おカネのためではなく、幸せのためにバルサへ来たと若きクラック。
ネイマール・ジュニアのバルサ初日が終わりました。熱狂の一日になることは分かっていたのですが、メディアの盛り上がりっぷりは予想の何割増というか。プラット空港に到着以降は絶えずカメラが若きクラックを捉えているといった様子で、どこへ行くにもファンだらけの報道陣だらけ。ウワサに違わぬ大スターでありました。しかしながら、イメージには軽さもあるこのネイマールですが、発せられたコメントは非常に賢く、各方面への配慮が行き届いていて100点満点。好感の持てるものとなっています。
ネイマールにとって2013年6月3日は、怒涛の一日となりました。まずは13時、予定よりも約1時間遅れでプラット空港へと降り立つと、急ぎ足でカンプノウへと向かい、クラブオフィス玄関のエスクード前で最初の記念撮影。続いてメディカルチェックを済ませ、サンドロ・ロセイ会長らと契約書へのサインの儀を行い、会長たちと再びエスクード前で記念撮影。そしてカンプノウに押し寄せた5万6,000人へとバルサユニ姿を披露した後、バルサ選手初日の最後の通過儀礼が、報道陣を前にしての入団会見でありました。
21歳にしてすでにフットボル界有数のクラック・メディアティコとなっているネイマール・ジュニアだけに、この入団会見へと申請を出した報道陣の数も半端ではありません。最終的には欧州、北中南米、極東、中東など世界15カ国、122のメディアからなる334名のジャーナリストたちが許可を得て、プレスルームで彼を待ち受けています。以下はこの入団会見における、ネイマールの言葉たちです。
「メッシが世界最高であり続けるための手助けをしたい」
「人生における一つの夢が現実となったことに、ものすごく幸せだよ。今日は僕や家族にとって、最高の一日さ。メッシやチャビ、イニエスタといった、僕が小さい頃からすごいと思ってきた選手たちと一緒にプレーできるんだ。神が与えてくれたこの機会に感謝してる。今日から僕の、新しい時代が始まる。たくさんの喜びが待っていることだろうね」
「カンプノウのピッチに出て、大きな拍手を受けて、、、ピッチでのプレゼンテーションの間、涙を堪えるのが大変だったよ。夢が現実となったんだ、子供の頃からの夢がね。感無量だよ」
「バルサとマドリーはどちらも偉大なクラブだし、彼らが僕を求めてくれて幸せだった。でも僕の心は、バルサにあったんだ。決断は家族みんなでしたよ。最後の一言は僕だったけれどね。僕らはおカネでは一度も動かなかったし、父がいつも僕を導いてくれていた。おカネが大事だってことは分かっているけれど、僕らの心を動かすものでもない。関心は別のところにあった。何よりもまず、幸せが大事なんだ」
「マドリーは偉大なクラブだし、彼らのことはリスペクトしてる。でも僕は心のままに、バルサでプレーすることを決断したんだ。少し疲れはしたけれど、その甲斐はあった。今日は人生最良の日だよ」
「自分が世界一になろうなんて気にしたことはないよ。だって世界最高の選手はここにいるんだ。それはメッシさ。僕は世界で一番ツイてる人間の一人だよ。だって彼と一緒にプレーができるんだもんね。それは僕にとって名誉なこと。彼が世界最高の選手であり続け、バロンデオロを獲得し続けられるよう、そのお手伝いをしていきたいんだ」
「メッシは世界最高の選手だから、彼と一緒にプレーするのは簡単だと思う。僕はメッシを推し続けている理由は、彼がフットボルファンに喜びを与え続けているからだよ。僕は彼がボールを扱っているところを見るのが大好きだし、これからは間近でそれを見れるんだ」
「僕は小さな頃からバルサが好きだった。バルサではいつもクラックがプレーをしていたからね。バルサに関する僕の最初のイメージはロナウジーニョだった。その後はメッシだね」
「みんなで理解し合い、僕らが可能なかぎりのタイトルを獲得していけるよう、責任を共有していくよ」
「少しでも早く適応して、自分のフットボルが出来るように励んでいくよ。息子としばらく離れて暮らすことは、その妨げにはならないと思う。いずれここへやって来るだろうしね。家族へのノスタルジーはあるだろうけれど、自分の下した決断には満足しているんだ」
「自分に5,000万ユーロの価値があるとは思わないけれど、夢の実現のために努力をしてくれたクラブにはとても感謝してる。自分の名前がバルサ史に刻まれるようにしたいね」
「これからカタランが上達するように頑張っていくよ。僕はカステジャーノ(いわゆるスペイン語)より、カタランの方が上手く話せるんだ」
その他ネイマールは、自分の呼び方はジュニアでもネイでも好きにしてもらえればいいこと、背番号にこだわりは無いこと、決断するうえでペレの影響はなかったこと、ティトとは手短に挨拶した程度であることを語っています。
バルサ入団への喜びを表しつつも、マドリーへの敬意も忘れず、メッシが一番であることも再び強調。若くしてメディアに注目されてきた選手だけに、このあたりのコメントはどれも卒がなく、成熟していて、頭のよさも感じます(優秀なブレインによって、よく準備されていたとしても)。なによりも、表情をはじめ、バルセロナへと来れたことが嬉しくてたまらないってオーラをぷんぷんさせているのがすばらしい。これからどうぞよろしく、ネイマール!
コメント
ようこそバルサへ!
「空飛ぶオランダ人」は、メッシー&ネイマールの共演には反対のようですが・・・振り返れば、リヴァウド&フィーゴの両エースが引っ張った時代もあるし、つい最近まではロナウージニョが抑えられたときに、メッシーがカバーしていたシーズンもあるバルサである。そう、メッシー&ネイマールがバルサを引っ張り、そしてどちらかが不調のときは、それをカバーし合うのである。こりゃ、来シーズンも目が離せませんね!
アニモ バルサ!