クーマン新時代を前に、契約を取り消し、去ることでクラブと合意
セティエンの評価者だったことで理事会内での信頼度が下がったことが理由の一つか
FCバルセロナが昨日(8月18日)、強化技術部長であるエリック・アビダルの辞職を発表しました。前日に退任が発表されたキケ・セティエンは理事会による解雇でしたが、アビダルの場合は自らの決断。クラブ内で自分への信頼が失われていくことを感じ、身を引くと決断したようです。
クラブと本人の合意による契約取り消し
エリック・アビダルの辞任を伝えるバルサ公式サイトの文章は、ごく簡単なものです。PCサイトで見るとわずか5行ほど。まず「FCバルセロナとエリック・アビダルは、双方を結びつけていた契約を取り消すことで合意に達した」と1行半、あとの3行は謝意を表す内容になっています。
ちなみにキケ・セティエンの解任を伝える公式ページは、文章での前監督への感謝や幸運を願う言葉はありません。「近日中に発表されるであろう新監督と現在の強化部が行うファーストチームの広範な再編成の枠組みのなかでの最初の決定」だと説明した後、画像で「GRACIAS Y MUCHA SUERTE!」と記されているのみです。全然感謝してなさそう。
なにはともあれ、バルサとアビダルは双方の合意によって契約の取り消しでサインをした。
彼が担っていたファーストチーム強化責任者としての任務は、助手だったラモン・プラネスが担っていきます(バルトメウがそう述べている)。自ずと新監督ロナルド・クーマンの意向が強く反映されそうです。
一度は続投と見られていたものの
バイエルン戦の2-8を受け、セティエンの解任はもう疑いようがありませんでした。注目されていたのは、アビダルの責任が問われるのかどうか。彼はチームの強化責任者ですし、セティエンとの契約を勧めた評価者でもあったからです。
結局、17日(月)の臨時理事会では監督の解任のみが決定され、アビダルは強化技術部長(セクレタリオ・テクニコ)続投となった。
上述したように、クラブはセティエン解任を伝える声明のなかで「現在の強化部」が新監督と共にチーム再編を行っていくと書いていますし、ここで強化責任者を切るのは得策でないと判断したのでしょう。
なのでアビダル辞任は驚きをもって伝えられました。
SPORTによるとアビダルは昨日(18日)の午前中はクラブに出勤していたそうです。しかし彼は上層部に辞表を提出し、クラブもそれを受け入れた。
辞意の表明がセティエン解任の一日後だった理由は想像に委ねられます。
セティエンの評価者、チームとの関係
アビダルが辞任を決断した理由は、セティエンの擁護者であったことと無関係でないでしょうし(臨時理事会のあった月曜、アビダルはセティエンと二人食事会をしている)、選手たちとの関係も好ましいものではなかったようです。
彼が強化担当に選ばれた理由の一つが、「日々スカッドと過ごし、選手との問題を解決してもらうため」(ペップ・セグラ)だったことを思い出すと切ない。どこでボタンを掛け違えましたか。
理事会の信頼を失い、選手たちとの関係も好ましくなかったことで、新プロジェクトからは身を引くことにしたとSPORTはいいます。
目立った成果は残せず
エリック・アビダルは2018年6月、契約満了となったロベルト・フェルナンデスの後任として強化技術部長に就任。鳴り物入りでの登場でした。
当初はスポーツマネージャーであるペップ・セグラの下で働いていたのですが、このクレ界隈の嫌われ者が2019年7月にクラブを追われて以降は、ファーストチームのフットボール的最高責任者へと格上げされています。
最高責任者といっても、厄介な理事会の承認が要るので苦労したことでしょう。結果としては、スカッドの競争力を上げる補強を出来ずに終わった2年間でした。
良かったのはフレンキー・デ・ヨングと、アルトゥロ・ビダルくらいか。トリンカオとペドリが良い置き土産になることを期待しましょう。お疲れさまでした、アビさん。
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