ベルナベウ決戦での復帰を目標に準備中と。
リーガ・エスパニョーラが開幕してから気がつけば1ヶ月少しが経過し、ルイス・スアレスが“自由の身”となれるまでの期間も1ヶ月を切りました。ひと月なんてあっという間ですから、ここからはまさに復帰へと向けたカウントダウン。公式戦出場禁止処分の終わる10月24日の、その翌日に開催されるサンチャゴ・ベルナベウでのクラシコへと出場するため、バルサと選手は準備を進めているそうであります。モチベーションは十分すぎるほど十分。体力も余っている。あとはどれだけフォームを上げられるかです。
親善試合でフォームUP
新シーズンのリーガ日程が発表される時、毎年まず話題になるのはクラシコの日時です。それが今年はルイス・スアレスの処分期限と重なったこともあり、いつも以上集まったに注目。実際問題として、4ヶ月もの出場停止を食らった選手が、その直後のクラシコにいきなり出場するのは簡単ではないでしょう。よく言われる“実戦のリズム”のない選手がこの戦いに参加しても存分に働けないんじゃないか、との疑問もあります。しかし最初からその可能性を切る必要は全くない。MUNDO DEPORTIVO紙によると、スアレスとルイス・エンリケはクラシコでの復帰を信じ、そこを目指して準備を進めています。ファンとしても純粋に好奇心を刺激されますので、彼らのプランが見事ハマることに期待です。
スポーツ仲裁裁判所（TAS）の裁定によってチームメイトとのトレーニングが認められて以降、ルイス・スアレスはグループと同じメニューでセッションをこなし、身体を鍛えています。それでも試合のリズムだけは出場しなければ得られないわけでして、現時点でも1ヶ月間試合で磨かれてきた同僚たちとスアレスのコンディションには、どうしても差があるでしょう。選手のモチベーション面は全く心配不要ですから、あとは周囲がどれだけウルグアイ人クラックのための出場機会を準備できるか、になります。
スアレスは9月以降、バルサで2つの試合に出場しています。代表招集を受けなかったトップチームと一緒にプレーしたバルサBとの練習試合と、バルサBの一員としてベルマーレンとともに出場した先日のU-19インドネシア代表との親善試合です。そして10月のFIFAウィークに行われるウルグアイの親善試合（10日と13日）にも彼は招集されましたので、少なくともあと2試合はリズム獲得の機会が確保されました。代表戦に是非是非参加してほしい、なんてレアなケースです。
チームに順応中
ムンディアルで噛み付き事件を起こし、獲得の是非が熱く議論されたルイス・スアレスのバルサ入団が正式に発表されたのが7月11日でした。ようやくTASから公式戦への出場停止以外の行為が認められ、入団プレゼンテーションが行われたのが8月19日。チームメイトたちとのトレーニングに初参加したのは、その4日前のことです。
それ以前のスアレスは、フィジカルトレーナー部長のファンホ・ブラウと2人でトレーニングを行っていました。クラブの施設は使えなかったため、どこかのジムや山道でせっせと基礎体力作りをしていたそうなのですが、不幸中の幸いといいますか、これは彼のヒザにとっては好都合でした。ルイスはムンディアル前に左ヒザの手術を受けていて、イングランド戦で復帰を果たしたもののムリをしている部分もあった。そこでFIFA処分によって長くなったプレシーズンを用い、ここの強化に充てたのです。
さらにMD紙によりますと、スアレスはもう二度と噛み付き事件を繰り返さぬよう、メンタル面でのケアも行ってきました。ルイス・エンリケの専属心理学者としてチームにやってきたホアキン・バルデスがその任務に当たっているらしいのですが、ドクターたちはスアレスに、大黒柱としてゴールを求められることのプレッシャーから我を失ってしまったことが事件の原因だろうと説明。しかしバルサではメッシやネイマールもいるので、彼が一人でゴールの重圧を背負うことはないだろう、だからきっと大丈夫と語って聞かせた、らしいです。
そして彼はロッカールームにもスムーズに順応中。元々噛み付き以外は問題のない選手ですので、バルサでも上手くやってくれることでしょう。新チームメイトとの橋渡し役になったのは、代理人（ペレ・グアルディオラ）が同じアンドレス・イニエスタだったとか。今ではハビエル・マスチェラーノと特に仲が良いらしく、さらにはヘフェシートを通じてレオ・メッシとも良い関係にあるそうです。
その大エースが今季はアシストにも重きを置き、すでにチームメイトに6点を与えている。それが10月末に復帰するスアレスを意識したものと考えても差し支えはないでしょうし、レオのそういうプレーを見て、ウルグアイの9番も気合が入ってるんじゃないでしょうか。カレンダーに1日ずつ×印を入れつつ、（プレーの）牙を研げスアレスッ！
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