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リキ・プッチはチームに残り、クーマンに力を示すべく戦うと決意

自分のチームでは出場時間を与えられないと、移籍を勧めたオランダ人監督
リキはバルサを出ずにポジション競争に挑むと決めた

先週末に行われたガンペル杯において、話題になったのは試合をスタンドから見守ったリキ・プッチでした。バルセロニスタの人気者である彼にロナルド・クーマンはあまり出場時間を与えられそうにないと考え、正直にそれを伝えると共に、レンタル移籍で試合に出ることを勧めたのだという。これに対してリキの返答は、残留して出番を勝ち取るべく戦う。システム変更や競争の激しさを考慮してもやれるという自信とメンタルを称えます。

(4連休でちょっと取り残されて遅れ気味の更新であります)

若手は試合に出なければならないと考えるクーマン

得点機はたっぷり作り出しながらも、得点はアントワン・グリーズマンのゴールひとつだけだった土曜日のガンペル杯・エルチェ戦。試合終了後、TV3のカメラ前に登場したロナルド・クーマンのインタビューで多くのファンが期待したのは、このお祭りにリキ・プッチ(21)を招集外にしたその理由説明でした。新監督は言います。

「私が彼を戦力外にしたのは事実だ。昨日の朝、トレーニング前にリキと話をした。私はいつも若い選手たちと話をするんだ。彼らは試合に出なければならないし、プレーをしない時間があってはいけない。アラニャーやペドリもだけれど、彼らは試合に参加しなければいけない。リキには、それがとても難しくなると言ったよ」

レンタル移籍は一つの可能性だ。これはリキとの件だけれど、他のとても若い選手たちにも言えるね。私はオランダ人で、ペドリやアンスのような年代の選手はプレーをしなければならないと考えている」
「私たちは結論を引き出したんだ。3週間一緒にやって来たけれど、リキのポジションはあまりに競争が激しすぎる

若手選手は試合に出るべきであり、今のスカッドではリキの序列は低いので(システム変更もリキには不利と判断)、プレーをするためにそして未来のために他のチームへ行くことをお勧めする。クーマンの人柄が伝わってくる話ではあります。

ただ・・・ あと2週間で夏マーケットが閉まる今になって結論が出たとかいうのはどうなんだクーマン。

プッチ以外にも名前を出しているカルラス・アラニャーペドリもまた、ファーストチーム以外での試合出場を模索する可能性はある。

リキ・プッチは残留以外に考えない

そのオランダ人監督の勧めに対し、リキ・プッチがどう判断をしたかというと、やはり残留です。

リキには去年もトップチームに呼ばれなくなった時期があり、セグンダBでは危険なタックルを連発されたことと合わせ、レンタル移籍が次善の策ではないかとの話が出ていました。しかし彼は頑なに武者修行を断ってきた。バルサでプレーしてこその成長であり、自分にはその可能性も実力もあるとリキは信じているのです。

今回の戦力外通告に対しても、リキ・プッチは残留を希望しており、監督の判断が間違っていたと証明する考えでいる。そんな若者の自信ってまぶしくて好いですな・・・ その旨はすでに父で代理人のアルベルト・プッチ氏によってクラブへと伝えられたそうです。

いずれにしてもリキ本人が出ていかないと決めたのであれば、この夏の移籍はないでしょう。
トップチームの面子がまだ確定していないので、絶対ではないですが、おそらくはトップチーム選手の背番号をもらって(=契約を2023年6月まで自動延長するオプション発動)、スカッドに残る。
そして日々のトレーニングによってクーマンに資質と準備万端ぶりをアピールしていくことになります
(去年のエルネスト・バルベルデのように、トレーニングに呼ばれなくなる心配がないのは有利点か)。

武者修行よりも粘ることで成功する

プレーをして成長するためのレンタル移籍、それもバルサの場合は怪しいです。バルセロナの中盤カンテラーノが武者修行で一皮むけて帰ってきた、そんな前例は思い当たらない。移籍先でいくらか試合に出たとしても、微妙な感じで戻ってくるのがバルサの定番となっています。

バルサで成功してきたラ・マシア産の中盤選手はみんな例外なく、レンタルされるのではなく、当時の監督たちが賭けることによって成長しクラブを代表する選手となってきました。チャビイニエスタだって、辛抱強くバルサに残ったからこそのあの大成なのです。

その偉大なる先輩たちを見て育ってきたリキ・プッチは、前の冬マーケットで移籍話が出た際、次のように言って残留を強調しています。
「僕が参考にしているのはチャビイニエスタの2人さ。彼らは我慢強かったし、僕も彼らのようにチャンスを待たないとね

リキ・プッチ「チャビやイニエスタのように、チャンスを待たないとね」
FCバルセロナ期待の若手リキ・プッチ。別のクラブへ期限付き移籍する方がキャリアのために良いのではないかとの議論がありますが、リキ本人はバルサ残留を改めて強調しています。「チャビやイニエスタがしたように、僕もチャンスを待つべき何だ」

イニエスタも最初の2年間は出番なし

魔術師イニエスタにしても、トップデビューした2002/03シーズンはなかなか出番がもらえず、招集もされない試合が大半でした。出場はチャンピオンズ・グループステージの消化試合ほか、リーガでは年末年始の5試合くらい。次の2003/04も、前半戦はほぼベンチと招集外なんですよね。しかもポジションはエストレーモで。

そして2004/05シーズンは途中出場が大半ながらも46試合出場と躍進、先発定着はチャビが長期離脱した2006年となるわけですが(ただしポジションはエストレーモとの併用多し)・・・ リキ・プッチもそんなふうな自分をイメージしているのかもしれません。

リキ・プッチは、暗い気分になることが多かった昨季のラ・リーガ再開後のバルサにおいて、アンス・ファティと共にクレの希望だった若手です。物怖じしない大胆さと、ゴールを目指した縦への意識。やはり外のどこかではなく、カンプノウで育ててほしい。リキを育てられずになにがバルサですか。

トリンカオやペドリでスカッドを若返らせるのはいいが、それだけではラ・マシア回帰が足りていない。彼が出場機会を勝ち取っていくことが大前提とはいえ、残ると決意したなら残すべきでしょう。
ドブレピボーテではデ・ヨングセルヒオ・ブスケツピアニッチ、メディアプンタではメッシグリーズマンコウチーニョが競争相手なので超高難易度なんですがね・・・ それでも挑戦すれば道は拓けると考えるメンタリティを評価したい。

というか、次の会長選挙の出馬予定者たちも、クーマンがもしバルサのDNAを復活させるような良い仕事をした場合は続投もあり得るとほのめかすことが、リキのような若手を起用する余裕を生むのではないでしょうか。知らんけど。

 

コメント

  1. アメドリ より:

    ポストメッシがポイントな気がします。
    ピルロもロナウドは休む時を知っているはずで、然るべき試合では休ませるって明言しているし、メッシバルサも同じな気がします。
    コウチだと手詰まりだったりして、4-2-1-3も見据えてこの時にどう割って入るか。
    なんとかチャンス掴んで欲しいところです。

  2. 村木猫ブルース より:

    どうせいつまでもオランダ人が指揮するとは限らないしね。