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ロセイが辞任した理由

 

家族への脅し、メディアによる包囲網。

よくある他クラブたちの会長さんたちのケースとは対照的に、思いのほかあっさりと舞台を下りたサンドロ・ロセイ前会長ですが、MUNDO DEPORTIVO(MD)紙によりますと、その決断に至った理由は複数が絡み合ったもののようです。爆弾となったのはネイマールの一件とはいえ、ただそれだけではないと。

ロセイは辞任発表において、「以前から私と家族はじっと脅しや攻撃に耐えていた」と語っています。それらの被害届はもれなく市警に出されていたらしいのですが、同紙によれば、その最も酷いものは年末に起きていました。彼らがクリスマス休暇から戻ってきたところ、自宅の入り口に物騒な痕があり、当局はそれを弾痕であると確認しています。大きく報じられなかったのは、ロセイ家の希望によるものでしょうか。

サンドロは数週間前から家族や近しい友人たちから、そういった個人的な疲弊を理由に会長職を退くのが一番ではないか、と説得を受けていたそうです。そうした折、ソシオであるジョルディ・カセス氏からネイマール獲得の際に不正行為が行われたとする訴訟を中央管区裁判所のパブロ・ルス判事が受理。カセスが訴えたのはロセイ個人であったことから、彼はクラブを裁判に巻き込むことを望まず、舞台を下りた模様です。一方、ちょいと違う見方もあります。

 

“ネイマールゲート”

2011年の暮れ、サンドロ・ロセイとルイス・アルバロ・オリベイラ(それぞれ、当時のバルサとサントスの会長)はカダケスにあるレストランにてネイマール移籍で合意したと言われています。その後、レアル・マドリーの妨害にも屈することなく、ロセイはオペレーションを実現。デッカイ夢が叶ったわけですから、これから自分はバルサ会長としてさらに良い仕事をしていくぞ、と至福の時を過ごしていたはずです。まさかその一件が元になり会長を辞めようとは、想像もつかなかったことでしょう。

モウリーニョ騒動でもしぶとく生き残り、ベイルの移籍金疑惑でも白を切っているフロレンティノ・ペレスとは違い、バルサの会長はソシオ1人の取った行動によっても辞任となる事が今回の件で実証されました。マドリーのようなクラブの横槍をかわしつつ、ネイマールのような選手を獲得するためには、“ヒ・ミ・ツ”にしなければいけないおカネがたくさんいるのでしょう(5,710万ユーロ以外にも、契約書には今後ネイ側に諸々の収入を生む条項が含まれているとされる)。そこに疑問を持つソシオがいても不思議はないですし、説明を要求するのもごもっともです。ただ、そのソシオ氏が弁護士とともに裁判所を通じて、N&N社(ネイマール父が代表)が受け取った4,000万ユーロの経緯や秘密条項の内容を知ろうとしたのは想定外だったかもしれません。

今週月曜にはマドリーのEL MUNDO紙が裁判所に提出された資料から、ネイマールのオペレーション総額は9,500万ユーロだ!とすっぱ抜き。その翌日にあった新カンプノウに関する記者会見でロセイは、守秘義務ゆえにここでは語れない、と説明を避け、「喜んで話すから、判事は私への訴訟手続きを受け入れ、私を召喚すれば良い」と述べています。

しかし水曜、SPORT紙と同系列のEL PERIODICOが、“どの契約書にも秘密条項は存在していない”と追い打ち。カセス氏の疑問に答えるのに、契約書による縛りはないとしたのです(一方MD紙は秘密条項は実際に存在する、と反論)。そんな具合にネイマールオペレーションへの疑念が増す中、今回の辞任発表。昨日の時点では質問は受け付けられてはおらず、疑問は解決されていませんから、今日金曜に記者会見を開き、記者たちと対峙するバルトメウ新会長は大変でしょう。

辞任に関する報道はメディアの立場によって異なりますが、確実なのはこれでアンチバルサなメディアの報道が静まりはしないことです。

 

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