年間最優秀監督にはルイス・エンリケ。
我らのリオネル・メッシがコングレスハウス(チューリッヒ)にて王座を奪還しました。FIFAが毎年主催するこのフットボル界で最も栄誉があるらしい個人賞を、FCバルセロナのメッシが前評判どおりに受賞。これは2009年、2010年、2011年、2012年に続く5度目の栄冠で、歴代最多受賞記録を自らまた一つ更新する別次元ぶりです。この受賞によってレオは、現役にしてまた一歩最強レジェンドへの階段を上がったわけですが、これで終わりじゃない雰囲気がすごい。来年もまたこの会場で、ネイマールと6度目の受賞を競っていても全く不思議ではありません。最優秀監督賞は、こちらもバルサのルイス・エンリケが手にしています。
「5度目の受賞なんて信じられない」
他クラブ(特に白いところ)の選手が選ばれた場合は基本スルーする反面、応援するチームの選手が受賞した際にはとても誇らしい賞、それがバロンデオロです。去年はポルトガルの色男が「来年はメッシに追いつきたい」なんて不用意発言をし、奇妙な叫び声をあげた舞台で、3年ぶりとなる黄金のボールを手にし、控えめに喜びを表したレオ・メッシ。得票率は41.3%と、2位クリスティアノ(22.7%)、3位ネイマール(7.8%)に大差をつけての受賞でした。数ヶ月前からメッシ以外に相応しい選手はない、と言われていたとおりの結果であります。
コングレスハウスの万雷の拍手を受けながら登壇し、カカーさんからトロフィーを受け取ったレオ・メッシは、アントネッラさんや息子チアゴくん、父ホルヘさんらが見守る中、次のように喜びのスピーチをしています。
「ここへと戻ってくることは、僕にとってとても特別な瞬間です。この2年間はそちらの席から、クリスティアノが受賞する様子を見てきましたから(冗談風に)。5度目の受賞なんて信じられませんし、子供の頃には想像もしてませんでした。僕に投票した人たち、チームメイトに感謝します。彼らがいなければ、この賞を得ることは不可能だったことでしょう。この賞をチーム、家族、そして世界中で僕を応援してくれている全ての人たちに捧げます。僕はフットボルに感謝しなければなりません。僕はフットボルで酸いも甘いも経験し、それによって僕は成長し学んできました。以上です。ムーチャス・グラシアス」
そして式典とテレビ中継は終了し、続いて受賞者によるメディア対応が行われます。ミックスゾーンにてMD紙の質問に対し、世界最高選手はこうコメントしました。「自分のカサ(家)でキャリアを終えたいですし、僕にとってのカサはバルセロナ。ずっとそうあれば良いなと願っています。フットボルでは状況はめまぐるしく変化します。1年前、僕らは終わったと言われていましたが、最終的にはほとんど全てのタイトルを勝ち取った。キャリアを始めた場所で終える、僕はそう考えています」
将来のライバル ネイマール 「2位を期待していたけど…」
ヨハン・クルイフ、ミチェル・プラティニ、マルコ・バンバステン、それにクリスティアノらバロンデオロ三度受賞者たちを、これにて二つ引き離したレオ・メッシ。彼の凄まじいところは、無双状態で年間91ゴールなんてありえない記録を打ち立て、前人未到のバロンデオロ四年連続受賞を果たした2012年からさらに、フットボル選手として進化している点です。ゴール数こそかつてほどではなくなりましたが、その代わりにアシストやゲームメイク能力に磨きをかけ、2015年はIFFHSの年間最優秀プレーメーカー賞(チャビ、イニエスタの指定席だった)を受賞しています。プレーの決定力度は相変わらずで、より完成された選手となっている。受賞回数がさらに伸びたとして、なんの不思議もありません。受賞前後に彼が何度も繰り返している、“成長”、“学び”の単語が印象的です。
そこでバルセロニスタのお楽しみとなってくるのが、メッシからネイマールへの“王位継承”がいつやってくるのか?です。ブラジルの王子は今回、23歳でバロンデオロの最終候補者に入り、コングレスハウスの準主役となりました。初の赤絨毯を気楽に楽しんでいるという様子で、プレッシャーもないので終始笑顔。28歳でさらに上がっていきそうなメッシから王座を勝ち取るのは簡単ではないでしょうが、三十路のクリスティアノさんよりも若くこれから絶頂期を迎えるネイマールが、今後キングの良き競争相手になっていくことは間違いないでしょう。
そのネイくん、授賞式後のミックスゾーンにて次のようにコメントしています。
「2位になると期待してたけど、もう少し頑張らないとね。今は次のシーズンが始まってるし、再びここへ来るために全力を出すよ」、「将来のバロンデオロ受賞は目標の一つかもしれないけど、僕にはチームメイトたちとタイトルを勝ち取る目標もあるんだ」、「僕にとってメッシは世界最高の選手で、アイドル。この先もまたバロンデオロに輝くことだろう」、「人生最高の日の一つだったよ。ここにきて、最前列からレオの受賞を見れて満足だ」
数年後、野心に満ちた目でウイナー発表の瞬間を待つネイマールがとても楽しみです。
ワールドイレブン、五冠チーム 4-4 無冠チーム
年間最優秀監督賞は、こちらもバルサのルイス・エンリケが受賞しました。しかしガッツ兄貴はセレモニーには出席せず、トロフィーはロベルト・フェルナンデスが代理で受け取り。スピーチでロベルトSDは「仕事上の問題で彼がここに来られませんでして」と説明し詫びています。さて実際は、そんな華やかな場所はご遠慮しますってところでしょうか。あるいはアルダの件で酷かったFIFAが大キライか^^; 監督賞候補では2位のペップ・グアルディオラも欠席で、3位のホルヘ・サンパオリさんのみの出席でした。
FIFA/FIFProのワールドイレブンには、バルセロナからはメッシ、ネイマール、イニエスタ、ダニ・アルベスが選出。マドリーもまた同じ数の選手が選ばれてますから(クリスティアノ、モドリッチ、ラモス、マルセロ)、無冠のくせに五冠王者と同じ人数なんてアリエナイ!というのがクレとしての率直な感想です。ルイス・スアレス、ピケ、ジョルディ・アルバ(セカンドチームでイレブン選出)が受賞者たちから引けをとってるなんて思えませんし、セルヒオ・ブスケツはサードチームでようやく登場、ラキティッチなんて最後のフィフスチームですぜ(こちら)。プロ同業者さんたち、もっと二人を評価して・・・^^;。
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