自分は成熟した、とバルサ不動の4番。
バルセロニスタが落胆のため息をついたマラガ戦(0-0)において、ひっそりとFCバルセロナでの公式戦400試合出場を達成したのがセルヒオ・ブスケツです。ペップ・グアルディオラの手によって、リーガ第2節ラシン・サンタンデール戦でトップデビューしてから8年と2ヶ月。すでにピボーテの第一人者と成って久しいセルヒオは、この偉大な記録を祝って出演したバルサTVの番組 Hora B のなかで、この400試合にまつわるあれこれを語っています。ブスケツ曰く、「僕は成熟し、チームが望むことや求めることが分かる」。今ではチームの第3カピタンにも選ばれ、すっかりと円熟味を増したセントロカンピスタです。
ピボーテとして進化
バルサの歴代試合出場記録でトップに立つのは、ご存知チャビ・エルナンデスの767試合です。これにアンドレス・イニエスタの602試合、カルラス・プジョルの593試合と続く。そこからミゲリ、メッシ、バルデス….と名選手たちを挿み、セルヒオ・ブスケツの400試合出場は歴代11番目となります。
「この数字に到達したことをすごく嬉しく思ってるし、これから増え続けていくことを期待してるよ。ランキング首位のチャビに近付ければいいね」「それは僕が偉大なことをしているということでもある。チャビの数字はまだ遠いけど、これからもこの400試合のようにすごく良いものとなってほしいね。ここにいられて光栄だよ。こういうキャリアになることを僕は望んでいたし、これが続いていくこと、そしてこれまでのようにすごく良いキャリアとなることを期待してる」
20歳でデビューしてから8年余。自分は熟れた選手になったとセルヒオは言います。「今はずっと大人になったね。どのような時でも、チームが自分に求めるものを僕は分かっている。それでも時々はどたばたした試合になることは避けられないし、そうなると僕にはコントロール出来ないけれどね」
「バルサのスタイル、それにフットボル全般は大きく進化をしてきた。4番のポジションにしてもそれは同じなんだ。このポジションが進化するなかで、自分が一歩前進したと思っているんだ。今は以前よりもたくさんの仕事を求められるからね」
「僕のプレーする場所は、上手くいっている時はあまり話題にならず、ダメな時はよく目立つ。ひとつのエラーがゴールチャンスに直結するポジションだ。それはプレッシャーだけれど、ごく自然にこなさないといけない。僕らはいつもリスクを背負ってプレーしている。でもそのプレースタイルは、最終的にはネガティブなことよりもポジティブなものをもたらしてくれるんだ」
身体が音を上げるまで
その進化したピボーテでレギュラーとして試合に出続けるのは、並大抵のことではありません。「最大限のものが求められるからね。身体が持ち堪えられるまでは、ここでプレーを続けていくだろう。過密日程によってトップレベルで競えなくなった時、あるいは身体がもうダメだと言う時は、ここを去ることになる」。ブスケツとバルサとの契約は2021年まで。2023年までの延長オプションが満了すれば、彼は35歳です。
フットボルのエリート選手として長年一線に立ち続けられる秘訣を、セルヒオはこう説明しました。「フットボルに生き、身体に気を配り、きちんとした食事を取って、しっかりと休み、そして怪我に見舞われない幸運を手にすることだよ。これまで僕はほとんど怪我に苦しんでこなかったし、筋肉系の怪我はほぼ無かった。離脱した期間も短かったしね。あとは監督たちの信頼だ」
監督の信頼といえば、セルヒオはグアルディオラやデルボスケ、ヨハン・クルイフら名指揮官たちから惜しみない賛辞を受ける選手です。「監督たちは僕を高く評価してくれてるね。それはタイトルではないし、個人賞でもないけれど、僕はすごく嬉しいんだ」
偉大な先輩たちに恵まれたこと
稀代のピボーテはこの400出場で一番心に残っている試合を、ラシンとのデビュー戦だと言います。「引き分けで、勝てなかったけれど、あれから道が始まったからね」「あの日は神経質になっていた。自分が試合に出ることは前日から知っていて、身体を休めようと頑張っていたんだけれど、試合が近付くにつれてますます神経質になっていってね」初出場の20歳なのに、やけに落ち着いていると感じたように記憶しますが、少なくともキックオフまではナーバスになっていたわけです。そこからはとんとん拍子でした。
「毎年、少し良くなることや、もう少し安定した選手となることを目指してきたよ。レベルは高かったけれど、自分がそれを成し遂げてきたと僕は思ってる」「バルサのエッセンス(真髄)はチーム、グループだし、最高のチームメイトたちに囲まれていたことが僕の強みだった。アンドレス・イニエスタやチャビのような選手が隣りにいるのは、保証のようなものだよ。僕は多くのことを学び、僕らは多くのことを共有した」
そして。「8シーズンで6度リーガを制するのはすごく難しいことだし、この流れが続いていけばいいなと僕らは思っている。僕は試合に出続けてきたし、大一番でも出場してきた。それは恵まれたことだよ。誰も想像しなかったほどに、僕らは勝利を手にしてきた。それでハードルをすごく高くなったけど、これまでのように続けていきたいね。フットボルは難しいものだけど」
雑草的な匂いの漂うセルヒオですが、彼の父カルロスさんは元バルサのポルテーロでした。「子供の頃から、父がプレーしていたバルサは僕の人生だった。僕がバルサのフットボルバセ(下部)に入った時、周りの子たちよりも年が上だったんだけれど、僕はいつも、これが自分の夢だったと思っていたよ。難しいのは知っていた。でも子供は夢を持つものだからね。ポルテーロ?全くなろうと思わなかった。僕は好きじゃなかったんだ」
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