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技術委員会、そしてデニス・スアレス

来シーズンのチーム計画を担う4人グループが始動。

ルーチョバルサが公式戦10連勝を決めたことで、クレのほっぺが緩んでいる12日(木)、FCバルセロナ内に新たな組織が発足しました。その名は技術委員会(コミシオン・テクニカ)。先日バルサ加入が報じられていたイタリア人スポーツディレクター、アリエド・ブライダさんを加えての、来季のチームプランニングを実行していく4人グループです。委員会はさっそくチーム計画について話し合いを始めていて、複数の名前が補強リスト上に挙がっているといわれます。FIFAによる懲罰などどこ吹く風と、その手の話題がメディアを賑わせていきそうです。

契約は2016年6月まで

新年早々にアンドニ・スビサレッタがスポーツディレクター職を解任されて以降、その後任に誰が座るのかが注目されてきました。人選の上で障害となったのは、FIFAの懲罰によってバルサが次の夏のマーケットではまともな活動が出来ないことと、同じ夏の会長選挙によって現理事会の今後が見えない(おそらくは落選する)こと。半年だけの短期の仕事を引き受けてくれるお人はそうは見つかりません。

そこでジョゼップ・マリア・バルトメウ会長はこの特殊な状況を乗り切るために、委員会の設立を決断。スポーツ部門の副会長ジョルディ・メストラ、プロスポーツセクション担当でフットサル部責任者のジョルディ・ボルダス理事、クラブ顧問のカルラス・レシャック、そして国際マーケット事情に詳しいアリエド・ブライダさんによる技術委員会(コミシオン・テクニカ)が昨日始動したわけです(ウェブ経由でのみ発表され、記者会見はなかった)。

バルサ公式ウェブの説明によると、コミシオン・テクニカの役割はバルサのフットボルを育成部門から熟知するカルラス・レシャックと、国際マーケットにおいて幅広い経験のあるアリエド・ブライダ氏の助けを受けながら来シーズンのプランニングをしていくこと。その際にはまたルイス・エンリケジョルディ・ロウラ(下部組織のディレクター)とも連係していく、とあります。四人寄れば文殊の知恵、ですな。

チャーリー・レシャック、アリエド・ブライダ両氏との契約期間は2016年6月まで。なので次の会長選挙でバルトメウ陣営が敗れたとしても、新たにやってくる理事会は両氏との契約を引き継ぎ、もし独自のスポーツディレクターを立てたい場合は契約打ち切りの補償をしなければなりません。

若手の成長株をターゲットに

1986年にACミランのゼネラルディレクターとなり、アリゴ・サッキ率いる“グランデミラン”の設計者と言われるブライダさんですが、スポーツディレクターに就任したのは2002年のことだったそうです。SPORT紙によると彼が最初に獲得した選手はセードルフネスタ。その後はバルサを去ったリバルド大聖人やカカー、カフー、ロナルド(元祖怪物くん)、イブラヒモビッチ、チアゴ・シルバ、ロナウジーニョ、ザンブロッタ、ベッカム、シェフチェンコ、ロビーニョ、カッサーノ、バン・ボメル、ボアテング、エル・シャーラウィ、メクセス、ボージャン、その他大勢を獲得。2013年にミランを離れ、昨年はサンプドリアで働いていました。

その彼が今、FCバルセロナの補強のためにピックアップしているとSPORTが報じているのが、ベラッティ(PSG、22歳)、ダニーロ(オポルト、23歳)、ディバラ(パレルモ、21歳)の3人です。昨夏から強化を狙っていた中盤と、ダニ・アルベスの去就が注目されている右ラテラルと、前線の将来を期待されている若者たち。いずれも欧州のビッグクラブが関心を抱いているとされる選手ですし、不利な条件揃いのバルサが無事獲得できるかは正直微妙だとは思いますが、、獲得の方針として、今後伸びる若手に注目しているのは賛成です。必要度でいくと、上手くいってほしいのはダニーロ。ネイマールコネクションでなんとか。

また、コミシオン・テクニカはダニ・アルベスとの契約延長問題を解決しなければなりません。バルサからは1年+1年延長オプションのオファーが提示されるであろう、というのがSPORT紙などのメディア情報。ルイス・エンリケはアルベスとの契約延長を希望していると言われていますし、そのあたりがどう影響してくるでしょうか。

先日ドルトムントとの契約を延長したマルコ・ロイスは、やはり補強候補リストからは消えかけている様子です。

デニスは夏で呼び戻す

という感じで決めていくことが山積しているバルサの技術委員会ですが、クラブとしてすでに決断しているとSPORT紙が伝えているのが、セビージャにレンタル中のデニス・スアレスの呼び戻しです。昨夏にアンダルシアチームへと貸し出した際、バルサが彼らと結んだ契約は2年間。よって契約どおりであれば2016年の夏にバルセロナへと戻ってくるセントロカンピスタですが、現在までのセビージャでの働きを検討した結果、十分にバルサでやっていけるとして次の夏での呼び戻しを決めたそうです。

もちろん契約を勝手に破ることは出来ませんので、バルサはセビージャの合意を取り付ける必要があります。契約ではセビージャにデニス・スアレスの買取オプションを持っていて、600万ユーロで彼を“買う”ことができます。一方でバルセロナには900万ユーロで彼を買戻すことができる。ただし両者の合意があれば、そのやり取りを経ずともデニスを呼び戻すことは可能ということで、バルサが経済的に補償をする形で契約を1年早く打ち切ることができるとSPORTは書いています。その2つの方法の違いは、FIFAの懲罰に接触しないためのようです。

同紙によるとセビージャはバルサからの提案を一度は拒むかもしれないけれど、バルサと争う考えはなく、ラ・マシアの別の若者(サンペール、アダマ、セルジ・ロベルトなど)を借りることで合意するのではないだろうか、とのこと。あちらのモンチSDは「セビージャとの合意なしに彼がバルセロナへ戻る仕組みはない」と語っていますが、それは合意があれば戻れるということでもあります。

ちなみにセビージャにおけるデニス・スアレスの成長具合の報告書を作成したのは、SD補佐役だった時のカルラス・プジョルだったそうですよ。

 

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