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アドリアーノは出したくない

すでにローマと合意しているらしいが…。

今シーズンの初会見において、「契約の残っている選手は誰一人として去ってほしくない」と語っていたルイス・エンリケ監督。しかしながら控え生活が数シーズン続き、出場時間の欲しい選手が新天地を求めるのが普通でありますから、バルサではペドロ・ロドリゲスやアドリアーノ・コレイアが移籍を望んだとしても十分理解できます。とはいえ、チームの視点で見ると彼らのような実績あるポリバレントな選手が居なくなってしまうのは非常に痛く、クラブとしてもなんとか残留してもらうように努力中のようです。そりゃそうです。

レギュラーではないジョーカー

アドリアーノ・コレイア(30)とASローマが移籍合意に達した、とのニュースが21日、バルサ系メディアに流れました。それによると選手はすでにローマへの移籍を決断しており、両者は口頭での合意済み。3つのリーガ、2つのチャンピオンズなど多くを勝ち取ったバルサを彼が去りたいと考える理由は、出場時間の少なさに他なりません。

彼が本職とする左ラテラルはジョルディ・アルバがほぼ不動のレギュラーとして出場している上、昨年加入したジェレミー・マテューがそのバックアッパーになるという報道もちらほら。トーマス・ベルマーレンもこのポジションをこなせます。

では右ラテラルはどうかといえば、退団が濃厚と見られていたダニ・アルベスはすったもんだの結果ハッピーエンドの残留となり、彼とポジションを競う選手としてアレイシ・ビダルを獲得。ルイス・エンリケはさらにドグラス・ペレイラの移籍も望んでいないためにこちらの人員も(一応)カバーされてまして、アドリアーノがばりばり起用されそうな雰囲気はありません。どちらのポジションでも3番手あたりの優先順位となり、2014/15シーズン程度の出場が良いところでしょう。

そういった状況の選手にローマという魅力的な街の名門クラブから良い内容のオファーがあれば、気持ちが向かうのはごく自然なこと。ポジションが埋まっているバルサとは異なり、ローマは左ラテラルを補強する必要に迫られているということで出場機会も期待できますし、4年契約といわれるオファーも三十路のアドリアーノには魅力的です。スポーツ面で断る理由はありません。

簡単には容認しない

しかしFCバルセロナに移籍を容認する考えはない、とSPORT紙は伝えています。バルサはFIFA制裁によって縛られているため、アドリアーノの後釜を獲ろうとしても1月1日まで出場登録できない。不動のレギュラーではないにせよ、左右ラテラルを卒なくこなせる選手はチームにとって貴重であり(ベンチメンバーをひとつ空けられる)、それゆえにどうにかアドリアーノを説得するよう試みていくようです。あるいは理事会の意向を汲んだ、最低限の努力はしていることをアピールする記事ってのも考えられますが、チームにいてもらうと大変助かる選手なのは間違いないですから、引き留めはするでしょう。

説得以外にバルサのフロントに可能な対応策といえばずばり、“交渉に応じない”です。クラブにとっては幸いなことに、アドリアーノとバルセロナとの契約は2017年6月まで残されており、契約解除金は超ムリめな9,000万ユーロに設定されています。頑として断りつづければ退団は阻止できましょう。

とはいえ、ガンペル杯の招待クラブでもあるローマとバルサは円滑な関係にあるようですし、選手が退団を強く欲した時は引き留める術はそうはありません。アドリアーノも最終的には移籍で決着するんじゃないでしょうか。5年前にセビージャから950万ユーロで獲得したアドリアーノ。年齢も考え、ローマは800万ユーロ以下での獲得を目指しているそうです(MD紙)。

※追記。ルイス・エンリケはLAギャラクシー戦後、契約解除金を払った場合のみ移籍するだろうとコメントしました。

そしてもしアドリアーノが退団し、ダニ・アルベスがなんらかの理由で出場できない場合、バルサBのセルジ・パレンシア(19)にチャンスが訪れるといいな、と思います。ダイジェスト動画しかプレーは見たことないですが(失礼)、なかなかに熱く戦う姿勢に好感。面構えもよく、いずれバルサの右ラテラルを担う選手になると勝手に期待してます。

 

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