ジローナの現監督を新たにアシスタントに招聘。
バルセロナのスポーツ紙はコンフェデ杯関連と生煮えの移籍ウワサばかりということで、ちょいと地味な話題をひとつ。それはティト・ビラノバ率いるテクニコ陣の、新メンバー補充の件です。ティト監督をサポートする技術スタッフは来季、顔ぶれが少々変化します。相手チームの情報分析を行っていたドメネク・トレントとカルラス・プランチャールが揃ってペップ・グアルディオラのところへと去り、少なくとも彼らの穴は埋めなければならない。現在はスビサレッタSDたちがあれこれ人選を急いでいるでしょうが、具体的な新メンバーとして入閣目前とされるのがジョアン・フランセスク・フェレール、通称ルビです。
じり貧ジローナで快進撃
このルビがどういうお人かと言いますと、カタルーニャのクラブ、ジローナの監督さんです。1970年1月1日生まれのカタルーニャ人で、オスピタレやマンレウ、テラッサなどセグンダBのチームでプレーをした後、2001年に監督業を開始。オスピタレ、サバデイ、エスパニョールBといったクラブを経て、2011年からジローナのコーチングスタッフとなると、監督へと昇格した2012/13シーズンはプリメーラ昇格まであと一歩のところへとチームを導いています(プレーオフでアルメリアに敗れる)。
ジローナFCは2011/12シーズン、経営・成績不振によってゼネラルディレクターや会長が辞任し、監督も3人交代しています。セグンダA残留も困難かと言われながら、辛うじて15位で生き残ったのでした。この2012/13シーズンも経営は相変わらず苦しく、残留に貢献したハビ・サラメロ監督との契約を延長できないほど。そこで第2監督だったルビが昇格したという経緯です。よってシーズンの第一目標も“まずは残留!”だったのですが、ジローナは驚くことにあれよあれよと快進撃。前半戦を2位で折り返すと、最終的にはクラブ最高位となる4位でフィニッシュしたのでした。
2年前から声をかけていた人物
そのビックリジローナを率いたルビに、ティトは以前から誘いの声をかけていたのだとか。1年前に自らがバルサの監督となった際にも、テクニコ入りを要請していたそうです。そのリクエストは、ルビのジローナ監督昇格で実らなかったわけですが、ティトは諦めることなく今シーズンも数ヶ月前の時点でオファーしていて、熟考の末、彼はついにビラノバチームのスタッフとなることを決断したとのことです。
各メディアの伝えるところによりますと、ルビは昨日バルサのフロントと話し合いの場を持ち、仕事や契約の内容について最終確認を行っています。そしてこの木曜日、あるいは金曜にもジローナ退団とバルサ入団が発表されるだろうとの見方が有力です。
ルビがバルサのオフィスを訪れている頃、ジローナFCの新スポーツディレクターとなったハビ・サラメロは監督の返事を待っていました。そのディレクター氏はテレビ局La Xarzaの取材に答えて曰く、「確かにルビには、バルサからのオファーが届いています。私たちとしては彼の続投を望んでいますし、契約延長もオファーしているのですが、このモンスターは私たちが太刀打ちできるものではありません。彼はとても優れた監督ですから、是非ともここに残ってほしい。けれども、もし彼がバルサと契約するのであれば、私はそれを嬉しくも思うことでしょう」
ティトのアシスタントとして加入
当初の報道では、ティトチームでのルビの役目はトレントとプランチャールが担っていた“スカウティング”だとされていました。けれども新しい記事によれば、彼はバルサからのオファーを引き受けるにあたってグラウンドでの仕事を希望。クラブはそれを尊重し、ジョルディ・ロウラやアウレリ・アルティミラらとともにビラノバのアシスタントとなる見込みです。
守備面での脆さが指摘された今季のバルサなんで、そっち方面でプラスになってくれると嬉しいのですが、どうなんでしょ。2012/13シーズンのセグンダAは、首位のエルチェが54得点27失点、2位ビジャレアルが68得点38失点、4位ジローナが74得点56失点、8位レアル・マドリー・カスティージャが80得点62失点、9位バルサBが76得点71失点です。
一方スカウティングチームは、ジョルディ・ロウラの第2監督昇格に伴って今季から加入していたアレックス・ガルシアがリーダーへと格上げされ、ジョルディ・メレロなる人物が新たに加入する運びだとか。メレロはスビサレッタのアシスタントであるナルシス・ジュリアが2年前にジローナから引っ張ってきた人で、これまではドイツ、オランダ、ベルギーといったリーグのマーケット調査を担当していました。
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