッシを楽しむ、もそりゃありなのですが…もう時は来たと思っています。CL5シーズン連続で大敗を見せられて負け慣れてしまったので、
    あと2、3シーズン無冠は覚悟済なので
    思いきった改革を期待したいです。
    皆さんはどのように思われますか?
    「メッシを引き留めるべきか」
    是非一度取り上げてほしいです。

  3. GOAT より:

    次の世代にバルサのフットボールを移行していく為にも、今のベテラン勢には若手を育てる心意気があって欲しい。
    特にメッシに関しては、残留して多くの事を若手に伝えて欲しい。
    彼以上に若手の手本となれる存在はいないと思います。
    何故ならメッシはバルサ史上、フットボール史上、最高の選手なのだから。
    目先のタイトルの為だけに他所のクラブに移籍するのでは無く、ワンクラブマンとしてバルサの将来の為に尽くして欲しい。
    それこそがバルサとメッシにとって最も幸せな結末であるように思えるのです。

  4. elco.nejo07 より:

    メッシとは袂を分かつ時か来たのではないでしょうか?
    メッシが史上最高のフットボーラーであることには疑いの余地もありませんが、今のメッシが若手の手本になるとは正直思えません。

    メッシはバルサを退団して何年か国外で残り短いフットボーラー生活を楽しんだ後、将来バルサでTDをしたいとの記事を読んだことがあります。
    ここで無理に引き留めてバルサとの関係が終焉するよりも、ペップのようにいつか帰ってくるストーリーを望みたいですね。

  5. ブラウグラーナ20年欠かさず見てます。 より:

    20年来、このサイトを楽しく拝見させてもらってます。選手のコメが関西弁ではなくなってるのがさみしいですが。。。
    そもそもバルサは政府権力マドリに対して、何かしら理由をつけて負けてない〜、なチームなのに、希代のプレーメーカー達で常勝になってる事が幸せすぎるんではないでしょうか。
    オランダ軍団で、チャンピオンズ予備予選から、バルセロナの街がやいのやいの言ってた時の感覚でよいのでは。
    ペップの足いわした、デルビッツを一生許さん、と言ーてた、熱い感じで行きましょう。
    (後年、それでも闘志を植え付けたデルビッツに苦笑いな管理人さんが大好きです。)
    ちゃんとこの先シャビやイニは出てきます。
    それがバルサのアイデンティティやから。
    マドリの文句言いながら悶々と待ちましょう。

  6. silver より:

    クーマンは劇的にチームを変えて勝ち上がれる特効薬ではありませんが、チームに刺激を与える意味では効果があると思います。 それにあんな状況でバルサを引き受けてくれたことには感謝しなくてはいけないですね。

    Messiの進退に関わらず、夏の新しい会長の補強方針(金銭的にできるかは別として…泣)によって、この転換期がどう転んでいくかの目安になると思っています。 ここは選挙結果を見守りましょう。
    個人的には、もうGriezmannとPjanic、Umtitiはもういいんじゃないかと…
    Griezmannは技術が高く献身性もある良い選手ですが、やはり当てはまらない。 Pjanicも出場すれば堅実ですが、なんだかんだ批判されるSergioが優先して起用されるということはそういうことなんでしょう。 Umtitiは第4セントラルとしてはコストがかかりすぎています。

    とまぁそのあたりの人員整理も含めて、新会長の政策に期待しましょう。

  7. レト より:

    今季は無冠濃厚ですが、それでもアトレティコも調子を落としてきたのでギリギリまで食らいついてほしいですね。
    個人的にはスーペルコパの敗戦に比べれば結果の見えていたPSG戦にはそこまでショックを受けませんでした。
    今回の敗戦で立ち直れなかったら今後チームが強化されてもバルベルデ政権時の二の舞を演じ続けるだけでしょう。
    今後の正念場で活きてくるでしょうからシーズンが失敗に終わったとしても軟着陸を心がけて欲しいです。

  8. ぼこ より:

    次代のティキ・タカを想像するのは楽しい試みですね。次はどんな時代になって、どんな選手が求められるのかな。言い当てられれば偉大な発明家になれるわけだけど(笑)。

    メッシの去就については、もう本人の好きにさせる以外にできることはないよね。契約を盾にして縛りつけたり、リークとか嫌がらせして追い出したりせずに(笑)。
    個人的には、チャビの最後みたいになると最高だなと思うけど、クリウドを見たりすればそれも難しいと思う。