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デニス・スアレス、古巣対決を前に

シティ戦でチャンピオンズ初出場なるか。

FCバルセロナのトップチームには、今季まだチャンピオンズで出場していないフィールドプレーヤーが2人います。1人はそう、ルイス・エンリケのダメ出しを受け続けているアレイシ・ビダル。もう1人が少々意外で、先日のグラナダ戦では先発起用されるなど監督に信頼されていながらも、これまでの欧州戦3試合では出番に恵まれなかったデニス・スアレスです。しかしアンドレス・イニエスタが負傷したことで、おそらく年内いっぱいは左インテリオールが空席に。競争はなお厳しくはありますが、ガリシア産セントロカンピスタが古巣シティ相手に起用される可能性は十分あるでしょう。

マンチェスターでの2年間

明日のマンチェスター・シティ戦に、ルイス・エンリケはおそらく鉄板イレブンで臨むものと予想されます。カンプノウでの前節はマスチェラーノの右ラテラルというサプライズがありましたが、怪我人多発の今回はデフェンサは特に選択肢がなく。唯一不明なのが、イニエスタの代役を誰が務めるかで、アルダ・トゥランラフィーニャデニス・スアレスアンドレ・ゴメスの4人はみな可能性がありそうです。本命はアルダ、対抗は最近ノッてるラフィーニャかと思いますが、こちらではデニス・スアレスに注目してみましょう。

デニスくんにとって、マンチェスター・シティは古巣チームの1つです。セルタ・デ・ビーゴのBチームを離れ、イングランドへと移ったのが17歳。それからバルサが引き抜くまでの2年間、彼はシチズンの選手として修行に励みました。かつて所属した選手がライバルとして戻ってくる時、取材されるのは一般的ですから、今回もデニスに対し、マンチェスターの一般紙 The Guadian がインタビューを実施。セントロカンピスタがその当時の思い出やバルセロナの選手となった今のことなどを語っています。

デニスはまず、シティについて「僕が入った時はイングランドの1クラブだったけど、今ではグローバルなクラブになったね」とコメント。英国での最初の日々が簡単ではなかったと述懐しました。

「入団してすぐ、僕はトップチームと一緒にアメリカ合衆国に行ったんだ。マンチーニ(監督。当時)は僕がトレーニングにいてすごく嬉しいと言ってくれたよ。そして彼は僕に、“キミは今年プレミアリーグでデビューすることになるだろう、キミは私たちにとって良い選手となれる”と言った。でもプレシーズンが終わって、フィリアル(シティのU-21チーム)に行ったら、そこの監督(アンディ・ウェルシュ)は僕のことを知らず、僕はほとんど試合に出ることもなかった

「僕はそれが理解できなくってね。僕のポジションでは身長2mの選手がプレーをしていたんだ。その理由は、彼のほうが強かったからだよ」

「僕はシティのスペインでのスカウトだったダビドやガリー(クック)、ブライアン・マルウッドのところへ話をしに行って、もしこの状況が変わらないのであれば、残りたくはないと彼らに言った」「それから、状況は劇的に変化をしたよ。プレーをしたのはフィリアルだったけど、トレーニングはトップチームと一緒にし続けたんだ。初年度は良い1年となった。マンチーニの下でリーグカップでデビューをしたし、リーグのスカッドにも(何度か)入ったりもした。そして2年目が始まった時はチャンスがあると思っていたけど、怪我をしてしまって、だからすばらしい年とはならなかったよ。ペジェグリーニが来たことで、僕は退団を決めたんだ」

バルセロナに戻ると感じていた

10代の小僧が“こんなのは話に聞いてない”と直談判に行くなんて、下手すればさらにひどい状況になる可能性もあったわけで、デニスくんはなかなか大胆なところがあります。話を聞いたシティも寛大といえるでしょう。しかし前述のとおり、19歳になった彼は英国を去る決意をします。移籍先は2年前から声をかけていたバルセロナ。そこからはバルサBで1シーズンを過ごし、セビージャ、ビジャレアル、再びバルセロナと1年ごとにチームを渡り歩く3年間でした。

「難しかったのは(最初に)家を出ることだった。それと比べれば、後のことは簡単なものだよ。バルセロナを離れてからは、また戻ってくるといつも感じていたしね。今僕はここにいるし、トップチームで居場所を確立したい。何年もここにいて、タイトルを勝ち取りたいと思ってるよ」

バルサのフットボルはポジショニング

元バルサのチキ・ベギリスタインフェラン・ソリアーノは、ペップ・グアルディオラを招聘するなど、バルセロナと共通項の多いチームを作ろうとしています。それについてデニスは、「バルサはどのクラブにとってもロールモデルだからね。誰もがバルサのようにプレーをしたがっている」とコメント。バルサの哲学については、次のように説明しました。

バルセロナのプレーはポジショニングなんだ。全員が自分のポジションを大事にしていて、誰かがボールを持った時は、2人の選手がトライアングルを作ってパスコースを提供する。ボール保持者には常にパスを出すコースがある」

「それが僕らのフットボルだから、ここでプレーをするためには、選手はポジショニングを大事にしなければならないんだ。もしそういったポジショニングを守るのなら、(出場の)可能性を手にする。僕がバルサBに入った時、僕はピッチのどこにでも顔を出していたんだ。するとエウセビオ(監督)が僕を捕まえて、ピッチを幾つかの四角に分けてこう言ったよ。“お前のアクションゾーンはここだから、リラックスしてそこにいろ。ボールはやって来る。だからボールを求めてさ迷う必要はない。ボールは来るから、そこからお前はプレーをしろ”ってね」

「(ピッチを指でなぞりながら)バルサはどの選手もすばらしくて、セントラルもここまで出てくることができる。そしてここから、そのセントラルはパスを出せる。だからセントロカンピスタが深く降りていってボールを貰う必要はないんだ。良いポジショニングをして待っていれば、ボールはやって来る。そうすることでフットボルはより簡単になるよ。ここでのロンドを見れば、ボールがすごく速く動く様子が見れるさ。速く動くべきはボールだ。繰り返し練習することでスピードは速くなるし、パスをする前に動くことを学ぶよ」

そのセントロカンピスタとしての最高のお手本が、デニスくんの憧れるアンドレス・イニエスタです。バルサの6番曰くドン・アンドレスは「時々まるで芝生の上に浮かんでいるように見える」。いつかは彼もその境地に達することが出来ますかどうか。期待してますヨ、爽やかデニス

 

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