セレソンのカピタンがバルサから遠のき、ホープが接近と。
現れては消え、消えてはまた現れるバルサのセントラル補強候補たち。この6月末にはチアゴ・シルバの線が再び消滅模様となり、代わりにマルキーニョスが有力候補として舞台に登場しています。木曜日はパリにてローラン・ブランのPSG新監督就任会見があり、同席したナセル・アル・ケライフィ会長が「チアゴ・シルバは残留する」と改めて断言。それによってバルサ系メディアの関心は、イタリア方面で名前が出てきたローマの若きブラジル人セントラルへと移っている感じです。ローマもマルキーニョスの移籍は断固否定してますので、どっちにしても厳しい道になりそうですが。
PSG会長が再び扉を閉ざす
何度打たれても立ち上がるボクサーのように、チアゴ・シルバの名前はこの初夏のバルサ系メディアを賑わせてきました。サンドロ・ロセイ会長が「不可能とは言えないけれど、非常に困難なオペレーション。彼のサラリーの高さもまたチームの給与バランスを崩す」と言おうと、“ティトの希望はT. シルバのみ”として、メディアもセレソンのカピタンにかなり拘ってきたこの数週間です。
しかし昨日、PSGが開いたローラン・ブランの新監督就任プレゼンにおいて、クラックの去就を気に病む記者たちに対し、ナセル・アル・ケライフィ会長が「イブラヒモビッチもチアゴ・シルバも私たちの元に残る」と断言。最近はT.シルバを推しのMUNDO DEPORTIVO紙はまだ粘っていますが、PSGが改めてクラックを売りに出しておらず「残留する」と強調したことで、SPORT紙では2013年夏にチアゴ・シルバがバルサのユニを着る可能性(という名のかすかな期待感)も消えうせたと見ています。
※MD紙は28日付の記事にて、ネイマール作戦で活躍したフットボルディレクターのラウール・サンジェイが再びブラジルへ渡ったというカタルーニャ・ラジオの情報を紹介。表向きはコンフェデ杯決勝を見るためだけれど、本当の目的はT.シルバの代理人パウロ・トニエットと会い、移籍実現への協力を求めるためだとしています。まあこのミッション・インポッシブルに挑むには、選手からの圧力しか有効打はありません。
イタリア方面より、マルキーニョス話が再浮上
このチアゴ・シルバの“降板”と時を同じくして、舞台に再登場してきたのがローマの期待株マルキーニョスです。きっかけを作ったのは、イタリアのスポーツ紙Gazzetta dello Sport。同じくイタリアのCorriere dello Sport 紙もまたマルキーニョスへのバルサの関心を取り上げていますが、こちらはアレクシス・サンチェスをオペレーションに絡めているのが違いのようです。
(一応、ネタ元確認のために両紙のウェブサイトを覗いて見るも、イタリア語の壁の前にあえなく断念^^; そしてイタリア目線でもシャキーラが目立っていたことを知る)
それはさておき、スペインのメディアによりますと、Gazzettaはバルサがローマの若きセントラルに興味を抱いていると言うだけではなく、カタランクラブが2,800万ユーロの正式オファーを出す準備をしている、と突っ込んで報道。その時点ですでにビックリの値段ですが、この数週間一貫してマルキーニョスの放出を否定してきたローマは3,500万~4,000万ユーロのオファーであれば耳を貸すつもりだ、という情報にさらに唖然とします。あくまでウワサと承知の上ですが、“それならアレクシスは5,000万ユーロじゃ!”と言いたい高さです^^。
セビージャにて数々の実績を残していたダニ・アルベスの移籍金が2,950万ユーロ、バルセロニスタを「マヂかよ!?」と驚愕させたあのぺぺのマドリー移籍金ですら3,000万ユーロだったわけですから、19歳の欧州1年目終了のセントラルに3,500万はないでしょう。アレクシスを出してでも、というのも話にムリがあります。
最高級のベテランか、若きブレイク候補か、それとも・・・
この数年間、バルサはセントラルの補強に失敗してきました。良かったのは600万ユーロで獲得したラファ・マルケスと出戻りのピケくらいで、アビダルはフィットしましたがラテラルとしての獲得ですし、マスチェラーノも同様。その他はチュラム、ガビ・ミリート、カセレス、エンリケ、チグリンスキーと死屍累々で^^; 今度こそ失敗は許されない状況がこの2013年夏です。
しかしマーケットに出ている一級のセントラルはほとんどなく、バルサにフィットするとなると尚のこと少ない。よって売りに出ていない選手を強引に狙わねばならず、世界最高セントラルならそれでも良しとして高額投資を敢行するか、ブレイク率の高そうな若者に賭けるかの二択となっています。実績あるそこそこの選手で妥協する選択肢は、却下されたと見ていいでしょう。
ここで肝心なのは、ティト・ビラノバが求めるセントラルのキャラクターです。ミスターが求めているのはプジョルが不在時でも最終ラインを統率できて、対人守備に強く、高さもあってセットプレーで頼りになるセントラル。ウワサのマルキーニョスは読みが良く、1対1に強く、スピードがあり、ユース代表ではほとんどカピタンを務めているとのことでリーダーシップもある、と多くの条件をクリアしているみたいですが、なにぶん若いのでボス的迫力はありません。バルサの補強は難しい、とつくづく思います。
ちなみにジェラール・ピケは先日ラジオ局RAC1の取材に対し、「今シーズンはデフェンサに怪我が多かったから、クラブが補強を考えるのは筋が通ってるけど、プジとマスチェ、バルトラと僕がいればセントラルはカバーされてる。来季はそう怪我人多発の不運はないだろうし」と、セントラル補強不要論を唱えています。さすがに補強なしは怖いので、すばらしい解決策が見付かることに期待ですが・・・ さてどうなるや。
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