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毎日毎日ネイマール

ブラジル王子の契約更新の件をメディアが引っ張った一週間。

この夏のFCバルセロナは負債比率云々を定めたクラブ規約の影響により、年度が変わる6月いっぱいは大きな支出を出来ないようです。よって買戻しが決まったらしいデニス・スアレスを始めとして、公式にわいわいするのは7月1日以降。ここ1週間ほどは補強作戦における表向きの動きはなく、紙面を持て余しているメディアがネイマールの件であれやこれや言っている、そんな感じです。そこでこの1週間のネイに関する報道を、順にまとめてみました。

クラック・メディアティコであるネイマールJrに関してのニュースは、6月前半は彼のバケーションと脱税裁判の話題がほとんどでした。それが大きく変化したのは17日、フロレンティノ・ペレス白組会長と懇意でいつも余計なことを言う代理人ワグネル・リベイロが「3つのビッグクラブがネイマールの契約解除金(1億9,000万ユーロ)を支払おうとしている」とブラジルのラジオで語ってから。これに各メディアは飛び付きました。

以下、ネイマールに関するSPORTとMDの情報を順に挙げていきます。

■6月18日のSPORT “フロレンティノの友人が再び脅す”

ネイマールが2013年にバルサへと移籍した際、コミッションを得損ねたワグネル・リベイロはカタランクラブに恨みを持っており、選手とバルサとの契約延長を妨害しようと試みているとの見解。バルサとネイマールの関係は良いとして、代理人が余計なことを言いましたという論調です。

■6月19日のMD “ネイマール警報”

リベイロ代理人の言葉を受け、MD紙はPSGがネイマールへのプレッシャーを強めており、この“嫌がらせ”によってバルサとの契約更新確率は“50%”だと警告ガブリエル・ジェズスが中心で、ネイの件はスルーしたSPORTとは対照的です。

MDはまたウェブサイトにて、“もしもPSGの脅威が増し、彼がパリへ去ると決めた場合はその契約解除金で誰を獲得する?”とのアンケートをウェブで実施。結果は断トツの得票率53.7%でユベントスのディバラ(5,056票)がトップとなってます。ちなみに2位はポグバ(11.31%)という意味不明なことに。

さらにMDウェブでは、ネイマールのカステイデフェルス(メッシスアレス家の近所)の新居工事が止まっていて、憶測を広げる要因になっているとも伝えています。序盤のMDはとことんこういう具合でした。

■6月20日のSPORT “ネイマール獲得は不可能”

危機感を煽るMDに対し、SPORTは反論します。それはPSGであれ他のクラブであれ、ネイマールの契約解除金1億9,000万ユーロを支払うとUEFAのファイナンシャル・フェアプレーに違反する。さらに税金やら年俸やらを全部合計するとオペレーション総額は5億ユーロにもなり、実行するのは不可能だろうというもの。PSGやマンチェスターの動きは将来の獲得へ向けた戦略的なものだろうとの見解で、バルサもネイ側も落ち着いており、7月に契約更新は成されるだろうと伝えました。

一方でMDは、PSG、ユナイテッド、マドリーのエージェントがブラジルへ赴き、バルサとの契約延長を止めようとしていると説明。前日ブラジルへと派遣されたフットボルディレクター、ラウール・サンジェイの任務はバルサ残留へとネイマール家を後押しすることだとし、アンドレス・イニエスタの「ネイが残るほうに賭けるよ。彼はここで満足している」とのコメントを紹介しています。

■6月21日のSPORT “金持ちになりたいのか?それとも幸せになりたいのか?”

ネイ残留に楽観的なSPORTの論調に大きな変化はありません。ただ、この21日は“バルセロナとネイマールの間には完全な合意が存在している”としつつも、他クラブからの巨額オファーがクラブ内に懸念を生じさせているのも事実であると説明。“バルサでは得られないお金か、フットボルをプレーする幸せのどちらを選ぶのか、ネイマールが決めなければならない”とのクラブ筋の言葉を取り上げ、クラブは彼がフットボルの喜びを選ぶと確信していると述べています。

(SPORTウェブの方では、“ネイマールの後任クラック”なる記事も登場。印刷版とウェブ版では若干ながら雰囲気が異なっています)

