この1週間はバルセロニスタにとってしんどい日々となりました。ドイツ人ファンが溢れたカンプノウにてアイントラクト・フランクフルトに完敗し、事実上タイトルの最後の望みだったヨーロッパリーグから敗退。続くカディス戦でも敗北を喫し、バルサ界隈を包んでいた明るいムードは一転して重苦しいものとなっています。15戦無敗からの連敗は夢から覚めたようでもあり、余計でしょうか。
チケット販売の内訳
さて今日は更新意欲も盛り上がってこないので(汗)いくつかの話題を適当に織り交ぜながら、取り留めなく書いていこうかと思います。
まずは重要な一戦にもかかわらず本拠地スタジアムを相手サポーターの色で染まらせ、世界中に向けて恥ずかしい部分を披露したフランクフルト戦でのチケット販売問題について。
ジョアン・ラポルタがこの件を説明するための会見をさほど時間を空けずに開き(4日後の火曜)、チケット分配情報を明かしたのは評価できます。
ラポルタによると、販売された34,435枚からフランクフルト側に送られた5,000枚を引いた29,435枚の内訳は1,500枚がチケット窓口、23,427枚がオンライン、そして3,670枚が代理店だそうです。
27,201枚の販売がドイツからのIPやクレジットカードだったことで拒絶されたとのことで、システムは一定は機能していた。問題はやはり、システムが及ばないところでの人々のやりとりになります。
ソシオの転売
オンラインで販売された23,427枚の大部分がドイツ人サポーターに流れたと考えられます。
例えばラポルタは会見にて、約7,400人のソシオが会員特典である50%割引を利用してチケットを購入してそれを転売したと語っている。さらにはカタルーニャ住民割引40%なんてのもあったらしく、そこまで行くともはや制御不能です。チケットを持たずにバルセロナに乗り込んできたドイツ人ファンも、何らかの入手手段を見つけ出したでしょう。
(入手方法を教え合うフォーラムもあった模様)
応援にかけた熱量の違い
チケットに関する抜け道がたくさんあったことが判明した今回のアイントラクト・フランクフルト戦。
それらはシステムの再構築などで改善していけるでしょうし、フリーシート(シエント・リブレ)制度を悪用することを目的とするような入場実績がない怪しげな年間指定席は没収されたりもするんでしょう。
ただ残念なのは、チャビチームがファンの後押しを必要としていた重要な試合にもかかわらず、応援しようと駆けつけたクレが4万人ほどだった点ですよね。
ラポルタは会見にて「このセマナサンタ(聖週間)は La pasión de Cristo(キリストの受難)のようだった。聖木曜日が落胆とともに始まり、la Mona de Pasucua(イースターマンデーに食べるケーキ)がもう一つの落胆とともに終わった」と語っています。
イエスの復活を祝い、ヨーロッパ全土がふわっとする聖週間。
その連休に有給を組み合わせて旅行に行ったりする人も多いそうですが、バルサファンがカンプノウに行くよりも別の過ごし方を選択した一方で、ドイツからは逆にバルセロナまで突撃してきた熱いファンが多数いたのだろう・・・という推察ができそうです。
もし聖週間でなければ、また違ったことになっていたんでしょうか。
そしてバルセロニスタにとってヨーロッパリーグの1/4 final がさほど魅力的ではなかったのと対照的に、アイントラクトのファンは自分の時間とお金を応援するチームのために使おう、チケットは手元にないけど行ってしまえばなんとかなると考えた。この熱量の違いが、カンプノウをフランクフルトの本拠地のごとく変えたわけですよね。。
チケット販売方式の不備とか抜け道ももちろんありましたが、試合にかける熱量の差が結局のところモノを言った。年間指定席持ちのソシオがこれは逃せないビッグマッチだと駆けつけていれば、相手ファンの入り込む隙は生まれなかったわけですから。
とはいえチャンピオンズでの魔法の夜に慣れたソシオが、ヨーロッパリーグ1/4 final で本気を出さないのは仕方ないか。。むむむ。。
ベルナベウ0-4の歓喜から急降下
会見でのラポルタはこのようにも言っています。
「私たちはラ・リーガ(ベルナベウ)での0-4勝ちに喜んでいたけれど、今は勝つことが難しくなっている。フランクフルトでのイダは完全な日とならず、ブエルタでは敗れ、レバンテ戦では(勝ったけれど)苦労をしていた。チャビが解決策を探しているよ。ぺドリのような中心選手が怪我をしたりと、状況は私たちが期待していたものと異なっている。最終的な結果が最大となるための、7つの決勝戦が私たちにはある。ラ・リーガ優勝は厳しくなったが、少なくともチャンピオンズ出場権は必須だ」
3月20日にベルナベウを0-4で攻略したのをピークに、チャビチームはじわじわ調子を下げてきました。あのマドリー戦までの勢いは素晴らしかった。4点奪うのが普通でしたから。
怪我から復調したぺドリの存在が大きかったのは間違いないですが、ひょっとするとコンディションを上げていく設定が早かったりしなかったのだろうか、なんて素人ながらに考えたりもします。
タイトルを獲るチームは春以降にフォームが最高点になるようトレーニングの負荷を調整しますが、これがどうだったのだろうという素朴な疑問。ベルナベウでMAXに仕上がり、、以降は、、てのはないんでしょうか。
怪我に関しては、2月以降のチャビチームは筋肉系の怪我が(クーマンチームの惨事が嘘のように)ほどんどなくなっていたのに、4月からはメンフィス、ピケ、ぺドリと増えてきました。関連はあるのか。
戦術の分析とかしてみたいけれど、その能力が残念ながら私にはない。
マドリーがラ・リーガ優勝とチャンピオンズ準決勝を目前に盛り上がるのを尻目に、バルサ界隈は連敗によって元気をなくしています。ぺドリに依存するチームがこれから勝っていけるのかと、信頼が揺らいでいる感もある。悲観主義にかけては定評のあるバルセロニスタ。さてここからの雰囲気がどうなっていくのか気になるところです。
派手な勝利の数々で盛り上がった希望は、フランクフルト戦の完敗で大いに傷を負いました。あれは単なる敗北では収まらず、バルセロニズモに不穏な感情を呼び起こす不吉な負けとなっています。なんだかんだで勝ち抜けるだろうとの緩みのようなものがあったと思いますし、そういったことが本当に高くついたのです。現実を直視させたと言えるかもしれないけれど。
一時期は、欧州で最も好調と称えられたチームが、2-3週間で負のスパイラルに落ち込む。かつてのような栄光を手にできるスカッドになるにはまだまだ時間がかかる、一時の魔法は解けたのだと知らされた聖週間でした。魔法の夜が期待されたフランクフルト戦で魔法が解ける。頑張っていこう。
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