“ネイマール・ケース”で揺れるバルサ

理事会が検察との取引を承認。

バルトメウ理事会が昨日の通常会議におきまして、検察との司法取引を承認しました。その内容は、ネイマールのバルサ移籍の際の脱税容疑、いわゆる“ネイマール・ケース”に関して、バルサが罰金550万ユーロを支払うことで実刑を回避するというもので、クラブと検察、そして国家弁護士総局(と訳す)の間で結ばれる合意です。問題となっているのはこれによって“法人バルサ”が責任をおっかぶり、ロセイ前会長、バルトメウ現会長の責任が免除されることで、ジョアン・ラポルタ元会長は現理事会への不信任動議を求めるなど混乱の様相。バルトメウは「ソシオ総会で承認されない場合、我々は去る」と語っています。

罰金550万ユーロを受け入れる司法取引

FCバルセロナ移籍の際に然るべき移籍金が申告されなかったのではないか、脱税行為が行われたのではないか、との容疑をかけられているバルサネイマール家。スペインにおいては脱税容疑への訴追は国税当局が熱心に調べた場合に限るといわれ、その対象選択は当局のさじ加減次第です。当然、中央政府や関係官庁と太いパイプを持つ人物の意向が捜査に大きく影響することになりましょう。

メッシネイマールマスチェラーノといったバルサの中心選手にばかりしつこく容疑がかけられ、出廷・証言で騒がしくなることの影には、“黒い手(白い手)”の存在が絶えずチラつきます。レオ・メッシを脱税容疑で出廷させたマリオ・マサ国家弁護士のボスは、第一次フロレンティノ・ペレス会長時代の白クラブ幹部だったマルタ・シルバ・デラ・プエルタ国家弁護士局長。この件では検察がレオの無罪を求めているのに対し、国家弁護士は収監を要求しています。

(まあ、高額所得者が脱税するのは腹立たしいことなので、彼らはきちんと納税すべきだと思いますけれど)

いずれにせよ、この“ネイマール・ケース”に関しましては先週金曜(10日)のマドリーの全国管区裁判所にて、バルサの弁護士チームがネイマール獲得の際に移籍金の不正申告があったことを認めており、かつバルサが法人として550万ユーロの罰金を支払うのであれば、実刑は求めないとする検察と国家弁護士総局との取引に応じる構えを見せました(バルサはすでに2014年の修正申告で1,350万ユーロを支払っている)。これにて(7日に訴えられた件では?)ネイが裁判に行くことがなくなり、告訴が取り下げるなら満足すべきところ、、なのですが、話はそうすんなりとは収まりません。

ラポルタ、不信任動議提出を主張

問題となっているのはクラブが法人として違反をした罪を認めて罰金を支払い、それによってロセイとバルトメウへの求刑(それぞれ懲役7年と罰金2,515万ユーロ、懲役2年3ヶ月と罰金383万ユーロ)も免除される点です。これに対しては早速、ジョアン・ラポルタ元会長(2003-2010)とトニ・フレイシャ元クラブ理事で広報官(2010-2015)が反論。ラポルタは不信任動議を発動すべきだと主張しています。カタルーニャ・ラジオのマイクに向かい、元会長はこう言いました。

「バルセロニズモには即座のリアクションが求められる。アサンブレア(ソシオ総会)の招集を待つことはできない。総会招集まで待つことは、彼らに利することになるだろう。必要なのは取引を回避するための素早いリアクションなんだ。不信任動議を提出するか?進めていかなければならない。彼らは自分たちのやっていることを知っている。シーズンが終わり、試合がない。ソシオが動きにくい時期だ….」

自分たちが無罪となるために、彼らはバルサを使っている。それは耐えられないことだ。ソシオはバルサの名誉を考えるべきだ。最後までバルサの名誉を守らなければならない。なのに彼らは二つの脱税によってバルサが罰せられることを選んでいる」

バルトメウ「クラブにとって最善の決断」

大半のバルセロニスタにとっては、おそらくそんなに興味もないであろうこの件^^; ですが今後騒ぎが大きくなるのであれば、こちらとしてもスルーするわけにもいかないので、このまま続けさせて頂きます^^;

バルトメウ理事会は先週金曜(10日)に5時間にも及ぶ臨時会議を行いましたが、この“ネイマール協定”に関する結論は出ませんでした。そして昨日(13日)の通常会議で再びこの件を議論。約7時間の話し合いの結果、検察、国家弁護士局との取引にゴーサインを出しています。その後のジョゼップ・マリア・バルトメウ会長の記者会見での説明によると、協定は賛成14票、反対2票、欠席2名によって承認されたとのことです。

会長はこの会見にて「2011年から2013年の会計において、会計プランのエラーがあった」と認めています。これまでは一貫してクラブの不正はなかったとしてきたバルトですが、今回は落ち度があったと方向転換。当初は5,700万ユーロだと発表されたネイマールの移籍金が、実際のところは諸々含めて8,620万ユーロだったことが判明し、その諸々部分の申告が正しくなかったことが問題とされたわけですが、その理由としては「法解釈の不確実さ」を挙げた会長です。一貫して不正はないと言っていた人の違反を認める理由が“解釈が拙かった”で済むなら、苦労はしない。あまり上手な説明とはいえません。

司法取引に応じることを決めた件については、「難しい決断だったが、クラブにとって最良の決断だ」との見解を示した会長。それによってロセイと自らへの告訴もなくなりますが「私たちに責任がないからこそ、検察は私たちを免除した。私たちは悪事は行っていない。この件で責任を負うのはクラブだ」「オペレーションには多くの人間が関与しており、責任は分散している」、「道を進み続けていれば、バルサにとって最悪の結末(6,300万ユーロの罰金、実刑による収監)になっていただろう」と、550万ユーロの罰金が最善の選択だと強調しています。

そしてこの検察との協定が適切かどうかを、ソシオ総会で問うと会長は言います。「通常であれ臨時であれ、次のソシオ総会でこの方法が承認されることを求めていく。もしバルサソシオがダメな方法だと判断するのであれば、私たちは退陣するだろう

ということで“ネイマール・ケース”は、次のアサンブレアでの理事会承認投票へと流れ着いた次第です。のんびりしているヒマはないと主張するラポルタたちの動きを含め、風雲急というのはまだ大げさかもしれないですが、不穏さを増してきたバルセロニズモ。司法取引というトラップが機能したと考えるなら、その様子を見てどこかの人々がほくそ笑んでいるであろうのが、なんとも悔しいところです。ええ、それはいちクレの被害者妄想でしょうけれども。

 

コメント

  1. レト より:

    補強ターゲットはやはり争奪戦になりそうな雰囲気があり、7月を無事に迎えられるかもかなり怪しい展開になっていますね。
    今のフロントには不信感の方が強いですが、退陣するなら最後の仕事をキッチリやり遂げてほしいです。

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