MD紙も同様に、バルセロナはネイマールの残留の意志を信じているという記事。MDは最初ほど悲観的ではなくなっています。

■6月22日のMD “ネイマール退団の際のプランBはディバラ”

ブラジル人王子が契約延長に近付いている、とする一方で、もし退団の場合はディバラが後任として理想的だとするMD。この日はスペインがクロアチアに敗れた翌日につき、ネイマールの件はあっさりした扱いです。

SPORTもラ・ロハが大変だとするユーロ2016関連の記事が大半で、ネイマールに関しては特に進展なし。ブラジルに派遣されたラウール・サンジェイとブラジル方面を担当するアンドレ・クリー代理人がネイマール一家と良い具合に意見交換しており、クラブ内に芽生え始めていた不安は消え始めていると述べています。そしてネイマールは今週、もしくは7月初めに新しい契約書にサインをするだろうと結論付け、横槍は入ったもののバルサとネイ家の関係にいささかの変化もないとしています。

またMDとSPORTの両方で、FCバルセロナが契約更新の最後のオファーとして年俸1,500万ユーロを提示したとの記事も。クラブはネイがいずれチーム最高の高給取りになると考えつつも、それはレオ・メッシが王の座を譲ってからで、PSGのオファーに対抗する考えはないという内容です。

■6月23日のSPORT “バルサとネイマールの会合はこうだった”

よくも毎日続いているもんだと思うネイマールの契約更新の件。さすがに6日目ともなるとネタが枯渇してきますので、この日のSPORTはブラジルに派遣されているバルサ特使たちとネイマール家の数日間の話し合いがどんな様子だったかのレポートとなっています。

それによると、2011年以来ネイマール・ダ・シルバ・サントス家と非常に良い関係のラウール・サンジェイたちは家族のように受け入れられており、一家がバルサやチームメイト、バルセロナの街と完璧なハーモニーを感じていることが、契約更新へのバルセロナの最大の武器だとのこと。ネイマール父もバルサが富豪クラブと経済面で競えないことは入団当初から知っており、裁判問題が解決することがネイの最後の迷いを消す助けになるだろうとしています。

ちなみにファンやチームメイトには“ネイ”の愛称で親しまれているクラックですが、家族やごく近しい人たちは生まれた時から彼を“ジュニーニョ”と呼んでいるそうです。

■6月24日のSPORT “契約更新のために、DISとの訴訟を終わらせることを求める”

そして最後に本日24日ですが、レオ神の聖なる誕生日ゆえ、ネイマールの件は続報程度。バルサとの契約を更新する条件としてDIS社との裁判を決着させることをネイマール側が挙げたとSPORT紙が言い、そんな事実はないとMDウェブが反論しているところです。

DISはサントス時代にネイマールの保有権の40%を持っていた投資会社で、ネイのバルサへの移籍金が当初の発表よりも多かったのであれば、自分たちの取り分ももっと増えると主張してバルセロナとサントス、ネイマール家を告発。スポーツに専念するためにはこの問題を終わらせることが不可欠と考える選手側がバルサに対して問題解決を求め、クラブがそれを受け入れた、バルサの法律部門が近々ブラジルへと向かい、DISと話をする予定であるとSPORTは記しています。スペインでの裁判は検察との司法取引で決着する見込みですから、このDISとの問題が解決すれば、ネイマール家はようやく訴訟から解放されることになります。

一方でMDウェブはクラブ筋の情報として、ネイマール一家が契約更新の条件としてDISとの合意をバルセロナに求めたりはしていないし、クラブの弁護士がブラジルへ向かうこともないと真っ向反論。さて、どちらが当たっているのでしょうか。

ということで長々と書いてきましたネイマールの契約更新ですが、結局のところはメディアの自作自演といいますか、ワグネル・リベイロの発言に乗っかれるだけ乗ってみたという印象です。なので7月に入れば、割とあっさりと最終合意に達するのではないかと期待。合意が遅れている理由がどこにあるのかは、結局外部にはよく分かりませんが、今回は裁判云々が影響してそうな気がします。

ただ、父ちゃんがお金に関心がないようには見えませんし^^; 来年か再来年か、似たような契約延長騒動は繰り返されることでしょう。ブラジル人メガクラックが円満にバルサ生活を終えるのは至難の業です。

 

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