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紆余曲折の末、デンベレと再契約「ずっとバルサが第一選択肢だった」

2024年6月までの2年契約でサインしたエストレーモ
1年間に渡ったすったもんだにようやく決着

とにかく長かった

ウスマン・デンベレの契約更新を巡る長い長いお話が、ようやく完結しました。1年間に及んだメロドラマは紆余曲折で。その間には憶測情報も数多く流れ、気をつけてはいたものの、振り回されてしまった感もあります。
そのピッチで繰り出されるドリブルと同様に、交渉においてもデンボウズの動きは先が読めなかった。今回たどり着いたバルサ残留の結末が、ハッピーエンドならいいですなぁ。

契約更新か、移籍か

デンベレとの契約延長交渉が始まったのは、残り期間が1年半となった2020年12月のことです。

バルサにとっての最悪のシナリオは、ネイマールマネーを用い1億4,000万ユーロを投じて獲得した選手に、無料で移籍されてしまう事態でした。
なので期間延長によって将来的に売却する道を開きつつ、クラブ運営を圧迫している高額給与も更新によってどうにかしたい。換金する最後のビッグチャンスとされた2021年夏の攻防は、激しいものがありました。契約更新か、移籍かの圧力。
しかしそんな夏の攻防も、彼の代表戦での負傷によって終了となります。またも怪我をしたデンボウズを敢えて獲得しようとするクラブなんてないわけで、夏市場での換金策は消滅、以後は天日干しで脅し契約更新を迫る方向へと切り替えられていきました。

のらりくらりと交渉を先延ばしするシソコ代理人と、その姿勢に怒りをあらわにするマテウ・アレマニ

選手自身には、自らへの信頼を示したチャビ・エルナンデスの新監督就任(11月)や、親友であるオーバメヤンの加入(1月)が気持ち・意欲面で好影響を与えたと考えられます。
天日干しを解除されたエストレーモはピッチ上で存在感を示し、主にアシストで結果を残した。当初は指笛を鳴らしていたカンプノウのファンも、次第に拍手を送るようになっていきました。

一方で交渉はずっと平行線をたどった。6月30日に契約満了に至った際には、正直、退団は確定的に思えました。
しかしデンベレ自身は残留を望んでいるとずっと言われていて、そこからも粘った。バルサの条件を受け入れての再契約は、一儲けを目論んだシソコ代理人の“敗北”と結論付けられるでしょうか。
移籍先の候補クラブから次々に門を閉ざされ、折れたのだろうと推察します。

ジョアン・ラポルタと2024年までの契約書にサインをした後、デンベレは次のようにコメントしています。

「とても幸せな日だよ。バルサは僕が子どもの頃から夢見てきたクラブ。交渉は長引いたけれど、今は僕ら全員が満足しているし、シーズン開幕を楽しみにしているんだ。バルサはいつも僕の第一選択肢だった」
「チャンピオンズで優勝したいね。自分の全てを出していくよ。僕とバルサにとって、今年が重要なものとなりますように」

記者会見なし

今回はクラブの金庫事情において大きな影響を及ぼす再契約であったにもかかわらず、ラポルタデンベレによる記者会見は行われませんでした。
シウタット・エスポルティーバのグラウンドでのサイン儀式は、新規加入選手と同様に行われたのですが、会長やデンボウズが喜びのコメントを発して、満面の笑顔で抱き合って、終了。時間にして13分ほどです。こんなイベント、必要なんでしょうか。代理人の要望で記者会見をしなかったそうですがね。。。

その分、今日行われるラフィーニャのプレゼンテーションが、デンベレフレンキーの件を訊ねる場となるでしょう。。

残る違和感

2021年夏には契約切れとなっていたレオ・メッシを切ったラポルタバルサでしたが、あれから約1年後、同じく契約切れとなっていたデンベレとは再契約の道を選択しました。

メッシ退団時には、契約期間が一度満了してしまったことが、再契約を困難にしたのだとの説明がなされていたと記憶します。再契約だと新規加入と同じ扱いになり、ラ・リーガに出場登録するためにはFFP違反クラブに科せられる1/4ルールが立ちはだかるからです。
デンボウズに対しても同じ問題が生じてきます。

Sixth Streetとの合意によって“第一のレバー”を動かし、2021/22シーズンの赤字決算を回避したバルサですが、FFPはまだクリアしていない。セルジ・ロベルトケシエクリステンセンを登録するためにはフレンキー・デジョンの放出が必要だ、と報じられているくらいです。

さらに、獲得するか否かはデンベレの去就次第だと散々報じられていたラフィーニャも、バルサは獲得している。余裕なんてないくせに、まさかの2枚抜き。仮にデンベレ側が給与減を受け入れていたとしても、全体としてのスポーツ経費はどうなんだとの疑問は生じます。

ということで、、、すっきりしないデンベレとの再契約。クラブ史上初の1億ユーロルーキーの無料移籍はひとまず回避したバルセロナですが、2年契約なので1年後にはまたいろいろあるでしょう。
まずは彼が大きな怪我なく2022/23シーズンを終えられることを願います。

リーズと移籍で合意したと公式発表されたラフィーニャの代理人は、バルサで顧問も務めるデコ。つまりは直接の利益がある立場でのオペレーションで、手数料がいくらであったのかなど、説明が求められる。

コメント

  1. ぼこ より:

    ひぇー、こんなことあるの(土下座)??

    そしてメッシのときはマジでなんだったのか…???

    対デンベレでは交渉は勝ちなわけですが、そんなにしてやった感ないすね。結局彼も今回サインするなら延長しとけばよかったわけで、他所でもらいてがいなかったわけですもんね。
    やっぱり、別にバルサは商売上手にならんでもいいのですわ。ただ、大事な人との別れ際だけはもう少し上手になってほしい。切実に。