契約上、自由移籍が可能。選手はすでに決断済みと。
2016年5月25日はバルセロニスタを驚かせるニュース、いわゆる“爆弾”が二つ炸裂しました。去就を検討していると報じられていたハビエル・マスチェラーノがユベントスと個人合意をしたとのニュースが流れただけでも十分驚きでしたが、そこにダニ・アルベスがバルサ生活を終えてユーベへ移籍するというニュースも加わってさらに驚き。マスチェラーノに関してはバルサに手放す考えが毛頭なく、結局騒ぎだけで落ち着くかもしれないですが、ダニはどうやらもう発表も時間の問題のようです。3日前には二冠達成の幸福感に包まれていたのがウソのような風の変わり様です。
一方的に自由移籍できる契約条項
ダニエル・アルベスがバルセロナを去ってユベントスへと移籍することは、事実上もうすでに決定しているようです。選手側とトリノの老貴婦人との交渉はもうすでに完了していて、合意成立済み。残すはサインの儀といった事務手続きのみで、それも近日中に実施されると見られています。
では何故、こんなにすんなりとバルサを出ていくことになったか。彼のあっさり移籍を可能としたのは、一年前の紆余曲折の末の契約更新です。
2015年の6月9日、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は任期の最終日にルイス・エンリケとダニ・アルベスの契約延長を電撃発表し、“のび太くんもやるときはやるじゃん”との印象を与えて会長選挙キャンペーンへと入りました。その際、2017年(+1年延長オプション)まで延長された契約の中に、2016年6月5日までなら選手の一方的な自由移籍を可能とする条項が含まれていたらしく。つまりはバルサはアルベス側に、期間内に希望する移籍先が見つかった場合は自由にして好いよ、と言っていたわけです。
ユベントスからの好条件オファー
そうしてオファーに対して門戸を開いていたアルベスと代理人のところへ、ユベントスから好条件の申し出が届きました。つい先週のSPORT紙は“アルベスは残留する”と大々的に報じていますから、ユーベとの交渉は水面下で慎重に進められていたものと推測できます。SPORTが残留と確信するのですから、フロントもそう見なしていた可能性は大。しかしその陰で話し合いは進んでいました。
本日の同紙によると、そのオファー内容は金銭面でもスポーツ面でも、33歳の選手がスルーするのは無理なほどの条件だそうです。あとは挑戦者のダニですから、8年を経て、そろそろ新しいことに挑みたいと欲したのかもしれません。
MDやSPORTによると、他クラブと移籍交渉を行っている件を、バルサに報告する義務はアルベス側にありませんでした。話が具体化し固まった時点で、権利を行使して退団しますよと言えば好い。なのでクラブはこの件について、公式にはまだ何も知らされていない模様です。
一方でダニは、苦楽をともにしてきたチームメイトたちには二冠フィエスタの後、ユベントスへ行くと直接伝えたらしく。仲間たちはその知らせを驚きをもって受け止め、寂しがりながらも、戦友の決断に理解を示したそうです(SPORT紙)。
前日の記者会見で「将来のことは分からない」と言ったアルベスを、てっきりよくあるパターンのコメントと解釈していましたワタクシですが、まさかこんな話が直後に出てこようとは。
後任の確保
6月5日までなら選手側が一方的に自由移籍できる条項をクラブが何故付けたか、は分かりませんが、昨年夏は新規選手登録が禁じられていたバルサですから、アルベスにはとりあえず1年間だけでも残ってもらえれば良し、後のことはアレイシ・ビダルなりでどうにかなるだろう、2016年夏になれば選手補強も出来るし、と考えていたというところでしょうか。
当てが外れたとすれば、それは期待のアレイシ・ビダルが1年目は思った以上に競争力を持てず、ダニの牙城が全く揺るがなかったことです。そしてアレイシがポジション争いも演じられなかった以上、クラブとしては彼の穴を埋められる、右ラテラルのレギュラー選手を獲りにいかねばならないでしょう。アーセナルの元ラ・マシア選手、エクトル・ベジェリンがその有力候補だとSPORT、MD紙がともに伝えています。契約上アルベス退団は考えられたわけですから、その備えを強化部がしっかりしていたことに期待です。
正式に発表があったわけではないので、それまではまだどんでん返しもありえますが、黄金のペップ時代から8年に渡ってバルサの右サイドに君臨したクラブ史上最高のラテラルがいなくなってしまう喪失感は相当なものでしょう。時には批判をされながらも、結局誰一人として先発の座を脅かせなかった偉大な選手。いずれ訪れると分かっていた退団ですが、いざとなると非常に痛いです。
コメント
ユベントスのW引き抜きは痛いですね…
バルサの右ラテラルはメッシとのコンビネーションも必要となりますし、マスチェラーノ級のセントラルを引っ張って来るのは困難でしょう
ただ、マスチェラーノがピボーテとしてプレーを望むのであれば、応援したい気持ちもありますが…(-_-;
何はともあれ、ムードメーカーであるアルベスにも第4キャプテンであるマスチェラーノにも残ってほしいです!