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チャビ先生、大いに語る

 

バルサのサイクルはまだ続いていく、と第2カピタン。

ロンドン方面では青いチームの監督に就任したポルトガルのお人が、「私がスペインのフットボルにダメージを与えたと言うのなら、それは私がバルサの覇権を終わらせた監督だからだ」なんて言ってたりもしますが、それはさておき。そういうプロパガンダを聞くと「笑ってしまう」し、「バルサのサイクルは残念ながらまだ続いていく」と断言するのは、7月に独身貴族としてのサイクルを終了させるチャビ・エルナンデスです。

 

結果だけを見ると、表面的になる

現在、コンフェデレーションズカップの準備のためにスペイン代表合宿中のチャビ・エルナンデス。彼は先週末、その練習の合間を縫って、SPORT紙のインタビューに応じています。インタビューの最初の話題は、しつこく言われ続けている”サイクルの終焉”について。第2カピタンはいつものように、その件を一蹴しています。「それを聞くと、笑っちゃうよ。そういうのを耳にするようになってもう何年も経つし、誰かにとっては残念なことに、まだそういった状況は訪れてはいない。もっと先のことになるだろうね。それはまるで、僕が君に、君は死ぬぞって毎年言ってるようなものだよ。何十年も言っていればそのうち当たるし、それで僕は胸を張れる。サイクルの終わりだって言うのはつまり、バルセロナが好きじゃない人たちさ。だから僕らはそれに耳を貸したりはせず、自分たちのサイクルを楽しんでるよ」

バイエルン戦での負け方が酷かっただけに、バルサの覇権は終わったとの見方は強い。けれどもチャビは、それには同意しません。7-0は衝撃的でしたが、そこだけを見ちゃいけない、という理論です。「結果だけを見れば、表面的な理解で終わってしまうよ。試合を見なければいけないんだ。バイエルンは僕らとの試合で、プレー方法を変えてきていた。いつものように楽しくはプレーせず、両サイドのスピードを活かし、プレッシャーも上手く、守備にほころびもなかった。彼らのリズムとパワーは僕らよりも上だったよ。ただボールは僕らのもので、彼らは支配できなかったんだ。彼らの状態がずっと良かったのは間違いないけれど、マドリーや僕らが決勝へと進めなかった理由は幾つもあるさ

チャビによるその理由の1つが、シーズン中のクラシコによる疲弊です。「シーズン中の争いが、両チームをとても消耗させるんだ。ドイツではそういうことはない。あれほど激しい争い、歴史的なライバル関係はないからね。僕らは2年連続でチャンピオンズの準決勝で敗れた。それは普通じゃないよ。今年はコパの準決勝でかなり消耗したんだ。あれはすごくハードだった。こういう状況が続くなら、4月5月にバイエルンよりも悪い状態で臨むのは避けられないよ」

そしてハードすぎるカレンダーを回避するためのチャビ流のアイディアが「コパ・デル・レイを1試合制に戻すこと」で、もしスペイン連盟が自国のチームをチャンピオンズ決勝へともっと頻繁に送り込みたいのであれば、そこでちょっと協力してほしいというセントロカンピスタです。一発勝負にすることで4-5試合減らすことができ、番狂わせも増えるのでスペクタクルにもなるだろうと彼はしています。

 

勝ち負け以上のこともある

チャビの物言いは、バルセロニスタ以外には評判の悪いことが多いです。例えばモウリーニョの採用するプレースタイルへは、「全然好きじゃない」、「歴史には残らない」と切り捨てる。そういうところから、プレー内容至上主義と揶揄されるカピタンです。そこで質問者さんは彼に対し、”決勝戦では勝つことと良いプレーとどちらを優先するのですか?”との問いをぶつけた。それにチャビはこう答えました。

「もしリーガを獲った後ならば、コパの決勝で負けても重視はしないだろうし、それが2年前にアスレチックが僕らにしたような戦い方なら、尚更だよ。僕はビエルサのアスレチックをずっと覚えているだろう。彼らのスタイルや攻撃的哲学、ボールを持った時の狙いをね。でも2年前のチャンピオンズでチェルシーが勝ったやり方は違う。僕はケチで結果主義のフットボルは好きじゃない。楽しくないし、退屈なんだ」

カピタンはまた、ガラクティコ時代のマドリーは「明確なアイディア、コンセプトがあって、あらゆるプレーを支配していた。彼らが優れていたと、負けを認めなければならなかった」としています。しかし、ことモウリーニョのマドリーに関しては容赦ない。「そういったものが何もないし、未来のために何も残しはしなかった。僕らはこの20年間以上スタイルを変えてこなかったし、ジャガイモ畑にするためにピッチを乾かしもしなかった。マドリーが僕らより上にいるときも、3万回蹴りを加えたり、場外戦で試合を熱くしようともしなかったんだ。僕らは勝つことも、負けることも引き分けることもあったよ。でもプレーの哲学は同じだった。いつも言っているように、結果は詐欺師。勝ち負け以上のこともあるんだ」との持論を堂々と披露しています。

