現代の医療では、航空機搬送のリスクはほとんどないという関係者たち。
横浜で脛骨を骨折したダビド・ビジャが、手術のためにバルセロナへと直ちに飛んだことに関して、スポーツ医学界の権威であるラモン・クガット医師が「コンパートメント症候群によって脚を失っていた可能性もあった」と発言したことが、その業界内にて大きな波紋を呼んでいるようです。そしてそのうちのほとんどが、現在の医学であれば危険なんてまず存在しない、というもの。おやおや、そうなんですね。
SPORT紙は7日の紙面で、クガット説への反論を幾つか紹介しています。例えば、航空機パイロットのエンリク・ロペス=アモールさんの意見はこんな感じです。「バルセロナからマドリーへと向かう飛行機は高度3万フィート(9,144メートル)を飛び、大陸間を移動する飛行機は3万9千フィート(11,887メートル)まで上がりますが、旅行者が耐えることになる気圧は6千フィート(1,829メートル)と同等です。それはアラン渓谷やスキー場と似たような感覚になります」。たしかに。
よって「酸素は少し減少するにせよ、身体はそれにすぐに適応します。私たちは重病患者を搬送したりもしますが、機内への適応に問題が発生したことはありませんでした」とパイロット氏。気圧が原因でコンパートメント症候群になる可能性は極めて少ないというわけです。
同じく、USP Dexeus病院(メッシの息子が生まれたところ)の関係者によれば、「クガット氏の言うようにリスクは存在しますが、それは非常によくコントロールされています。コンパートメント症候群は極めて発症しにくい。以前は気圧変化によるリスクはありましたが、現在の機内の●●(専門用語)はとても上手くできているのです」
世界に名立たるトップアスリートを搬送するのですから、当然ながら、万全の対策が採られたことは想像に難くありません。記事の説明は専門用語が多いので割愛しますが、とにかくいろんな処置がとられ、リスクが最小限にコントロールされていたのは間違いないでしょう。クラブドクターが日本ではなくスペインでの手術を選択した、のがそれを一番表している。ということで、今回は名医クガットさんといえど、やや先走った発言だったという印象です。あるいは視聴者受けを狙い、ちょっと大げさに言ってみたか。
ちなみにラモン・クガット医師も昨日、La Sextaの番組内で追加説明をしています。これもまた医学的な用語が満載なので正確にお伝えできないのですが(ご勘弁!)、結論部分だけ紹介しますと、「誰もがそういった危険性を承知していて、適切な処置がとられた」ことで大丈夫だった、という感じです。
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