雰囲気の良さがひしひしと伝わる。
ルーチョバルサ周辺のムードが良好です。難敵アトレティコ・マドリーにリーガとコパで3連勝(計7-3)し、コパ準決勝へと勝ち進んだのですから尤もなことなのですが、それに伴ってグループの一体感も増してきているのが嬉しいかぎり。それを示しているのがアトレティコ戦の勝利後に選手たちがSNSにアップした写真で、バラハス空港のバス内でのチーム(招集された18人)が揃っての写真を、ツイッターやインスタグラムのアカウントを持つ選手たちが共通して使っていることに、なんとも言えぬ嬉しさを感じずにはいられません。百聞は一見にしかずと言いますか、チームがひとつになっているな、というのがひしひしと伝わってきます。
激動の1ヶ月を経て、一つになったチーム
しかしながら、この1ヶ月間のルーチョチームの変貌はなかなかの見事さでした。2015年はアノエタでの黒星(1月4日)に端を発したアンドニ・スビサレッタ解任とメッシ×エンリケ確執騒動(5日)でバルサはミニクライシスとなり、バルトメウ会長による夏の会長選挙実施発表(7日)を経て、いまや公式戦7連勝を受けてのトリプレッテはある!のムード。明日はどうなるか分からないフットボル界といえ、これほどまでに早く雰囲気が改善しようとは、良い意味で予想外でした。転換点となったのはやはり11日のアトレティコ戦(リーガ)での快勝と、その試合後のバルサTVでのレオ・メッシによる「すべてウソ」発言でしょう。大エースが確執報道が「地元バルセロナから出たのが悲しい」と語ったのが大きかったと感じます。
結果としてですが、このレオ・メッシとルイス・エンリケを巡っての騒ぎはチームを強くしました。おそらく、なんらかのぶつかり合いは有ったのでしょう(というか、マテューが認めた)。ただそれがメディアのネタとなり、クラブがぐらぐらと揺れたことで、チームががっちりまとまった感がある。渦中のルイス・エンリケは仕事のやり方を多少修正したともいわれますし、周囲に支えられていると感じたメッシはピッチのプレーでチームを引っ張っていきました。それに主力メンバーの固定やらメッシの右サイドやらフットボル面での好結果が伴って、今の明るい状況が出来上がった。災い転じて福と為す、ピンチの中にチャンスあり、です。
一度底を見たチームが力強く立ち上がったわけですから、この一体感はシーズンが終わるまでは揺らぐことはないだろう、と期待をこめつつも考えます。逆風が吹くことはあっても、それで崩れることはないはず。選手たちはフィジカルコンディションの良さを感じているに違いないですし、あのアトレティコを姿勢で上回ったのですから大きな自信を手にしたことでしょう。さっそく首都方面で始まったアンチ・ネイマールのキャンペーンも、それがどうした!(顔面パンチのバロンデオロのほうがよほど酷い)。バルサの勢いをあちらさんが厄介に考えているのだと、前向きに捉えます。
衝突を認めたマテュー
そんななか、余計なことを言ったのがジェレミー・マテューです。フランス人セントラルは母国のラジオ・モンテカルロ(RMC)の番組の中で、レオ・メッシとルイス・エンリケについてこんなふうに語っています。「あれは月の始めのトレーニングで、僕らがバケーションから戻ってきたすぐ後だったよ。ミニゲームの最中、メッシへのファールに対して監督が笛を吹かなかったんだ。すると突然レオが冷静さを失った。緊張感が走り、彼らは激しく言葉を交し合っていたよ。彼らは言うべきことを言い合った。ルイス・エンリケはその後ロッカールームでレオと話をしに行って、全ては解決した」(AS紙参照)
そしてマテューは「そういう状況はどこでも起こることだけど、バルサだから事が大きくなったんだよ。ある出来事に重要性を与えられるのが、バルセロナの抱えている問題だ」、「監督が緊張感を処理する方法を知っていて、全てが平常に戻ったのは良いことだよ。それに勝ち星が伴ったことが、僕らをすごく助けてくれた」、とフォローもしていて言いたいことも分かるのですが、お口が少々軽率だったのは否めません。衝突のくだりはもっとお茶を濁していいところ。これはちょっくら、ヘフェシート・マスチェラーノにロッカールームの隅っこに呼び出してもらい、静かに説教ですかね^^;
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