2014年夏のチーム編成活動を振り返ったディレクター。
2014年夏の移籍マーケットが9月1日をもって終了したことを受け、FCバルセロナの強化責任者アンドニ・スビサレッタがジョルディ・メストラ副会長とともに記者会見を開き、加入・放出活動の総括を行いました。それによりますと、この夏のバルサは7人の選手を獲得し、5人を放出、さらに5人をレンタルに出すなど、全部で24のオペレーションを実行。補強に費やした総額は1億5,725万ユーロ(+出来高1,025万ユーロ)で、権利売却によって得た収入は7,880万ユーロ(+出来高350万ユーロ)。よって支出は7,845万ユーロになるとのことです。
24のオペレーションを実行
24のオペレーションの内訳は、獲得が7人(テル・ステーゲン、ラキティッチ、ブラボ、マテュー、スアレス、ベルマーレン、ドウグラス)、フィリアルからの昇格が1人(マシップ)、レンタルからの復帰が2人(ラフィーニャ、デウロフェウ)、完全移籍が5人(セスク、アレクシス、ドスサントス、ボージャン、オイエル)、レンタル移籍が5人(テージョ、デニス・スアレス、アフェライ、デウロフェウ、ソング)、契約満了が2人(バルデス、ピント)、契約解除が1人(クエンカ)、そして自主退団が1人(プジョル)となります。
移籍金等に関しては、基本的にすでに知られている情報なのですが、レンタル移籍における条件を復習するとこうなります。テージョは“貸し出し期間は2016年6月30日までで、オポルトは買取オプションを有している。FCバルセロナは最初のシーズン終了後、買取オプションとレンタル合意を無効にすることができる”。イブラヒム・アフェライは“2015年6月20日まで。FCバルセロナとの契約の最終年”。デウロとソングは普通の1年レンタル。デニス・スアレスのレンタル条件はプレゼン資料に載ってないのですが、バルサが補強を出来ないであろう来年夏、彼の買い取りオプションをセビージャに行使された場合にどうなるのかが気になるところです。
アルベスとの契約は2015年まで
この総括会見の最大の注目点は、スポーツディレクターであるアンドニ・スビサレッタによる不明点の説明にあります。スビはまず冒頭で、「これらは私たちが4月に行った熟考の成果だ。ティトが私たちに別れを告げる1週間前、タタ・マルティーノから続投をしないと決断を伝えられた時、私はアルベルト・バレンティン、ナルシス・ジュリアとバルセロナの外で会い、マーケットの状況について深く話し合った。春に始まった夏のマーケットだった」、「最初に考えたのは今季の監督だった」とコメント。
彼はその後、新加入選手を一人ずつ評価した後に記者たちの質問に応じていまして、主だったところを抜き出しますと以下のような感じとなります。うち、特別な注釈が要りそうなのは、ダニ・アルベスの契約に関するスビのコメントでしょうか。ブラジル人ラテラルの契約について、スポーツディレクターはこう述べています。
「彼の契約内容の解釈に関しては、双方で深く話しあった。そして2015年で終了になることで合意したんだ。ダニとの関係はすべてがスムーズであり、彼との間にはなんの問題も存在していない。むしろその反対で、彼がここに居ることを私たちはとても嬉しく思っているよ」「期間を延長する契約条項はない」
???なのは少し前、ダニ本人によって「バルサとは2016年で終了する契約がある」「それについては会長に訊ねてみるのがいいよ」と明かされていたからです。内容が明らかに矛盾していますが、SPORT紙によるとクラブとアルベス側は月曜日に話し合いの場を持ち、見解の相違をハッキリさせた結果がスビの説明らしく。具体的には、契約交渉中に2016年まで延長するオプション条項の話が出たけれど、実際に書面に記載されることはなく、ダニが誤解していたというオチのようです。よって彼は2015年6月で自由契約となり、7年間プレーしたカンプノウを去る。ドウグラス(とモントーヤ)にはこれからの1年で、少しでも多くのことをダニから学んでもらわないといけません。
