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マルティーノ「今のバルデスは並外れている」

 

こういうタイプの試合では、ロングボールも必要だと監督。

バルサ守護神の集中力は今、研ぎ澄まされまくっています。3日前のアヤックス戦にて、PKセーブを含むパラドン連発でチームの無失点勝利に大貢献したバルデスは、このバジェカスにおいても神がかり的なパラドンを幾度も披露。2試合連続でのPKブロックですから、並みの絶好調ではありません。ぴかぴか光るキノコでも食し、無敵モードに入っているかのような聖ビクトルであります。そしてシュート職人としての感覚を取り戻してきた感のあるペドロ。攻守に英雄の生まれたこの試合のもう一つのニュースは、バルサはポゼッションで相手に引けをとったことです。

 

守護神のパラドンを享受する

ラージョ・バジェカーノ戦(0-4)を受けての翌日のスポーツ紙面は、SPORTがお上手だけれどベタな見出しを付けています。“rayo”が“光線、雷光、俊敏な人”の意味であることから、ペドロを差して“UN RAYO”(稲妻)。そして彼らのシュートを止めまくったバルデスを、“UN PARARRAYO”(避雷針)という具合です。

試合終了後の会見にて、その避雷針となったビクトルの活躍についてのコメントを求められたヘラルド・マルティーノ監督は、脱帽するしかないといった様子でこう語っています。「今のバルデスは並外れた状態にあるね。彼はスペインでベスト3に入るポルテーロだし、だから代表に選出されている。私としてはもう彼のプレーを享受するしかない。今日も決定的な場面を4、5回阻止し、ペナルティも1つ止めているわけだから、監督としては(パラドンを)楽しむ必要がない方がいいんだけれどね」

そのバルデスは来年の6月30日でバルサを去ってしまいます。「バルデスの契約延長は、私の手の内にはない事柄だ。彼はすでに一つの姿勢を示している。もしなんらかの可能性があるとするなら、それは会長との話し合いとなるだろう」

(※ちなみにバルデスは試合終了後、PKセーブについて「昨日デラ(フエンテ。ポルテーロコーチ)と話をして、トラショーラスは真ん中に蹴ってくるだろうと言ってたんだ。いつもは真ん中に蹴らないから、僕が中央で我慢するとは予想しないだろうってね」とコメント。PK阻止後の咆哮は、デラ・フエンテ向けだったわけです)

 

内容はマイナスからプラスへ

試合内容に関しては、マルティーノ監督は敵将パコ・ヘメスのプランニングを自己批判も交えつつ称えています。「ラージョのプレッシャーは激しかった。彼らのライン設定は非常に高く、パスをつないでプレーするのが非常に難しい時間帯も幾つかあったよ。それによって私たちは、前線の選手へとロングボールを送ることにもなったんだ。相手チームの圧力が非常に激しいこういったタイプの試合では、敵陣へとボールを入れるためにはそういう手も必要となってくる

そして。「後半は良い出来だった。試合最後のプレーを除けば、私たちに守備の問題はなかった。より苦労したのは前半のプレーだ。アヤックス戦と同じように、マイナスからプラスへ内容は改善されていた。このチームには大きな得点力がある。失点をゼロに抑えていれば、上手くいく可能性は大いにあるんだ。2点目以降は、望むようにプレーできたよ。ラージョはスペインらしい大胆なプランニングで、自陣では非常に上手くパスを組み立ててきた。彼らのエリアではボールを守るのがとても難しく、序盤はボールを何度も失ったことでエリアへと何度も迫られてしまった」

 

ネイマールは非常に賢い選手

この日のネイマールは何度か決定機を作り出しながらも、仕上げの点ではあまり幸運とは言えませんでした。「彼はとても頭のいい選手。あらゆる状況において、見極める力を持っているんだ。0-3となった場面では、自分でゴールも出来るところで、ペドロへとボールを譲るべきだと分かっていた。それに今シーズンで最も重要なゴールの1つは、彼が決めているんだ(アトレチコとのスーペルコパ決勝点)」

テクニコはまた、アレックス・ソングとマルティン・モントーヤにも賛辞を送っています。「彼らはとても良かったよ。マルティンのプレーは非常にレベルが高かった。アレックスはマラガ戦でプレーしただけ、マルティンにはこれまで出番はなかったけれど、プレー時間の少なさを彼らは感じさせていなかった」

 

ポゼッションで負けたのは5年ぶり

 

2008年のベルナベウクラシコ以来となる出来事。

今回のラージョ戦は、ペドロがバルサ初ハットトリックを決めた以外にも、“歴史的”な試合となりました。バジェカスでのボールポゼッションは、ラージョの51%に対してバルサが49%。リーガBBVAのサイトのみ48対52とバルサ優勢としているのですが、バルサ公式を含め、SPORT、MUNDO DEPORTIVO、MARCA、そしてASも“あのバルサがポゼッションで敗れた!”と、一大事として報じています。

タタチームのボール支配率はプレシーズンのバイエルン・ミュンヘン戦で47%だったりもしているのですが、公式戦でポゼッションが相手を下回ったのは、2008年5月7日にサンチャゴ・ベルナベウで行われた屈辱クラシコ(4-1)以来、316試合ぶりだったそうで。そのマドリー戦や夏のバイエルン戦とは異なり、ゲームの主導権を握っていたラージョ戦(特に後半)で相手にボールを譲ったことは、バルセロナの変化を示す上で重要なデータです。

ラージョ・バジェカーノ 0-4 FCバルセロナのマッチレポートはこちら

 

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