移籍を拒むフレンキーに対して、新たなる追加圧力「キミは去らねばならない」

フレンキー・デヨング（25）に対するFCバルセロナの圧力がいよいよ激しくなってきたようです。選手をマンチェスター・ユナイテッドに売って、移籍金を得るとともにスポーツ経費を削りたい。この夏の新規加入選手を出場登録するためにはFFPをクリアする必要があり、それにはフレンキーの放出が重要だそうです。

現状では誰も出場登録できない

退団を望まないフレンキー・デジョン（以下デヨング）に対し、クラブが「キミは去らねばならない」と伝えた、と現地メディアが一斉に報じています。動かない状況に、業を煮やしている模様のクラブ。7月も半ばに入り、切羽詰まってきたのでしょう。本音がついに出た感があります。
これに対してフレンキーは拒否する構え。順番に見ていきます。

バルサからフレンキーへの放出通告が報じられたのは、ケシエの入団会見でラポルタが「必要がなければ、フレンキーを売ることはないだろう。私たちは彼を売りたくはない」と語ってからわずか8日後のことです。

フレンキー移籍を巡って、FCバルセロナがマンチェスター・ユナイテッドと基本合意したことはもうずいぶん前から伝えられています。移籍金は7,000万〜8,000万ユーロになるとされる。
フレンキーを出せばさらに4,200万ユーロの給与支出（税込）を節約することになるらしく（MD）、収入と支出削減の両面でこのドナドナは重要になるのです。

※出てくる数字はメディアによっていろいろなので、大体の参考としてください。

この夏にバルサが補強に使える限度額は、クラブからの収支報告を見てラ･リーガが設定します。3月に発表された限度額は、異例で謎のマイナス1億4,430万ユーロ。夏に発表される最新版は、果たしてどうなりますでしょうか。

ラポルタたちは現在、“第二のレバー”となるテレビ放映権の追加売却に向けて交渉を進めているのですが、それで融資を受けてもなお、FFPをクリアし、節約した分を1：1で補強に使えるようにするためには3,000万〜4,000万ユーロが超過しているという。
現時点では1/4ルールが適応され、1,000万ユーロを節約しても新規登録に使えるのは250万ユーロのみです。

市場価値が高く給料も高いフレンキーが去ることによってこの壁の突破が可能となり、ようやくセルジ、ケシエ、クリステンセンが登録できるとされる。
もしくは“第三のレバー”の稼働。

昨日、契約延長が発表されたウスマン・デンベレ、そしてラフィーニャを出場登録するには更なるスポーツ経費2,500万ユーロの削減が必要となるらしく、いつものことながら見切り発車ぶりはなかなかです。

違和感

そう言われると、なるほどそれならば仕方ないか、、と思わなくもないフレンキー売却。
しかし引っ掛かるのは、彼が去る条件としてチャビが挙げているらしい、同等レベルの中盤選手の獲得です。

上記の通り、フレンキーを退団させることによってやっとこさケシエやクリステンセンの登録が可能となると言っているクラブが、代わりにそこそこの中盤選手を連れてくるなんて出来るんだろうか。
目標とするスポーツ経費の削減についても疑問で、選手の移籍金や給与次第とはいえ、大きな節約になるとは思えませんよね。優先候補とされるのがベルナルド・シルバなら特にそうです。

それだけではなく、バルサは大きな投資をしてレバンドフスキやクンデの獲得も狙っていますし、どうやって実現するんでしょう。

もしベルナルド・シルバを連れてこれるのなら、デヨングの放出は絶対ではないんじゃないか。なんか胡散臭さを感じるんですよね。デンベレの去就次第と言われていたラフィーニャも、結局獲得しちゃいますしね。。ラフィーニャの移籍金はまだ公表されてませんが、5,800万ユーロ＋700万ユーロとか言われています。合計6,500万ユーロですよ？即座に転売するとか？
それともアレか、チャビにはなんとなく約束っぽいけど約束ではないことをしておいて、後で申し訳ない、やれることはやったんだが、、と詫びるやつ。

また、この件には政治的な側面も多分にあり、フレンキー擁護派はバルトメウ支持派、放出に賛成する者はラポルタ派と括られている、、、面倒臭いクラブです。

「僕を去らせるのは不可能」

これまでは、メディアに去就を騒がせることで選手の気持ちを移籍へと傾かせようと目論んでいたラポルタたちでしたが、フレンキーの残留の意志が堅いことやマンチェスターの要望を受け、直接的な圧力へと転じました。

それに対してフレンキーは、バルサで特に仲の良いチームメイトたちに「僕を去らせるのは不可能だ」と語っている、とSPORTが伝えています。
彼はバルセロナ市内の高級住宅街でカンプノウにも近い Pedralbes 地区に新居を購入したばかりで、これからもカタルーニャ生活を続けたがっている。残留への意志は強そうです。

また、諦めずに勧誘を続けるマンチェスター・ユナイテッドに対しては、フレンキーの代理人を務めるアリ・ドゥルスン氏から、もうこれ以上オファーを出すのは止めてくれと伝えられたとか。こうなると移籍は不可能となり、放出を期待していたバルサとしては焦ります。

遠征外しとか

そんなバルサが次に検討していると報じられているのが、、、土曜日に出発するUSA集金ツアーの招集メンバーからフレンキーを外すことだそうです。そこまで実力行使に出たら、エグい。
散々メディアを使って圧力をかけた挙句、それが効かないとなれば退団要請。それだけでも不公正だと思うのに、さらにツアー不招集とか本当にやったら引きます。陰湿。フレンキーが一体どれだけ不誠実な振る舞いをしましたかね？
ひどいもんですよ。

給与が忠誠心ボーナス込みで2,700万ユーロとか、事実であるなら明らかに高いし、放出も仕方ないとは思う反面、、取り巻くアレやこれやが胡散臭い。バルサを慕って入団したクラックを、結局いつも裏口から追い出す羽目になるのはどうにかならんもんですかね。