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今度はテレ・マドリー。

公営放送もやってくれます。

◇ロセイ会長、断固反論

いくぶんお互い様ってところはありますが、影響力としつこさによってカタランメディアを上回っている首都系メディア。よく飽きもせず次から次へと捏造報道をやってくるものだと感心するわけですが、その最新版がこの月曜日のTelemadridによる、「グアルディオラが契約を更新しないのはピケが嫌だからだ」というものでした。これに対してサンドロ・ロセイ会長は即座に、断固とした非難コメントを発しています。「テレ・マドリーの報道は、誹謗中傷や」

このテレ・マドリーがどういったテレビ局かといいますと、マドリー自治州による地方公営放送局です。運営するのはマドリー州ラジオテレビ公社。収入の約半分ほどを州からの補助金でまかなっています。主なコンテンツはニュース番組ですが、アンチバルサ(カタルーニャ)の判りやすい放送姿勢が特徴です。

そのテレ・マドリーが今回どういった報道をしたのかといいますと、ペップ・グアルディオラが契約延長をいつまでも行なわないのは、ジェラール・ピケの今季限りでの退団を望んでいるからで、それをクラブが確約するのを待っているからだ、という内容。一笑に付すようなレベルなのですが、(うっ憤が溜まっているであろう)サンドロ・ロセイ会長はTV3(カタルーニャ公営放送)のカメラに向かってこう反論しました。

「その報道は完全にウソ。誹謗中傷や。テレ・マドリーの報道にはなんの根拠もない。このバルサでは選手の補強・放出といったスポーツ的決定権はすべてペップ・グアルディオラとアンドニ・スビサレッタが握っているんや。こういった経済危機のなかで、人々に誤った情報を伝え、事実を湾曲させ、中傷を行うマスメディアに税金が使われているのは残念やね。民間の放送局ならば理解はできる。しかし公営放送が公共のお金で中傷を行うことに私は理解できへんし、誰も理解せえへんよ。私がマドリーで税金を払う立場なら、不安になってたと思う。彼らはおそらく、私たちを動揺させたかったんやろう」

ちなみに・・・テレ・マドリーはこの”ピケかグアルディオラか、それが問題だ”というVTRのなかでメッシとピケのツーショット写真を一瞬用いているのですが、そのなかでふたりが付けている大きな青い手に対し、ご丁寧に加工を加えています。元々これはTV3がチャリティキャンペーン(La Marato)で使っていた写真で、青い手にはそのことを示す文字が書かれていたのですが、テレ・マドリーの連中はそれを消去した次第。なぜ?さあ。

◇キャンペーン奏功(の印象)

レアル・マドリーからの情報提供、としてバルサ選手のドーピング疑惑報道を行なったカデナ・コペが先日その誤りを認め、バルサに対して20万ユーロを支払うことになったのは記憶に新しいですが、マドリー発の悪意を持ったキャンペーンはそれに始まったことではありません。有名なところではAS紙主導による”ビジャラート”もそう。バルサが強いのは別の理由があるからだ!と、とにかく疑惑を生じさせる。ペップであれピケであれ、使えそうなものはなんだって大いに活用する。こういったかき乱し報道が毎シーズン、2月から3月のこの時期に決まって飛び出してくるのも不思議なものです。

彼らのデカイ声は非常に強力です。バルサメディアも「モウリーニョが崖っぷち」とか「マドリー選手にこんなスキャンダルが」とかやりますが、そんなのは首都系のスルーによってあっという間に消滅してしまいます。しかし白い連中のデカイ声は国内外に高らかに鳴り響く。このところのマドリーはそれこそ、すばらしく”ビジャラート”の恩恵を受けている印象を受けます。そしてバルサがベニト・ベジャマリンでマドリーと同じことをやったなら、全く異なった処分を受けていたことは確信します。

ペップや選手たちが「10ポイント差は審判のせいじゃない」と繰り返しているのを百も承知で愚痴ります。たしかにフエラで勝点を取りこぼし、ヨヨヨな結果を幾つも味わったのはバルサです。しかし白組さんには先日のベティス戦のようなフエラでの疑惑の勝利がいくつあったか。第13節のメスタージャ(2-3)でイグアインのハンドが取られていればPKで同点だった。第19節のマジョルカ戦(1-2)ではラスのPKが免除され、マジョルカのゴールはオフサイドで無効。第22節のヘタフェ戦(0-1)もぺぺのハンドが取られず。第25節のラーヨ戦(0-1)ではラモスが肘うち免除でPKならず、ぺぺも退場を免れた一方で、ラーヨのミチェルがまともなチャージで退場。吹かれたPKの数もバルサの3に対し、マドリーは10です(SPORT紙参照)。

バルサも微妙なハンドやらが見逃されたことは何度かありますが、こういった有利判定が幾つかなければ、リーガ優勝争いはもうちょっとばかり接戦になっていたことでしょう。それが悔しいというか、モヤモヤ爆発というか。素直に白組さんのリードを称えられないところであります。

 

その他ぷち情報

◇何故ペップのスピーチがなかったのか?

