レスター・シティ戦では初得点を記録。
プレシーズンのお楽しみの一つは、普段はなかなか見る機会のないフィリアルやフベニールに所属する若者たちのプレーを割とじっくりと見られることです。この夏は12選手がセント・ジョージスパークのステージへと参加し、先日のレスター・シティ戦では9選手が出場。トップチーム選手たちが夏休みを終えるにしたがい、若者たちも徐々に若大将ジェラールの元へと戻っているのですが、マルロン・サントス(セントラル)、ファン・カマラ(左ラテラル)、ラファ・ムヒカ、ヘスス・アルファロ(デランテロ)の4選手はどうやらプレシーズン終了までエンリケの指揮下でトレーニングを続けることになりました。4人には聖地ウェンブリーやカンプノウでの出場チャンスがあるわけで、それは彼らにとって得がたい経験となることでしょう。
プレシーズンの最後までトップチームで
プレシーズンをトップチームと一緒に過ごす若者たちにとっては、シーズン開幕までエリート選手たちとトレーニングを続け、親善試合に出場し続けることがまず第一の目標となります。トップチームの選手編成など運の要素もありますが、そこらも含めての実力。今回その目標を達成した4人はルイス・エンリケの評価を得たことを誇りに感じているでしょうし、もっと大きな夢の実現に向け新たに気合を入れ直していることでしょう。最後までチームに残った選手には割とシーズン中にもお呼びがかかることが多いですし。
一方、4日をもちましてバルサBへと戻っていったのは、ホセ・スアレス(ポルテーロ)、ホセ・マルティネス(セントラル)、ニリ・ペルドモ(左ラテラル)、カルラス・アラニャ(インテリオール)、アレックス・カルボネル(デランテロ)の5人です。
21世紀の最年少ゴール記録 5位
ラファ・ムヒカはさらに、親善試合ながらもトップチームで得点デビューを飾ることにも成功しました。セルティック戦は約30分、レスター戦はわずか13分ほどの途中出場ですから、これはなかなかの効率の良さです。記念すべきその初ゴールは、エリア中央に入った自分の前に来たこぼれ球を右足で止め、左足で思い切りよく蹴り込んでのもの。ムヒカはいわゆる“持っている”選手かもしれません。外野としてはそう願います。
このカナリア諸島出身のデランテロは現在まだ17歳です。正確に言えば、レスター戦の時点で17歳9ヶ月4日。SPORT紙によるとこれはバルセロナにおける“21世紀以降では5番目に若い初得点”となるそうで、ランク2位は2007年4月に16歳7ヶ月25日でネットを揺らしたボージャン・ケルキック、そして3位は17歳と25日(2004年7月20日)で決めたレオ・メッシ。4番手に17歳2ヶ月17日のジョバニ・ドスサントスが続き(2006年7月28日)、ムヒカは17歳9ヶ月4日で5位となります。ただしこれは親善試合を含む記録なので、公式戦では17歳1ヶ月20日のボージャンが最年少ゴール記録保持者です。
(親善試合を含めた21世紀最年少は2009年11月、トップチームとバルサBがシウター・エスポルティーバでボリビアと対戦した合同練習試合においてPKを決めた16歳7ヶ月7日のジオ・チャントゥリアと)
「言葉では言い表せない」
12-13歳からラ・マシアの門をくぐっていたボージャンやメッシとは異なり、UDラス・パルマスに所属していたラファ・ムヒカがバルサに入団したのは2015年5月、16歳でのことです。マジョルカで行われていた大会にカナリア諸島選抜として出場する彼を見たガルシア・ピミエンタが、是が非でも獲得すべきだと評価してクラブが契約を交わした選手。バルサ入団前の目標はレバンドウスキ、現在はルイス・スアレスを見習っているというデランテロですから、そのスアレスにツイッターで初得点を祝福されたことは堪らなく嬉しいでしょう。
ムヒカにはもう一つ、応援したくなる要素があります。それは彼が入団した2015年夏、バルセロナはあのFIFAとかいう組織の制裁を受けていたことで、若きデランテロがガブリ・ガルシア率いるフベニールAで試合に出場できるようになったのは、トレーニングだけの5ヶ月を経た2016年1月であること。そこからはエスパニョールとの“フベニール・デルビー”で2得点をあげたり、バルサBでのサバデイ戦でセグンダB得点デビューを飾るなど、才能を示しているようです。
レスターとの試合後、ムヒカはバルサTVのインタビューにこう答えています。「世界最高の選手たちと一緒にいる時の感情は、言葉では言い表せないよ。フットボル選手にとっての子供の頃からの夢さ」「ゴールは運が証明されたね。決まるのを見た時は信じられなかった」「トリデンテ?彼らは世界最高のデランテロだよ。トレーニングでは彼らをずっとお手本にしてるんだ。食事をする時まで彼らを真似ようとしてるくらいさ」さわやか…!
ということでラファ・ムヒカがこのレスター戦の一発に終わることなく、これからも成果を上げ、いずれはトップチームに上がってくることを期待するところです。ボージャンやメッシとは比べられずとも、カナリアの先輩ペドロのように昇ってきてくれれば嬉しい。バルサのデランテロが成功するための道は極めて厳しいですが、、ファイト!
ちなみにラファ・ムヒカは8月11日から18日にかけてレオンで開催される国際大会へと参加するスペインU-19代表に招集を受けたということで、ルーチョチームをもうすぐ離れることになるようです。10日のガンペル杯は出場できるかな?
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