本日より1週間、“本当”の選挙キャンペーン。
ジョゼップ・マリア・バルトメウ、ジョアン・ラポルタ、アグスティ・ベネディト、そしてトニ・フレイシャ。7月18日に投票日を迎えるFCバルセロナの会長選挙2015の最終候補者が、この4名に決定しました。5日(日)が提出期限だったソシオ署名の確認作業がその後3日間、選挙管理委員会によって行われ、上記の4人が必要とされている2,534枚のラインをクリア。2,734枚の署名を提出し、キャンペーンを盛り上げるか?と注目されたソシオグループSeguiment FCBは216枚が無効と判断され、わずか16枚届かずここでリタイアとなってしまいました。残念!
Seguiment FCB 16枚足らずアウト
FCバルセロナの会長となるためにはまず、ソシオ諸氏による署名を集めなければなりません。必要とされる枚数は定期ソシオ総会(アサンブレア)に“信任ソシオ”として招集される人数で決まり、今回であれば2,534枚。最もハードだとされるその署名集めレースに勝ち抜いたのが、バルトメウ、ラポルタ、ベネディト、フレイシャ、そしてSeguiment FCB(代表としてジョアン・バティステ)の5氏でした。
そこからは選挙管理委員会による、署名書類が正式なものであるかどうかの確認作業です。カンプノウに隣接するAuditori 1899がその作業場となり、数日前に見たSPORT紙の写真では、写っているだけでも数十人の人たちがこの作業にあたっています。
参考までに、正式な書名だと認められるために求められるのは、●項目がすべて記入されている。●2014年か2015年のソシオ番号で記されている。●DNI、パスポート、運転免許証のいずれかのコピーが添付されている(外国人はパスポートのみ)、などなど。
反対に無効とされてしまうのは、●複数の会長候補者のために複製されている。●添付書類が失効している。●署名がない。●(権利があると認められ)台帳に記載されていないソシオの署名である。●添付したコピー書類が判別できない、などなど。これだけの項目を何万枚とチェックするのですから、かなりの労力です。
この確認作業によって、今回は平均8.5%の署名が無効とされています。結果、ジョアン・バティステが代表を務めるSeguiment FCBは2,734枚のうちの2,518枚が有効と認められ、2,534枚にわずか16枚届かずにアウトに。選挙管理委員会のラフェル・エレーラ委員長によると、あまりに惜しい差だったことで彼らは3回も集計をし直したんだそうですが、やはり結果は変わらなかったとのことでした。なお、クラブ規約では署名の再確認の権利があるとのことですが、Seguiment FCBはこれを行いません。
ちなみに今回、最も無効とされた署名が少なかったのはバルトメウの6%(9,124枚提出、8,554枚OK)で、ラポルタは4,802枚のうち4,272枚がOK(無効率11%)、ベネディトは3,815枚のうち3,367枚がOK(同12%)、フレイシャが3,289枚のうち3,068枚がOK(同7%)でした。2003年の平均無効率が14%、2010年が11%、今回が8.5%ですから(SPORT)、年々ソシオ諸氏の正確性が上がっていますね。確認作業にあたられた人たちはお疲れ様でした。
そしてこの9日(木)からが、“本当の”選挙キャンペーンのスタートです。各陣営に与えられた時間は、16日(木)までの1週間。17日(金)の“熟考の日”を挿み、18日(土)が運命の投票日となります。投票に訪れたソシオはご褒美として、カンプノウのグラウンドに入れるそうですよ^^
本命候補二人の動き
バルサ会長候補として正式に認められた4名のうち、本命とされるお二人に関する動きを簡単にまとめますと、次のような感じとなります。
■ジョゼップ・マリア・バルトメウ
自らの選挙本部にて、ジョルディ・メストラとともにプロセクションの構想について説明。バスケットボール部門に関しては、「欧州のバスケットボールはNBAとの激しい競争という問題を抱え、各国の連携も不足している。私たちはヨーロッパをリードしていきたい。私たちのクラブで選手が育ち、準備OKとなればNBAへと去っていく。リターンのないバスケットボールに投資を続けることは出来ない。私たちはNBAのラ・マシアではない」とコメント。ちなみにバルトはラポルタ理事会時代はバスケ部門の責任者で、ラポルタの方針に反対して衝突、クラブを去った経歴があります。
女子フットボルチームのプロ化について。「私たちは総合スポーツクラブであり、女子フットボル部をプロ化したい。女子スポーツをより強化し、男子部門しかないセクションは女子チームを作っていきたい」
また、バルトメウ本部を熱血クレとして知られる修道女ソル・ルシア・カラムさんが訪れ、彼女がバルサと関わるきっかけをくれたロセイ、バルトメウに感謝を告げるとともに、彼が良心的な選挙戦をしている点を称賛。もしバルトメウが選挙に勝利すれば団結の旗印となって子供の貧困問題解決に取り組んでいくと語った。
■ジョアン・ラポルタ
国際関係担当ディレクターとして、元バルサ選手のデメトリオ・アルベルティーニを指名。アルベルティーニは「ジョアンから最初に電話があった時、バルサは私の心の中にあると彼に言ったよ。クラブをもっとよく知り、このプロジェクトを共有していきたい」と述べつつ、「フットボル団体におけるバルサに相応しい重要性を取り戻したい。FIFA、UEFA、RFEF、LFPとの“橋”を回復させなければならない」「バルトやロセイたちの悪い政策によって、“エステラーデス(星付きカタルーニャ旗)”の件でUEFAに調査を受けるようなことは許してはダメだ。FIFAによる制裁はさらにひどい」とバルトメウ理事会を批判。
ラポルタによるとアルベルティーニを選んだのは「彼はかつての名選手にして今はフットボル界の偉大な指導者であり、イタリア連盟の副会長を7年間務め、2020年のイタリアでのユーロ開催の責任者の一人だから」と説明。「私たちが選ばれた場合、FIFAに制裁を免じてもらうように彼はすでに働いている。あれはバルトメウ、ロセイたちの経営に対する罰なのでね」と付け加えた。
さらにバルトメウ理事会のカンテラ政策を、「トップチームに上がる選手が出ていない。彼らはフットボルバッセをビジネスだと考え、私たちはトップチームのベースでありバルサモデルの基礎だと考えている、それが違いだ」と批判した。良いところを突いてきますな。
そしてアルベルティーニは補強について、助言を求められればするけれど、責任者はエリック・アビダルになると説明した。
ちなみに、、、ジョアン・ラポルタはこの日ツイッターにて、ヨハン・クライフによる応援署名が不備によって無効になったことを選挙管理委員会から伝えられた、と明かしています。御大・・・^^;
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