ラシン・サンタンデール戦後のペップ・グアルディオラがいつもとは少し異なっていた、というSPORT紙の記事を紹介します。それによりますと、ペップは試合が終わると毎回、ロッカールームで選手たちにちょっとした声かけを行なうそうです。よくやったと頑張りを称えたり、励ましたり、アドバイスを送ったり、時には叱ったり。傾向としては、勝ったときほど引き締めるコメントを発し、失敗したときはむしろ怒らない。そういった声かけでペップは選手たちのメンタルをサポートしています。

しかし日曜日のエル・サルディネーロでは、ミスターは選手たちに向かって、ほんの少し勝利を称えただけだったそうなのです。もちろん選手たちは、「ええっ、ミスターからの説教がなかったよ!」(推測)と驚きます。そして何故だろう?とあれこれ理由を考える。そのなかで一番有力な推論だとしてSPORT紙が挙げているのが、ベニト・ビジャマリンでのマドリー勝利にペップが”傷ついた”から、というものです。

このベティス戦はマドリーがポイントを落とす可能性が高いゲームであり、ゲームは実際に緑白チームが白チームを追い込んでいた。しかし終わってみれば結局、またも疑惑満載でのモウチームの勝利。モウリーニョによる不愉快発言もあり、声かけをする気力がなかったのだろうという具合です。

◇メッシ 「クラブにとって重要なのは僕よりもグアルディオラ」

レオ・メッシが月曜、自らが公式キャラクターを務めるEAスポーツと、彼の財団によるバルセロナ市内のスポーツセンター改築プロジェクトのプレゼンテーションに出席。あれやこれやの質問に答えています。主だったところはバルサ公式サイト、あるいはフットボルニュースサイトに取り上げられていますので、こちらではそれらで軽く触れられているだけの部分を拾ってみます。まずは審判騒動についてなのですが、彼の人柄がよく表れているコメントです。

「僕には、ここ数シーズンは審判に対して難題を押し付けてるように思える。だって彼らのことは絶え間なく話題になっているし、そういうのは彼らにとって難しいしよ。彼らのことをあまりに話しすぎるのは、試合を害することになる。僕らは何年も前からピッチ内で良いプレーをするように努めているし、首位との間に10ポイントの開きがあるのなら、それは僕たちが多くの勝点を落としたからなんや」

人間メッシについては、彼はこう述べています。「僕のことは普通の人間やと思ってほしいんや。僕はグラウンドで自分の仕事をして、その後は大事な人たちに囲まれて、ごく普通の生活をするようにしている。なにも特別なことはないよ」

ゴール量産体制に入ったことでメディアは再びメッシ絶賛モードですが、2月はどうした?という声がよく聞かれました。「僕はいつだって落ち着いてたよ。自分についてあれこれと言われていたときも落ち着いてたんや。僕はチームメイトや監督を信頼してるからね」

グアルディオラに関してのコメントは、やはりスルーすることはできません。「クラブにとって重要なのは僕よりもグアルディオラや。彼がきてからこのクラブは全てが変わって、彼はあらゆるタイトルを手にした。僕にとってはクラブの全てのプロジェクトの根幹が彼なんや。僕もみんなのように、彼がベストやと思うタイミングで残留を決めることを願ってるよ。でもそれは彼が決めることやけどね。彼がやってるようなことをできる監督を見つけるのは相当難しいやろう。バルサが今のようなプレーをしているのは、彼がそうさせていて、そう準備をし、そういうプレーを望んでいるからなんや」

ペップは先日の会見で「チームにとって重要なのは私よりもメッシ」と言い、レオは逆に「ペップが重要」と言う。バルセロニスタとしましては、どちらのいないバルサも今は想像がつきませんわい。

◇イニエスタ 「モウリーニョのことはよく知らない」

最後にアンドレス・イニエスタの話題を。ドン・アンドレスは昨日、バルサOB会による”2010/11フェア選手大賞”を受けています。これは一般ファンによる投票によって決定されていて、エリック・アビダル、ハビエル・マスチェラーノという強敵たちを破っての受賞となりました。そしてその授与式がカンプノウ内の”パリの間”で行なわれ、イニエスタは「とても光栄で名誉なこと」と感謝を表した後、いくつかの記者質問に答えています。ここ数日の定番質問である●モウリーニョ発言について ●ペップの契約延長について ●審判問題については、言うまでもなくセットです。

ペップの契約については例の如しなのでカット。モウリーニョの”ペップも所詮自分と同類”発言については、「僕はモウリーニョのことを判断するほど知らへんからね。ペップのことはよく知ってるし、彼の側にいれて幸運や。僕はよく知らん人についてジャッジはしたくない」とドンは上手に答えています。

で、審判についてなのですが、こちらもメッシと同じく、ただトラップを回避するだけでなく人柄を表していてグッドです。「物事の見方は人それぞれに違ってる。僕らは彼ら(審判)と彼らの基準を信頼せなあかんのや。審判について話したところで、結果は変わりはせえへんよ。これは重要なテーマやない。だってみんながもっと静かにしていれば、僕らはもっとフットボルを楽しめるんやからね。僕らはただ勝つことだけを考えてる」

レオとドンに諭されたことで、審判で愚痴るのは今後控えようかと存じます。最後に、バルサ8番のステキコメントをどうぞ。「僕のことは将来も、クラブやカラーを守るために熱くなった選手として見てほしい。僕はすごく感謝をしてる。バルサとカタルーニャは僕に全てを与えてくれたんや。僕のことはタイトルではなくて、人間イニエスタとして覚えていてほしい」。了解!

 

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