 

チャビの1X1

このインタビューでチャビは、バルサのサイクルは終わっていない、モウリーニョのスタイルは好きじゃないという以外に、関係者たちについて個別にコメントをしています。この記事ではむしろ、こちらがメイン。先のプレー論もそうですが、チームメイトたちに関してもハッキリと考えを表すキャラクターがチャビのチャビたるところです。無論、思ってることを全部語ってはいないでしょうけど。

ネイマール
「希望を抱かせる補強だね。彼は世界的スターで、大きな未来のある選手。有数の才能があって、世界最高の選手となる運命にあると思う。適応には少し時間が必要だろうけど、それが早くなるように僕らはあらゆるサポートをしていくよ。彼がグレートになる手助けをするし、彼もまた僕らをグレートにしてくれるだろう。彼はナンバーワンになるための条件は全て備えている。それだけじゃなくて謙虚でいいヤツだってアルベスから聞いてるよ」

メッシ
「今年も彼がバロンデオロを受賞すると僕は確信してる。ネイマールへの嫉妬?ここで彼はエトーのような選手と一緒だったし、ロナウジーニョとは全く問題がなかった。ロナウジーニョとエトーも仲が良かったよね。まず考慮に入れるべきは、レオもネイマールも頭が良くて、バルサのことを第一に考えてることだよ。もし彼らが栄光を掴めば、それはバルサの栄光になる。チームにはネイマールの兄貴分で、メッシの親友でもあるアルベスだっているしね」

チアゴ
「彼には忍耐を持つように、と勧めたよ。彼の状況を僕は理解してる。18歳でミランから声を掛けられた時、僕は彼と似た状況を経験しているんだ。僕はものすごく考えて、最終的には残留を決断した。簡単な決断ではなかったけれど、時間が経つにつれ、正しい決断だったことが証明されていったね。彼の才能からすれば、もっとプレー時間が必要なのは確かさ。でもバルセロナではいつも、最後には努力が認められるんだ。決断は自分自身ですべきだし、プロフェッショナルとしての自分の将来にベストと思う道を選ぶのは彼であるべきだよ」

ビジャ
「彼の将来がどうなるか見ていこう。彼はとてつもなく謙虚な人だよ。デランテロ・セントロとしてプレーすることを断念し、左サイドへ行っていることでそれは証明されてる。この数年は、不運な怪我で泣かされたね。選手にとって脛骨の骨折は、起こりうる最悪のことなんだ。底から彼は戻ってきて、良い結果を残した。面と立ち向かい、決して逃げ隠れすることはなかった。もし彼が去ることになるなら、彼が与えてくれたもの全てに感謝しなければならないよ。ウェンブリーのチャンピオンズ決勝のゴールだけでも、記念碑に値するもの。グアッヘは過去も現在も未来も、すごく偉大な人さ」

プジョル
「少し前の記者会見で、彼がすでに説明している。痛みがあって、それ以上ガマンできずに手術をすると決めたんだよ。それは尊重すべき決断だし、きちんとしたことを知らずに外部から批判するのはかなり不公平だと思う。プジョルを疑うなんて、僕からすればかなり厚かましいことだよ。カルラスの過去を振り返れば、彼がこのクラブのためにどれだけの事をしてきたか気付くだろう。だから記憶のない人たちがいるのは間違いないね。彼に疑問を持つ人がまだいることが、僕には残念だよ。彼はつま先から頭のてっぺんまでプロフェッショナルで、全ての人にとっての手本さ。彼は前以上に強くなって戻ってくるだろう。そう僕は確信してる」

セスク
「ここでの問題は、この数年でハードルが高くなっちゃってることだよ。彼はチームが全てを勝ち取った後にここへとやって来た。例えば今では、リーガで優勝しても少し足りなく見えるんだ。セスクはとても好い結果を残しているし、今の扱いは相応しくないよ。でも幸いなことに、彼はあらゆる逆境を乗り越えられるほどの、信じられない強さの精神力を備えているんだ。同じことはアレクシスにも言えるよ。僕は彼がすばらしい選手で、シーズン毎にステップアップしていくと思う。チームメイトとしても最高だしね。彼の直面する問題もセスクと同じ。判断基準となるハードルがめちゃ高いんだ。でもシーズン毎に、苦しんでいた重みから解放されていくさ」

アビダル
「クラブが彼との契約を延長しないと知った時、チームのみんなが悲しんだのは事実だよ。動揺しないのは不可能さ。彼はプレー続行を希望したけれど、クラブの考えはまた別だったんだ。僕が印象的なのは、彼の前向きな性格、笑顔、ユーモアのセンス、謙虚さだよ。彼は代わりを求めることなく全てを与える人物さ。僕らはみんな、彼のおかげで人として成長したよ。ここが自分の家だと彼は知ってる。だから彼はここへ必ず戻ってくるだろう。彼は人生では挑戦し、戦う必要があることを示してくれた。そして努力することで、最後はなんとかなるんだ」

 

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