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予想外のウンティティ契約更新:フェラン・トーレス登録を可能とした策

2026年6月末まで、契約期間を3年間延長したフランス人セントラル
新戦力フェラン・トーレスの出場登録を実現するための唯一の方法だった

2022年1月10日(月)、FCバルセロナから予期せぬニュースが発表されました。「ウンティティが2026年まで契約を延長し、給与を一部減額します。それによってクラブはFFPを拡大し、フェラン・トーレスのラ・リーガ登録が可能となるでしょう」。コウチーニョの期限付き移籍とウンティティの契約延長により、目標としていたF.トーレスの新規登録がどうにか実現されたのです。

FFPをクリア

昨年12月28日に公式発表されていた、フェラン・トーレスのバルサ入団。攻撃陣の補強を目指すクラブが、ゴールドマンサックス社の融資を受けて冬市場らしからぬ5,500万ユーロ+を用意し実行したオペレーションだったわけですが、問題はその目玉補強選手をどうやって出場登録するかにありました。

ご存知のとおりFCバルセロナはバルトメウ全理事会の負の遺産(膨れ上がった選手給与と減価償却費)によってラ・リーガの定めるFFP限度額を超過しており、これをクリアしなければ選手の新規登録ができなかった。
獲得する資金は用意できても、給与総額が多すぎて登録できない奇妙な現実に苦しめられているのが今のバルサです。

そのため、マテウ・アレマニー(フットボールディレクター)たちは高給選手の放出、もしくは減給を含む契約期間の延長による解決を模索してきました。前者はコウチーニョウンティティ、後者はデンベレで・・・と見られていたのです。
しかし今回、ウンティティが後者となった。そこが意外なポイントでありました。
サムエル・ウンティティとFCバルセロナは今回、2023年6月末までだった契約を3年間=2026年6月末まで延長することで合意をしています。

苦肉の策

サムエル・ウンティティがどの程度の減給で合意したのかは、正式には明らかにはされていませんが、MDもSPORTも10%だと報じています。
そしてその、2023年6月末までに受け取るはずだった給与から10%なり減給された分を、2026年6月まで4年半に分けて受け取ることになる。それによって今季の経費は大きく下がりますから、コウチーニョアストンビラへの貸し出しと合わせ(あちらが給与の一部を負担)、フェラン・トーレスの給与を払ってもFFPをクリアする状態になったわけです。

(この方法だと、給与が前年比で50%以下になることを禁止する法律には引っかからない?)

1シーズンあたりの給与が大幅に下がった反面、バルサにあと4年半いる権利を手にしたことで、ビッグサムの眼前には新たな地平が広がりました。
自分の価値を示すための期間が延びた。どこかに期限付き移籍する場合でも、価値を示せばまた戻ってきてカンプノウで成功できると信じることができる。給与が下がったことで他クラブも手を出しやすくなった。
このまま試合に出ない状況が続くのであれば、どこか別のチームで競争力を示すことが現状では最良なのは明らかですから、着地点としては悪くないでしょう。

ということで、みんな驚いた今回のウンティティとの契約更新。
フェラン・トーレスの出場登録を可能とする唯一の方法であるとともに、ウンティティ問題を解決するための時間稼ぎを含めた契約更新と見るのが妥当なところです。もしもレンタル先で選手として再評価されてくれれば万々歳・・・ バルサには彼を残しておくスポーツ的な意味合いは薄く、良いオファーが届けば貸し出される可能性は十分にあるでしょう。むしろそうしたいはず。

そしてこの“裏技”は、今後も使われそうな感がありますよね。

ぺドリフェラン・トーレスがCOVID -19のPCR検査で陰性を示し、スーペルコパ準決勝への出場が可能に。両選手は急いでリャド(サウジアラビア)へと向かい、チームと合流する。

ウンティティが契約更新に応じたことで、フェラン・トーレスの出場登録だけでなく、ガビニコのファーストチーム登録が可能になる模様。ガビは現在フベニールA登録、ニコはバルサB登録。これが実現すれば、チャビの選手起用はずっと自由度を増す(ファーストチーム選手が7人以上ピッチにいるべしとのルールに縛られにくくなる)。

コメント

  1. パブロマリ より:

    10%の減給だけでもそんなに変わるんだなー

  2. トム より:

    ウムティティの給料合計10%の削減というと…
    2023年までで払う予定だった給料のうち90%分を、26年までの契約で分割させたという感じですかね。

    仮にウムティティの年俸が1000万ユーロだったとすると、支払うべき額は残り一年半で1500万€になります。
    ここから10%削減で1350万€を、26年夏までの4年半分で支払う事になり、最終的に年俸約300万€程度になるという計算でしょうか。
    その程度ならサブとして残しても良いという感じに…なるかどうか、微妙な所ですね。
    しかし途中で移籍するなら、この年俸も払わなくて良くなりますね。

    とりあえずウムティティ問題はこれで決着という事でしょうか。
    しかし2026年まで居座れても、出番は限りなく少ないでしょうに。
    現地クレからも反発を受けてるでしょうし、何が彼をそこまでさせるのか。
    まあそこまで契約金に拘る選手もいるから、契約はしっかりしましょうという教訓として欲しいですね。
    ただ頑なに残留を主張するウムティティを、チャビがどう扱っていくかという問題は
    今後もつきまといそうです。

    まあ今はフェランにガビニコが登録できた事を喜んでおきます。
    後は、デンベレ問題ですな。
    さらなる補強までには手が届かなそうな現状ではありますが、どうなる事やら。

  3. ジェイス より:

    勝手な推測ですが、移籍しても4年半はバルサから年俸払うことになってるとかな気がしてならない。
    それならバルサは今季のサラリーキャップをかわしつつ、ウムティティも現状の契約のサラリーをほぼ確保しつつ移籍したら移籍先からもサラリーを得られてwin-winっていう契約なんじゃないかと。
    そしたら来夏の移籍が既定路線なのかな。
    深読みしすぎだといいですが、、
    ホントにクラブへの愛着のためだったらすまん、ウムティティ

  4. lamasia より:

    残る気がかりは、ガビ、ニコが登録できたところで給与はまだまだ低い点です。既にアラウホが給与に不満なんて報道もみました。資金調達ができるのなら、助っ人獲得より若手放出予防に、念には念をおいてほしいかな

  5. エイプリル より:

    「ウンティティが悪い」と言いたげな方がいますけど、そもそもはクラブが悪いだけですよね。移籍先が見つからないのも給与が高いからであって、そこを見直さない限りはどうにもならない。だからといって「バルサ愛を見せろ」というブラックな圧力に負けて減給を粛々と受け入れるのも道理として間違っている。「なにが彼をそうさせるのか」と言われてもウンティティとしては真っ当な落としどころを探してただけだと思うんですよね。
    私はあの時点での長期契約が失敗だとは思わないです。(ケガをする前の)彼ほどのCBはそうそう見つかるものでもないですから。