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会長選挙実施へ!

シーズン最後にソシオの信を問うことを決断。

2015年1月7日(水)、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が大きな決断をしました。2016年の任期満了まで居座るのではないかと言われてい た会長の座から今年の夏で降り、選挙によってソシオの信を問うことにしたのです。これまでに行われた幾つかの調査においては、いずれも敗北を伝えられているバルトですから、この決意は簡単なものではなかったでしょう。しかしスビサレッタ解任だけでは済まされんとの外部の圧力は強く、このまま騒動が長期化す ればチームに及ぼす影響も甚大。クラブに安定と平穏をもたらすためとする彼のこの決断は“バルトメウの最も聡明な決断”だと称えられていますし、メディアのムードもさっそく明るくなっているから分かり易いです。

緊張状態の緩和のために

月曜日に契約を解除したアンドニ・スビサレッタの後任に関して、あるいはレオ・メッシとルイス・エンリケ問題の沈静化、FIFA処分への対応などについて語るのが主な目的で、選挙の前倒しについては期待薄、と考えられていた1月7日の記者会見で、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長から明かされたのはシーズン最後での会長選挙実施の知らせでした。

これまでには何度選挙について訊ねられても、任期満了をする考えだとばかり繰り返していた彼が前倒し実施の理由として説明したのは、「現在クラブを取り囲んでいる異常な緊張状態を緩和するため」。バルトメウはこの「過度なハイテンション状態」が「あらゆる面で良い結果を出しているクラブの実情に沿ったものではない。クラブは機能している」と強調していますが、こちらの印象は頂きもの政権の限界の到来です。もしこのままバルトメウ理事会が来年夏まで残り続けたら、さらなる混乱がクラブを包んでいたことでしょう。そしてその選挙後のでは1万%惨敗する。騒動をこれ以上大きくせず、万が一の再選の可能性を少しでも増やすためにはこの決断しかなく、ムードを変える面での効果はすぐに現れています。

ネイマール契約騒動でサンドロ・ロセイが突然の辞任をしてから、ほぼ1年後の選挙招集。出来るならロセイが去った時点で選挙実施を決めているのが良かったとは思いますが、バルサ会長の座が目の前に現れれば、野心のある人物なら掴もうとしますか。ただし信任を得ていない椅子は脆く、実際座ってみてバルサ会長職の難しさも痛感したでしょう。なによりもFIFA処分を一時保留されている中でのチーム作りが残念すぎましたし、かつて副会長だった前会長の副会 長だったバルトですから、ペップの右腕だったティトの後をロウラが継いだようなもので、さすがに無理があります。

バルトメウ会長はその他、ルイス・エンリケを支持する考えを強調し(「彼が適任であるとの私たちの考えに一切の疑念はない」)、メッシ放出の意思はないと断言し(「メッシは私たちのリーダーであり、契約がある。私たちのプロジェクトとチームはレオ・メッシを中心に回っている」、「バルサがメッシを売りたがっていないことは誰もが知っている」)、ルーチョとレオの間にいさかいはないとの見解を述べるなど、クラブを襲う諸問題の沈静化に努めています。

シーズン終了後の選挙に立候補するとの意思を表しているバルトメウ理事会がそこで再選されるためには、残り数ヶ月、全力でルーチョチームを支え、ソ シオを大満足させるしかありません。レオ・メッシが退団するようなことは断じてあってはならない。ルイス・エンリケがチーム内で上手くやれていないなら、 なんとかしなければならない。もしそれでルーチョバルサが大きなタイトルを獲得できれば、仮に選挙で敗れたとしても、最後は良くやったバルト!と表門から クラブを去れましょう。彼にとって勇気ある選挙実施の決断によって、雰囲気は変わった。彼もまたクラブのことを考えるクレであることは示された、と思います。

6月21日が有力?

