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スアレス IN ローザンヌ

処分減免を求めてTASに出廷。

スイスはレマン湖の北岸に位置し、国際オリンピック委員会や国際スケート連盟の本部も置かれていて、国際バレエコンクールでも有名な、なにかと国際的な都市、それがローザンヌです。こちら、スイス連邦の最高裁判所も置かれ、同国の“司法首都”だそうなのですが(wikipedia)、ルイス・スアレスの一件で最近はその名前を見ない日のないスポーツ調停裁判所(TAS、あるいはCAS)の本部もまた、この街にあります。このTASが8日(金)、いよいよスアレスの申し立てに対する判断を示すということで、クラックも木曜日から現地入り。噛み付き事件に対する処分の減免を求め、弁護士とともに供述を行います。

弁護士たちと湖畔の高級ホテルへ

ルイス・スアレスは6月24日、ムンディアル・グループステージのイタリア戦において、ジョルジオ・キエッリーニの肩口をがぶり。これが三度目のがぶりであることを重く見たFIFA規律委員会から、ウルグアイ代表での公式戦9試合の出場停止、ならびに4ヶ月間のフットボルに関するあらゆる活動の停止+罰金の厳罰を命じられました。これに対し、ウルグアイフットボル連盟とスアレス側は直ちに不服の申し立てを行いましたが、上告委員会はその訴えを棄却。ならば、と次はTASへの控訴が為され、この8月8日、仲裁機関による調停が行われるという流れです。

この件の主人公であるルイス・スアレスは昨日7日、ローザンヌへと入りました。彼をサポートするルカス・フェレール弁護士、ペレ・グアルディオラ代理人たちとともにプライベート機に乗り、バルセロナ・プラット空港を出発したのが夕方5時頃。ジュネーブで乗り換え、スイスでの滞在先となるホテル(Chateau d’Ouchy)に到着したのは、その2時間半後だったようです。

ちなみに、、、このChateau d’Ouchyは12世紀に建てられたというお屋敷を改築した4つ星の豪華ホテルで、緑に囲まれ、閑静で、目前にはレマン湖、遠くにはアルプスの山並みが見える、つまりは庶民にはまず関わりのない施設であります(こちら)。

AUF、FCB、スアレス連合 vs. FIFA

SPORT紙によりますと、今回、ルイス・スアレスは6人の弁護士たちに守られてTASへと出廷します。弁護団の内訳は、メディアによく登場しているアレハンドロ・バルビ弁護士を筆頭とした、ウルグアイ連盟(AUF)に指名をされた弁護士たちが3人と、バルサ代表の弁護士が2人。そして彼の個人弁護人であるフェレール弁護士。バルサ代表の1人は、少し前までクラブ理事会のスポークスマンを担当していた、クレにはお馴染みのトニ・フレイシャです。彼、バルサ法律部門の最高責任者なんですね。

つまり、選手の利益を守るべくTASへと処分軽減を訴えているウルグアイ連盟、バルサ、スアレス側の三者がチームを組み、処分の完遂を求めるFIFA側代表と対決。双方の主張を聞いた仲裁人による裁定を仰ぐのが今回の手続きです。スアレス弁護団は7日の19時頃、わらわらと古城ホテルへと集結。いかにして調停者たちを納得させ、FIFA規律委員会から受けた処罰を減らしていくかの戦術を練り上げています。

今回、各方面の意見を聞き、ルイス・スアレスの処分を決めるのは3人の仲裁者さんたちです。公平を期するため、この仲裁人たちもまた3者(TAS、FIFA、FCバルセロナ)が1人ずつを指名しているとか。SPORT紙によれば、バルサが指名したのはイタリア人のLuigi Fumagalliさん。あとの2人はスイス人ですが、「TASに持ち込まれる申し立ての中でもとりわけメディアの注目を集める一件につき、圧力を避けるために、出廷前の公表は控えてほしい」との理由で、氏名は明かされていません。

話し合いは8日の午前8時半から開始され、13時に終了予定のようです。

求めるのは処分期間の短縮

TASが下す裁定に関しましては、バルサは楽観的である、というのがメディアの共通見解となってます。ルイス・スアレスが重大な反スポーツ的行為を犯したのは事実であり、処罰されるのは仕方ないにせよ、罰金を支払い、代表戦で出場停止となり、クラブにおいてもフットボルに関するあらゆる活動を禁止されるのはやり過ぎではないか。チームメイトと4ヶ月も練習も出来ないなんてヒドイ。よって無罪ではなく減免を求めれば主張は受け入れられるだろう、むしろ認められない理由がない、との考えです。

これはムンディアルでの出来事ですので、ウルグアイ代表での9試合(残り8つ)と罰金に関しては、バルサはノータッチでいくとされます。クラブが求めるのは、4ヶ月の処分期間の短縮。具体的には半分の2ヶ月にしてもらうことを狙っているらしく、もし期待通りに事が運べば、8月末にはクラブでの活動は解禁となります。

そしてTASといえば仕事が早いのが特徴だそうでして、通常どおりに事が運んでいけば、来週の月曜か火曜には判決が発表される見込みだとか。なので来週中にはスアレスのバルサ入団プレゼンテーションが(騒々しく)催され、チームトレーニングにも合流できるんじゃないか、ということです。

 

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