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寒くなるスビの首元

今シーズンでクラブを去る線が濃厚。

FCバルセロナのスポーツディレクター、アンドニ・スビサレッタへの風当たりが強まっています。2014年春、一部の未成年外国人選手入団が規約違 反だとするFIFAによってバルサは補強禁止処分を課せられ、どうにかその一時保留を受けて臨んだ勝負の夏のマーケットでしたが、実行されたオペレーショ ンの多くは疑問の声が投げかけられる内容。以前よりスビの退任を望んでいたバルセロニスタの不満はさらに高まり、ついには彼を信頼していたと言われるバル トメウ会長もまた落胆し、理事会やクラブ各所の刷新と合わせ、来夏にはスポーツディレクターも交代させるとの見方が日に日に強まっています。遅くとも 2016年夏に行われる会長選挙が影をちらつかせ始めるこの冬です。

冷えている会長の信頼

夏のマーケットシーズンには、バルサの補強話が出るたび、SPORTやMUNDO DEPORTIVOのウェブページ記事のコメント欄にて「辞任してくれ!」と書き込まれていた我らのスポーツディレクター。相手クラブに足元を見られる交 渉戦術や数年先を見通せない方針によってファンの不評を買っていた彼はしかし、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長からの信頼は厚く、現理事会と彼の契約 が満了する2016年の6月までは現在の職を続けるように思えていました。

ところが最近の幾つかのオペレーションによってその会長からスビサレッタへの信頼は揺らいでおり、スポーツディレクターの交代の可能性がテーブル上に乗せられている、 と報じるのがMD紙です。実際、即戦力として獲得したはずがデビューも出来ていないトーマス・ベルマーレンであるとか、成果が怪しいドグラス・ペレイラで あるとか、中盤の補強あれこれであるとか、チームスビが行ったこの夏の補強には幾つもの疑問符がつけられました。最近の理事会においては、複数の理事が名 指しでスビサレッタに?マークを付けたそうです。

その背景には少なからず、次の会長選挙への不安もありましょう。スビのみならず、バルトメウ理事会もまた地元ファン&ソシオの人気は低く、現地スポーツ各紙の調査では今選挙を行えばジョアン・ラポルタが勝つという結果が出ています。レオ・メッシがテルモ・サーラのリーガ歴代ゴール記録を更新した際、カンプノウで流された祝福のビデオでは、スビや会長が登場すると場内から大きな指笛が鳴らされました。

2013年に出しかけた辞表

MD紙が有力筋の情報だとして伝えるところでは、スビSDはバルトメウ会長に対し、もしクラブが解任を適当だと考えるのであれば、その邪魔はしたくないとの意思を伝えている“かもしれない”そうです。

同紙によりますと、スビサレッタは2013年にもクラブに対して辞任上等の考えを伝えています。その時は彼が責任者を務めるセクレタリオ・テクニコ(強化部)のアシスタントたちの契約更新が問題となっていて、もし部下たちがクラブを去るのであれば、自分も去るとスビはサンドロ・ロセイ会長(当時)に述べていました。そしてロセイ前会長は彼の理事会の任期である2016年まで、彼らとの契約を延長したわけです。

で、現理事会メンバーにはこの時のロセイの判断は間違っていた、スビの辞任を受け入れるべきだったと考える一派があって、バルトメウ会長もまたドグ ラス獲得を巡ってセクレタリオ・テクニコのメンバーの1人が疑惑を向けられていることで、これまでは全面的に支持してきたスビサレッタSDとの距離も今は 遠ざかっている次第のようです。

いずれにしても退職か

ということで本格的な冬の到来と共に寒くなっているアンドニ・スビサレッタの首元ですが、批判は受け入れる一方で、彼にも言いたいこともあるでしょう。例えばセントラルに関してはタタ・マルティーノに補強不要と言われて獲得を見送った経緯がありますし、話をまとめていたトニ・クロースルイス・エンリケに断られたとされます。このあたり、バルサにおいてスポーツディレクターとは何ぞ?と思うところです。テル・ステーゲンやアレン・ハリロビッチ、イバン・ラキティッチの獲得は評価できる。それ以上にディレクターとして不満足な点が目立つのは事実ですが。

いずれにせよ、アンドニのバルサ時代が終わりに近づこうとしているのは確かでしょう。このMD紙の言うところが正しければ、バルトメウ理事会はおそ らくシーズン終了時点でスポーツディレクターを交代させる。スポーツ仲裁裁判所の裁定によっては、それが早まる可能性も無きにしも非ずです。自ら辞任を申 し出る、かもしれません。あるいは、もしソシオやファンが望む会長選挙が来年夏に行われることになっても、きっと別の理事会が勝って別のディレクターが来 る。どちらにしてもスビが続投することはなさそうです。

その場合気になるのは、現在スビサレッタの補佐役を務めていて、先日RFEFのスポーツディレクター資格も取得したカルラス・プジョルの今後です。彼をスビの後任に、と望む声もあるようですが、さすがにまだ現場で勉強を始めたばかりの彼にいきなりこの大役はないでしょう。でもクラブには残っていてほしいので、もしボスが交代した場合、プジの仕事がどうなるのか気になるところです。

 

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