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ネイマール獲得のためにPSGがバルサに求めること

クラブ間交渉による移籍の形を取りたい。

USAツアーも終盤に入り、残す試合も29日(土)のレアル・マドリー戦ひとつとなりました。しかしネイマールの移籍問題が騒がしすぎるため、ほとんど話題になっていないバルベルデバルサの試合内容。今日もメディアは選手がPSGと完全合意したらしいぞ、バルセロニスタは彼の振る舞いに腹を立てているぞ、との話で盛り上がっています。SPORTのウェブ調査では、91%の投票者がネイの態度を不快に感じているそうです。

仏方面で“完全合意”の報道

そういった情勢を受け、これまではネイマールは残留するだろうとの方向でこの件を扱っていたMD紙もついにその主張が危機的状況であることを認める記事を出すようになりました。権威ある仏L’EQUIPE紙が“PSGとネイマールが完全合意”と報じたことで、もう認めざるを得ません。

そのL’EQUIPEによると、PSGのネイマール引き抜き作戦で残された問題は、2億2,200万ユーロの契約解除金をどうするか、その一点だそうです。彼らが求めるのは、ネイマールの移籍が契約解除金の支払いによるものではなく、両クラブ合意の移籍の形にするのをバルサが受け入れること。そうすることにより、PSGは税金を節約できるからです。

契約解除金による移籍は税金が多い

L’EQUIPEを訳したMDの説明では、バルサとの契約を解除するためには、ネイマールが2億2,200万ユーロの契約解除金を支払わなければなりません。しかし、この額を契約書を供託してあるLFP本局に入金するためには、前もってPSGがネイマールの口座に入金をしておく必要がある。そしてネイマールがこの額を受け取れば、フランスの国税局から納税の義務を課されるのは彼になるそうです。

そしてフランスの国税局はこれをネイマールへの給料前払いだと考えるので、彼が2億2,200万ユーロを納めようと思えば、PSGは税金分を加算した約3億ユーロをネイの口座に振り込まなければならない。PSGはこのコストを減らしたいと考えているので、クラブ間交渉によるバルサへの直接支払いにしたいということです。

これと同様の話がハンドボール選手の移籍であり、仏代表ニコラ・カラバティッチがFCバルセロナからPSGに移籍する際、パリクラブは1億ユーロの契約解除金の代わりに1億2,000万ユーロの移籍金を支払って獲得したのだそうです。ネイマールでいけば2億2,200万ユーロ以上の移籍金を支払うので、交渉を受け入れてくれという話です。

バルサは現在、ネイマールは移籍不可選手ゆえにいかなる交渉も受け入れないとの姿勢を取っています。そこで収入を増やすためにPSGの要求を呑むのかどうか、の決断ですが、交渉を受け入れることはクラブとして売却を肯定することになります。金銭的なメリットはあるにせよ、戦略的に育ててきた未来のエースを引き抜かれるのに交渉なんぞ出来るか、と突っぱねるほうがクラブとしては正しいでしょう。

ネイマールに対する怒り

そしてネイマールに対する怒り」と28日付紙面の表紙に見出しを付けたSPORT。その怒りを生んでいるのはPSGへの移籍というよりは、いつまでも沈黙を守っているネイマールの姿勢となります。まあ、かつて“ペセテロ(守銭奴)”のニックネームをもらったポルトガル人のように「バルサにいるから安心して」と言った矢先の白組移籍なんてのも最低ですが、この沈黙も緊張を緩和するには役立たない。情報が交錯する現代では、状況はどんどんもつれていきます。

なんにせよ、ネイマール周辺の姿勢によってクラブもバルセロニスタも消耗していますから、フランス方面の報道に反してブラジレーニョが残留することになったとしても、平穏なシーズンを送るのは困難でしょう。SPORTがウェブで行ったアンケート「ネイマールはバルサへの敬意を欠いていると思いますか?」への「はい」の回答率 91%と。少しパフォーマンスが落ちればメディアに叩かれ、ファンに批判され、結局来夏の裏口退団になると思います。

同じ退団であっても、もう少し前にネイマール自身の口からなんらかの誠実な説明でもあれば違ったのでしょうが、この先に感動的なお別れメッセージがSNSに投稿されたとして素直に受けいられるかどうか。将来のエースとして期待していましたが、去る者は追わず、出て行きたければご自由にどうぞです。

 

コメント

  1. レト より:

    これまでの契約延長交渉ではネイマールの父親は残留に否定的でしたから、
    今回の交渉では父親が移籍を求めてネイマールはその板ばさみになっている印象があります。
    これまでのフロントの対応や今回の騒動で初期対応を誤ったことを考えればフロントの落ち度も大きいのでは。

  2. t0shi より:

    なんとなく、ネイマールからは遊び人の気配がするので、選手としてのピークはあと2,3年なのではないか・・

    そう考えると高いうちに売ってしまい、MSNがいるから試合にでれないであろう人たちが移籍しやすいようにするのと、契約解除金をもらうことで将来への補強を進めるのが得策かと。

    残っていてもレオは超えられないとおもう。

  3. silver より:

    もうここまで話が大きくなったら、どうしようもないでしょう…
     パリにはさっさと3億ユーロ払って、新ペセテーロを引き取って頂きたいと思いますね。

    それがネイマールの決断だと言うのであれば、フロントにできることはありませんが、値下げ交渉に応じるような愚かな真似はしてほしくは無いです。