契約条項がどうであれ、選手に退団の意思はない。
ルーチョバルサの4番目のセントラル(ピケ、マスチェラーノ、マテューの次)として、決して出場機会には恵まれてはいないものの、不平不満をこぼすことなく出番の際にはほぼ毎回好パフォーマンスによって評価を得ているマルク・バルトラ。このバルサの将来を担う若きセントラルに関し、20日のSPORT紙が“第二のチアゴ・ケースになるかもしれない”と報じました。ある出場試合数を満たさなければ契約解除金が一気に下がり、アルカンタラ兄のように移籍してしまう恐れがある、との内容ですが、それに対してライバル紙のMUNDO DEPORTIVOが反論、SPORT自身も追加記事によって補完する展開となっています。
2年間で50試合出場が条件
20日のSPORT紙の記事内容は、マルク・バルトラの契約には契約解除金に関する特殊条件があり、トップチームの60%以上の試合に出場しなければ、金額が5,000万ユーロから1,000万ユーロへと大幅に減額される、というものでした。同紙はそして2013年夏にバイエルン・ミュンヘンに移籍したチアゴ・アルカンタラも同様の契約だったことを指摘し、最悪の場合は第二の“チアゴ・ケース”になるかもしれないと締めくくりました。
それに対し、同日のMD電子版は、“あるバルセロナ系の新聞がバルトラの契約解除金が5,000万ユーロから1,000万ユーロに下がると報じたけれど、クラブが我々に伝えたところによると、確かに解除金は1,200万ユーロには下がるけれども、それは彼が直近の2シーズン合計で50試合に出場しなかった場合だ”と反論。
そもそもバルトラが2014年3月に契約を更新した際に設定された解除金は2,500万ユーロであり、かつ彼はこの2年間ですでに54試合に出場しているので(昨季30+今季24=54試合)、“バルトラ・ケース”はないと結論付けています。
解除金が5,000万ユーロになる条項?
そしてこの21日のSPORT紙。こちらではまず、出場数が満たされなかった場合に下がる契約解除金が1,200万ユーロであると訂正されました。そのうえでバルサ筋からの情報として、マルク・バルトラは契約書に定められたこの2シーズンでの50試合出場まであと一歩のところにきていると説明。さらにセントラルは今季中に契約解除金が5,000万ユーロに上昇する条件を満たすだろう、とする情報筋の見解も記しています。
MD紙はバルトラはすでに2年で54試合に出て条件をクリアしているとのことでしたが、SPORT紙はそのうち6試合は試合終了間際の数分のみのプレーなのでカウントされないと説明。よって解除金は1,200万ユーロに下がるのだけれど、一方で安心の5,000万ユーロに上昇する条項もあり、それを満たすにはあと少しだとのことのようです。
今季中は残り3試合しかなく、コパとチャンピオンズの決勝ではピケ&マスチェの先発が濃厚ですから、仮に条件をクリアできるとなればそれはデポルティーボ戦だけで達成できることを意味します。負傷した場合は条件クリアに必要な試合数も減る、みたいな条項もあるようで、つまるところよく分かりません^^;
バルトラ自身に意思確認
いずれにせよ、カギを握るのは選手の意思です。極端な話、契約解除金がゼロであっても、選手に移籍の意思がなければ何も起こらない。バルトラからはバルサで成功したいとの気持ちが伝わってきますし、今ここでカンプノウを離れる意味もないでしょう。そこが2014年ムンディアルを控え代表入りを狙っていたチアゴ・アルカンタラの件とは異なるところです。
SPORT紙によれば、バルサはさっそくバルトラに会って彼の考えを確認したらしく、もし出場試合数が足りなくても退団の考えはないとの返答を得たのだとか。ということで、“バルトラ・ケース”は少なくとも今季は起こらないわけですが、直近の2シーズンで50試合以上プレーしなければ、との条項は存在するようなので、数年後にはどうなっているか分からない感じでしょうか。来季あたりに行われるであろう契約更新で、そこはなんとか変更を…。
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