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しとめ損なうと高く付く:バレンシア戦

前半で決めるべきチャンスを活かせず、同点に追いつかれた。

手にしたゴールチャンスを活用しないことが原因となって、勝てた試合で勝点を取りこぼすことが長いシーズンのうちには時々ありますが、このバレンシア戦はそれでした。特に前半、次々と決定機を作り出すバルセロナの前に、メスタージャは陥落寸前。南米トリデンテたちにいつもの決定力があれば、ハーフタイムを待たずして勝敗はほぼ決していたことでしょう。後半に入りルイス・スアレスの破壊力で先制したところまでは良かったのですが、今回は最後まで試合をコントロールすることも出来ず、終了5分前にカウンターの一撃によって同点にされたのも痛かった。攻守において最後の詰めの甘さが勝点のプレゼントにつながってしまいました。

勝っておくべき試合

年に何度かある、勿体ない試合でした。ここ最近のバルセロナの出来であれば、前半のうちに終わらせておくべき試合。トリデンテたちが手にした得点機を持ち前のパンチ力で2つほど沈めていれば、そのまま悠々と勝点3を持ち帰れていたことでしょう。明らかに内容で上回っていたバルサがバレンシアを攻略するのは時間の問題と思えただけに、勿体なさも割り増し。優勢だったチームが常に勝つわけではないのはフットボルの面白さでもありますけれど、勝てたと思えるだけに後味は苦いです。

ゴールがなかったことを除けば、前半のバルセロナのフットボルはほぼ文句なしでした。効率的にボールを回し、中央からサイドからバレンシアを揺さぶってはゴールチャンスを創出。人数をかけて守る相手を遅攻でこれだけ崩せるチームは他にどれだけあるか、といえるプレーで、守備でも専守カウンターを狙う“チェ”にシュートへ持ち込む機会すらほぼ与えない出来の良さでした。1点も奪えず前半を終えたのが信じられないほど。2点リードに出来ていれば、闘志は見せていたものの好調といえないバレンシアの士気は相当挫けていたはずです。

後半の早い時間(58分)にルイス・スアレスが驚異的な突破力によってゴールをこじ開け(わずかにオフサイドではあった)、0-1としたことで、ルーチョチームは勝ちへと近づきました。しかし1点差では何が起こるか分からないのがフットボル。勝利を確実にするにはもう1点は必要でしたし、それがダメなら試合をコントロールし続けるなどの対策が求められました。監督交代を受け、90分間非常に激しくプレーをしていたバレンシアに対し、わずかながらギアを緩めてしまったのは今更ながら痛恨。ピケマスチェラーノに挟まれながらも後方からのボールを胸でコントロールし、サンティ・ミナのゴールをお膳立てしたパコ・アルカセルは流石でしたけれど。

交代枠を全く使わなかったルーチョ

あと不思議に思えたのは、補強禁止+怪我人続出によって選手たちの出場時間が積み重なっているにもかかわらず、このバレンシア戦でルイス・エンリケが一人の交代も行わなかったことです。非常に激しいプレーが繰り広げられる現在のフットボルで、全く交代枠を使わないのはかなり異例。コウモリチームはこのバルサ戦にかなりの意気込みで臨んでおり、90分間非常に激しいプレーをしてきましたから、疲労による悪影響に備えるためにも交代は有効でしょう。選手交代ゼロなんて悪目立ちするわけで、そんな采配を敢えてするという事は、理事会あたりへのメッセージが込められているんじゃないかとメディアは勘ぐっています。

そのうちの一つが、冬のマーケットでの前線補強です。0-1では全く安心できない今回のメスタージャのような試合で、0-2にして勝負を決めようとした時、ベンチを見ても信頼十分な駒がいないのが今のルーチョチームです。ムニールサンドロを送り出すよりは、トリデンテにプレーを続けさせた方が追加点の可能性を感じるうえ、彼ら3人は途中交代を好まない。メッシスアレスネイマールを休ませられるような選手を獲ってよ、とのメッセージではないかとの憶測はできます。

また、セルジ・ロベルトがいれば駒を動かしたとは思うのですが、控えセントロカンピスタがサンペールのみの状況では、あの激しい試合では使いづらいのも分かります。バレンシア戦のベンチメンバーはテル・ステーゲン、バルトラ、ムニール、サンドロ、アドリアーノ、ベルマーレン、サンペール。新鮮な空気を送り込ませるとすれば、アドリアーノを右ラテラルか中盤に入れたり、バルトラベルマーレンを入れ、マスチェラーノを中盤に上げて守備固め、、などでしょうかか。試合終了後の会見では、この件についてのコメントはなかったようです。

ちなみに、、、SPORT紙によりますと、バルサ監督がひとつの交代枠も使わずに試合を終えたのは、1999年2月7日の敵地でのエストゥレマドゥーラ戦(1-2勝ち)まで遡るそうです。当時の監督はバンガールで、バルサの1点はルイス・エンリケだったとか(もう1点はクルィベル)。17シーズンぶりの出来事ですから、それはレアです。そして消化試合となっている水曜日のレバークーゼン戦では、ごそっとメンバーを入れ替えてきそう。

ルイス・エンリケ 「勝ちが相応しかったが、これがフットボルの偉大さ」

チームが試合を非常に優位に進め、ゴールチャンスを数多く作りながらも(特に前半)、エンパテという不満足な結果に終わったことを見届けたルイス・エンリケは、これは勝てた試合であったとの見解を示しています。

私から選手たちを非難するところは何もないよ。この困難なスタジアムでの彼らのプレーは全く申し分ないものだったからね。ただし、フットボルは今回私たちの努力に報いてはくれなかった。勝利で終わっているべき試合だった

「バレンシアの状態はとても良く、ファンからもしっかりとサポートされていた。そして2回のトランジションのうちの1つで同点ゴールを手に入れたね」

「メスタージャのピッチが悪かったとの感覚はなかった。芝は申し分ない状態だった。守備が強く、守りを固めるチームと戦うのは難しいんだ。私たちは何度も良いチャンスを手にしてはいたものの、ゴール前でいつもの精度が足りなかった

「このチームの選手たちは非常にレベルが高いし、ゴールを決めることの難しさを知っている。先制点を奪った後、私たちは勝負を終わらせようと試みたんだ。けれどもそれは叶わなかった。そして数少ないカウンターの機会からバレンシアに同点ゴールを決められた。勝つべき試合だったと思うけれど、これがフットボルの偉大さだよ」

「私にはメッシはとても良く映ったよ。試合のたびにフィジカル状態は上がっているし、ベストへと近づいている。彼はチームにとって欠かせない選手。100%に戻るには過程が要る。今はその途中だよ」

 

コメント

  1. たいがー より:

    レバークーゼン戦が消化試合なので、この試合は主力に頑張ってもらった、ってことなんでしょうか。
    「メスタージャのバレンシア」相手に全力を尽くすと交代無しになる、とw
    ベンチメンバーに「ケガ人の代役」と「お試し枠」しかいないのは問題ですよね。

  2. ロベルトかラフィーニャかアルダか、そのあたりがいればまた違ったんでしょうけどね。第4のデランテロがいないのは問題ですよね。