自分たちが必要とする選手を選んだ
■チーム編成
「私たちが計画していたことは全て実行したと思う。欲していたチームを今私たちは手にしているし、私たちが選んだのは必要としていた選手たちだ。私たちがかけた電話には全て、返事はもらったよ。自分たちにとって最善だと信じる選手を、私たちは選んでいる」
「クアドラード?彼はすばらしい選手だね。私たちは彼を追っていたし、これからも追っていくだろう。だがバルサが選んだのはマテューであり、ベルマーレンであり、ドウグラスなんだ」「レンタルをして、後で呼び戻すために選手を今購入する案は私たちの中にはない。もしコケやロイスに投資をするなら、それはチームに迎えるためだ」
「自分の過去の仕事についての評価はしない。過去はどうやっても動かせないんだ。昨シーズンはあと1ゴールでリーガ優勝だった。過去の分析はとても難しいし、未来のことを考えなければならない」
■ルイス・エンリケ
「私たちは昨シーズンの終盤、活気とエネルギーを失っていて、それらを取り戻す必要があった。ルイス・エンリケはそれらが可能な上にカサのことを知り、経験があり、バルサの監督に必要だと私たちが考えた特性を全て備えていた」
■レオ・メッシ
「私は彼に敬服している。何故ならメッシはいつも、私たちの記憶の中にあるベストバージョンの時の彼自身と戦っているからね。彼は成長を続けているし、いつだってレベルにあるよ」
■ネイマール
「彼との間にはなんの問題もない。もしコメントするような状況になれば、それはロッカールーム内でする」(ピッチサイドでのウォームアップ中にファンへのサインに応じた件について)
■セスク・ファブレガス
「恥骨炎を患いながら8ヶ月プレーしていた件?私に言えるのは、バルサは彼が最良のコンディションになれるよう注意し治療していたということだけだよ。私たちはいつも彼の側にいたし、今は新しいチームでのベストを願っている」
■タタ・マルティーノ
「彼は非常に困難な状況でここへきて、すばらしい仕事をしてくれた。この挑戦を受け入れたことに、大きな価値があるんだ。タタとフットボルについて話すことで、私はとても多くのことを学んだよ。彼は私たちに人としてのレクチャーを与えてくれた」
■ムニール・エル・ハッダディ
「バルサでの将来がある選手たちに対して私たちは同じように働いていくし、ムニールの場合も同じだ。彼は大きな未来と高い競争力のある選手。これからどのように彼のキャリアをデザインしていくか、そして契約内容について、彼の代理人と話し合っていくだろう」「彼やサンドロに対し、トップチームの扉は開いている。ただし彼の今のチームは、フィリアルだ」
■カルラス・プジョル助手
「プジョルとは昨日、シウター・エスポルティーバで話しをしたよ。彼は15日から補佐としてフロントに加わることになっている。補強に関してだけでなく、トレーニングメソッドや育成部門のコーディネートなどについても私たちを助けてくれるだろう。彼は私たちにとって非常に重要な経験をしてきている。新加入選手の適応プロセスにおいても、彼は私たちを助けてくれる。レンタル選手の経過観察においても力になれるね。フットボルに関するあらゆる分野で役立ってくれるだろう」
■チェマ・コルベージャ
「チェマやギジェルモ・アモールといった人たちにアディオスを言うのはいつだって難しいさ。自分に出来るかぎりの愛情をこめ、彼らにサヨナラを言わせてもらった」
「(後任のジョルディ・デュランがジェラール・ピケの遠い従兄弟と言われる件)夏に24の変更があって、用具係について話されているのは世界でバルサだけだろうね。バルサの用具係になるためには、誰かの親戚である必要はない。必要なのは働くことと分別をもつこと、そしてクライアントの望みの先を行くことだ」
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