というわけで、バルサ会長選挙です。2015年夏のバルサはFIFAからの補強禁止処分によってたっぷりと時間があるのですが、選挙実施に関してはクラブ規約で手順が決まっていて、自ずと投票日に適した日付は決まってきます。

任期満了でない会長選挙の場合は、まず理事会が解散をし、代理委員会(とりあえずこの呼び方)がその後の選挙運営を取り仕切っていきます。実際に会長選挙の実施を宣言するのは、この委員会です。

ポイントとなるのは、年度の区切りとなる6月30日以前に新理事会が発足した場合は、それが1週間であろうとも1シーズンにカウントされる点で、2003年のジョアン・ラポルタは6月1日から会長に就任したことで、2006年に選挙を行わなければなりませんでした(当時の任期は4年。今は6年に改定)。さらにクラブ規約では投票日から10日以内に新会長に就任しなければならないので、7月1日から新政権を発足させるなら、投票日は6月21日(日)が最有力となります。

そして6月21日に投票が行おうとするならば、諸々のカレンダーをこなしていくためには、バルトメウ理事会の辞任は5月14日あたりになるとのこと。その後は新理事会発足まで代理委員会がクラブを運営し、その代表は経済委員会長のラモン・アデイ氏が務めます。過去に代理理事会が作られたのは2度。ジョアン・ガスパー辞任時のジョアン・トライテル氏と、ジョアン・ラポルタが選挙を招集した際のチャビエル・サラ・マルティン氏(派手な原色ジャケットで話題となる)のケースです。

もちろん次の理事会の任期が5年と数日になっても好いや、とバルトメウさんたちが考えるのであれば、ソシオの投票のし易さを考え、5月24日のカンプノウ最終戦(対デポルティーボ)を投票日としてもOK(クラブ規約でも、カンプノウでの試合と同日に実施する努力をすべしと書いてある)。ただしこの場合は直前にアトレティコ戦(リーガ第37節、@カルデロン) があり、その前にはチャンピオンズ準決勝があり、翌週にはコパ決勝もありと、ルーチョチームがタイトルを争っていれば集中を乱します。

誰が立候補する?

水曜日の記者会見において、バルトメウ会長は自分を含めた立候補予定者たちに節度とフェアプレーを求めるコメントを発しています。今はシーズンの真っ最中で、クラブの各チームがタイトル争いに集中するためには、騒音が大きくなってはいけないからです。とはいえ、候補予 定者たちは1日たりとも無駄にはしたくない。控えめとしても動きはありますし、メディアも注目しますし、これからは候補者たちのニュースが増えていくのは 避けられません(クライシス騒ぎよりはマシですが)。現時点で会長選挙へ出馬すると見られる主な人物は、以下の4氏です。

ジョゼップ・マリア・バルトメウ:FCバルセロナの現会長。サンドロ・ロセイ前会長から理事会を引き継ぐ。その際に選挙を経なかったことと、スポーツ面でのやり繰りの拙さで印象が悪い。次もバルトに任せてみよう、とソシオに思わせるには、ルーチョチームの怒涛の反撃が必要。

アグスティ・ベネディト:2010年選挙にも立候補。サンドロ・ロセイに完敗したものの、14%の得票で2番手となった。5年前の選挙よりは名前も売れており、ソシオ諸氏への働きかけも進めている。ひょっとしたら台風の目となるかもしれない。

ジョアン・ラポルタ:2003年から2010年にかけてバルサ会長を務める。ロナウジーニョ獲得、グアルディオラの抜擢などスポーツ面での功績が大きく、数々のグレーな面はあったもののソシオの人気は高い。最近の幾つかのアンケート調査ではいずれも圧勝結果が出ており、今回選挙の大本命。出馬の意思は明確にはまだ表していない。

ビクトル・フォン:2010年選挙ではマルク・イングラ陣営につき、フェラン・ソリアーノとも懇意らしい。 42歳と若いが、デルタ・パートナーズの中心的存在と相当やり手のビジネスマン。男前。仕事の都合上ドバイにいて今回はまず勝ち目はないので、次回以降への布石か。出馬の明確な意思はまだ表明していない。

 

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