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会長選挙キャンペーン終了

各陣営が最後のアピール。

FCバルセロナ会長候補たちによる熱い戦い、選挙キャンペーンは16日(木)をもって終了しました。今日17日は沈思熟考の日ということで、これまでの候補者たちの主張をよーーく振り返り、明日の投票日に誰に票を入れるかを考える日。雰囲気だけで決めてしまい、後悔しないようにしないといけません^^; 今回の選挙戦は予想どおりに、二人の元三冠会長バルトメウ、ラポルタを中心として進み、選挙戦終盤のアンケート調査でも結果は拮抗しているとかいないとか。ソシオは誰を新会長に選び、これから6年間の舵取りを任せるのでしょうか。

カタールから離れる可能性を示唆したバルトメウ

選挙キャンペーンの最終日となった16日は、それぞれの陣営が取って置きのカードをじゃじゃ~んと披露しています。ジョゼップ・マリア・バルトメウが卓上に出したカードは、“カタールとのスポンサー契約打ち切りチラつかせ”。ラジオ局RAC1の番組に出演した前会長は、その前日にLA VANGUARDIA紙が報じていた日本企業が胸スポンサーになるとの情報についてコメント。「社名は言えないが」としたものの、それと分かる形で日本のインターネットショッピング大手と交渉中であることを明かし、胸スポンサーがカタール航空から代わる可能性を示唆しています。

この件については日本の各メディアでも取り上げられていますが、ポイントは今回の選挙キャンペーン中に対立候補からたびたび批判の対象となっていたカタール航空との契約を止めるかもしれない、とバルトメウがチラつかせたことです。

カタールの代替案には、テクノロジー分野で非常に強力なアジア企業がある。その企業はユニフォームであれ別の形であれ、バルサと契約を結ぶ可能性がある」、「私から言えるのは、そのスポンサー額が私たちの希望に近く、マンチェスター・ユナイテッドとシボレーが結んでいる6,400万ユーロを上回っているということだ。(中略)バルサは世界最高のクラブであり、額も最高であるべきだ」

バルトメウ理事会(仮)がどれだけ本気でカタールとの契約終了を目論んでいるのかは不明ですが、カタール航空との契約が2016年までである以上、幾つかの選択肢を用意しているのは間違いなく。バルトはまた、「クラブには興味深いオファーが幾つか届いている」と楽天以外にも候補はあることを示しつつ、アグスティ・ベネディトが“内定”を取り付けていると言う70-80Mユーロのスポンサーについても、「選挙に勝てなかった候補がバルサのために話を進めればいい。もし私が会長になれなければ、そうするだろう」と述べています。

その他バルトメウが番組内で語ったのは、NIKEとの契約が良いふうに更新されることへの期待、ネイマールとの契約にやましいところがないとの見解、2018年までとなっているメッシとの契約は必要とあれば更新すること、もし監督が望むならアルダ・トゥランはチャンピオンズに出場しないチームに貸し出すこと、など。ビダルやアルダのために公式審判のいない練習試合を準備することに問題ない、とも述べています。

ポグバを“獲得”したラポルタ

一方、ジョアン・ラポルタのキャンペーン最終日は、MD紙の言葉を借りれば、票を集めるために最後の望みを託した必死の一日でした。この日のラポルタはこれまでよりも声のトーンを上げ、ライバルのバルトメウを「嘘つき(カタールの件)」で「バルサの会長になる能力のない男」だと非難。さらにポール・ポグバの代理人にも協力を要請したか、ミノ・ライオラはEFE通信社の取材に対し、「ラポルタはポグバがバルサ入りするための重要人物」、「もしラポルタが選挙に勝てば、ポグバはバルサでプレーする可能性が大きいね」などと語っています。言うなれば、ポグバ(ライオラ)がラポルタの最後のカード。逆に反感を買いそうですが、必死な感じは伝わってきます。ただ、ポグバのために会長を選ぶなんて、あり得ない

ラポルタは表向き(?)は勝利への自信を覗かせています。その根拠は、自陣営が独自に行った最新の調査により、彼に投票するという回答がバルトメウを上回っているからです。弁護士殿は言います。「自分が勝つ可能性が高いと見ているが、それは私たちの動員数次第だろう。もし私たちの投票人が駆り出され、投票に行けば、私たちが勝つだろうね。投票人の動員対決だ

さらに反バルトメウ票が分かれることを嫌うラポルタは、フレイシャベネディトに投票しようと考えるソシオに対し、「もし変化を望むのなら、それが可能な唯一の候補は私であり、私は彼らに変化を約束する。あなたたちの票を有効に活かしてほしい。バルトメウが続投しない唯一の選択肢は私だ」と呼びかけ、「ベネディトが出馬を取り下げ、バルトメウの潜水艦にならないことを期待している」とも訴えています。さて、その言葉はどうソシオに響きましたでしょうか。

ラ・マシアの復活希望

というわけで、いよいよ明日が会長選挙の投票日ですが、新会長が誰になるにせよ、その特権的な立場を手にした人物に望むのは、ラ・マシアの再興です。他チームから実力あるトップ選手を獲得するのも楽しいのですが、実績を残した選手はそれだけ年齢も上がってきますし、長期的にチームの柱とはなりにくい。プジョル、チャビ、バルデス、イニエスタ、メッシ、ブスケツ、なんて各ポジションに宝石たちが揃うのは奇跡だとは分かっているとはいえ、バルサといえばカンテラですから、なんとかもう一度トップチームに有力選手を送り出せるフットボル・バッセにしてほしいのです。チームの柱はカンテラーノであるべき。その点においては、バルトメウが信頼に足りないのがなんとも。

会長選挙が行われる際、毎回感じるのは、この民主主義的プロセスへのソシオの誇りです。少なくとも自分たちはリーダーを自分たちで選べるクラブの一員だという誇り。富豪や油マネーや投資ファンドの好きにはさせないとの誇り。なにかとややこしい事も多いバルサ一家ですが、その特異性がまたこのクラブの魅力でもあり、ずっと変わってほしくはないところです。せっかく投票に行ける人は、是非よく考えてカンプノウの投票所へと足を運んでほしい。そして選ばれた会長を、とりあえず応援する。バルサの敵は外部よりむしろ内部に多いですから、なんとかまとまって次の6年間を良いものにしましょ。で、新会長の誕生とともに、ルーチョバルサは北米ツアーを開始です!

 

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