契約終了が近づきながらも、更新オファーのないカンテラ選手が複数いる
同様の状況は以前からあり、目新しいものではない
FCバルセロナが世界に誇り、また他クラブの青田刈りの場ともなっている育成組織ラ・マシア。近年ではアンスやガビを輩出した一方、数多くの若者たちが様々な理由で去っているわけですが、、きらきら星たちが去る理由の一つにはクラブの扱いってのもありまして。今季も7人の期待株の契約が危険な状態になるのだそうです。
カンプノウへの道は険しい
世界有数のエリート選手たちが集うFCバルセロナで、カンテラーノたちがプリメールエキポ(ファーストチーム)まで昇り詰めるのは容易ではありません。
優秀な若手は毎年現れど、プリメールエキポに定着できるのはほんのひと握り。最近はアンスとガビ、アラウホ、それにバルデが地盤を固めつつありますが、その前は、というとセルジ・ロベルトまで遡るのです。これは2014年にFIFAから食らった地獄制裁にバルトメウ理事会のお粗末さが加わった結果と思っています。未来だと言われた、UEFAユースリーグ優勝世代も結局残らず。。
抜きん出た才能でなければ、カンプノウでは通用しない。カンテラーノだからという理由だけで優遇する必要もない。それは十分に承知しているつもりです。
とはいえ、メッシ、イニエスタ級ではなくともペドロやバルトラのような若手は育ててほしいと思うわけで。右ラテラルが足りないからマーケットで、みたいなのが延々と続くのはなんだかな、と萎えます。
で、6月末にて11選手がごっそりと退団になったバルサ・アトレティクにおいて、フベニール年代ながらもラファ・マルケスに起用されている選手たち7人が契約切れまであと半年になろうかというのに延長交渉が未着手、もしくは雑に扱われているという。残念ながら、よくあることなんですけどね・・・。
若者の夢
大きな未来ある若手選手たちの契約が放置されたままだぞ、と報じるのは12月14日のSPORTです。
曰く、“危険”な契約状況にあるのはビクトル・バルベラ(16試合で11得点の9番)、イリアス、アラルコン、アレイシ・ガリード、アンデル・アストララガ、アレックス・バリェら7人です。
ほとんどが2004年生まれの18〜19歳で、フベニールAとバルサ・アトレティクを行き来している期待株。チャビチームのトレーニングに呼ばれたという報せをたびたび目にします。
そんな彼らはいずれも2023年6月末で契約満了となるのに、いまだクラブからの更新提案なし、もしくは笑えるような条件提示になっているらしく。自由な移籍交渉が解禁になるまであと2週間なのに、更新オファーすら出していないのは、放出OKってことですよね。
これと同様のことは、昨年のチャディ・リァド(左利きセントラル)やマルク・カサド(ピボーテ)にも起こっています。リァドはマジョルカ生まれながらも、ムンディアルで旋風を起こしたモロッコのU-23代表。カサドと共にBチームの先発選手です。
そんなプリメールエキポ昇格も十分視野に入るこの二人との契約更新が発表されたのは、それぞれ2022年7月4日と5日。7月に入ってからなんですよね。。。
(思い返せば、前述のUEFAユースリーグ優勝メンバーたちの多くもぎりぎりでの更新でした)
カンテラーノたちとの交渉においては、バルサはまずかなり低めのオファーを出して様子を見る傾向にあります。ぎりぎりのところまで条件を上げない。それで退団をする選手もいますが、それはそれで良しとして、他クラブのオファーを断って待った選手と更新するのです(リァドにも誘いはあった)。バルサでプレーしたいと願う若者たちの夢を利用している。それでも残る若者たちは信用できるとも言えますが。。
でプリメールエキポまで上がっても、クラブ愛のあるカンテラーノは安く使われがちと。
ヤマルは例外
フベニール年代(U-19)にしてフィリアル(Bチーム)に上がってくるようなエリート選手であっても、突出した才能や資質がなければカンプノウで成功するには至らない。それは過去の山のような例が示してはいます。デビューしつつも夢破れて去っていった選手は数知れない。ガビくらいの輝きが必要なんです。
とはいえ、クレなのでこの手のニュースには寂しさも感じてしまう。
そして感情面のみならず、近年はどこのクラブも育成部門の重要性が増しています。左ラテラル補強の件が落ち着いたのも、バルデが現れたからだった。変に“バルサのDNA”を持った外部選手を獲っても、定着する気がしません。アルベス級なら別ですが、、市場を探しても迷走しますよ。
カンテラーノをもうちょっと育てるための、なんか別のやり方はないものでしょうか。
SPORTによると、クラブの方針としてフベニール年代の子たちは平等に扱うべきであり、契約や飛び級など特別扱いはしないというのがあるそうです。なので他のビッグクラブの引き抜きには弱い。早くプリメールデビューしたい子などは、移籍した方が可能性は広がります。
そんなバルサでも、絶対に引き抜かれたくない別格のきらきら星には相応の対応をする。これアタリマエ。
今ならラミネ・ヤマルです。超新星と評価される彼の確保にはマテウ・アレマニも気合を入れていて、16歳を迎える2023年7月13日にプロ契約を結ぶ準備を整えている模様です。明らかなクラック候補生は、クラブも丁寧に扱います。着実に成長していってくれれば満足。“その時”を楽しみに待ちましょう。
セルヒオ・ブスケツの後継者も、ラ・マシアから出てくるまでは迷走すると思うのです。ペップが見出すまで、注目されていなかったセルヒオ。クラブが粗末に扱うカンテラーノのなかに、同様の逸材がいたりはしないんですかね。もやもや。
コメント
テナスの契約状況も心配です..
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